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丹治先生と語りたい。

2010-12-11 20:58:42 | 講演会
             結いの会                              
2010年11月企画

 『イマジネーションのちから』~空想動物園の試み~ 

11/22(月)新潟市東地区公民館にて、新潟大学教育学部芸術環境講座、丹治嘉彦先生を招き、今年の9月に行われた「アートクロッシング新潟2010」の『空想動物園』を通じ、街とアートのこれからについて、人の持つイマジネーションのちからについて、先生と一緒に考えました。

『丹治先生と語りたい』

 結いの会の企画を考えていた時に、去年御世話になった講師陣との係わりが、あの一度きりで終ってしまうのは、実に勿体無いと考えていました。
 特に丹治先生とは、ツアーも含めて大変御世話になったにも関わらず、深く話すことの無いまま、お別れしてしまったことが心残りでした。
 2009年の水と土の芸術祭,大地の芸術祭に続き、2010年も「瀬戸内国際芸術祭」という大きな舞台で活躍しつつ、『空想動物遊園』という、新潟の日常の中で、手の届くアートを学生たちと模索し続ける先生と、私自身が、じっくり話してみたかったのです。
 当日は悪天にも関らず、出席予定者全員が集まり、丹治先生の関った2つのアートイベントを通して「街とアートのこれから」「人の持つイマジネーションのちから」について、スライドと説明を聞きながら、一緒に考えました。


東地区公民館

『空想動物遊園』


空想動物がいっぱいー、いるね。


 かつて「新潟遊園」と呼ばれた場所は、現在の寺尾中央公園。それぞれの記憶に残る遊園という場を、現在のチャンネルに置き換えたら、何ができるだろうか、『動物』というモチーフを借りて、空想を働かせて楽しもう、そんな企画です。会場へ来ると、誰もが様々な動物になって、非日常の世界に入り込みます。自分でコスプレグッズをつくり、様々な動物に変身し、遊ぶ道具を自作して、大人も一緒になって遊ぶのです。動物のオブジェ、ライドオンアニマル(滑り台)、変身ふにふにアニマル、空腹動物遊園、オニギリマン、稲藁の巣、NHKで紹介されたメディア効果か、9/23~26の会期に訪れた人は延べ1万人弱。


空想動物遊園で「カエル」さんになりきっている新潟大学の学生さん




新潟大学の学生さん達が、沢山の動物に変身して楽しそうに踊っています。
この写真、クリックすると踊り出しますよ。


動物さんたちの滑り台。皆楽しそーうだね。


思いがけない人出のおかげで、トラブルも発生。これは後の懇親会で聞いたのですが、先生も大変な目に遭われたようです。メニューの豊富さ、想像して楽しむ記憶の遊び。メディア効果だけでなく、リピーター率が高かった理由は、そんな仕掛けにあるのではないかと思います。

『瀬戸内国際芸術祭』

こちらは桁が違います。7/19(海の日)~10/31に開催された、オバケアートイベント。 高松港,直島,豊島,女木島,男木島,大島,小豆島,犬島を会場とした、現代アートの祭りに、当初の見込み30万人を軽く超える、なんと94万人が来場しました。先生は小豆島に、新潟と小豆島の漁協から集めた網を重ねたオブジェ『海を繋ぐもの』を製作。準備で前年から現地を往復し、今年の5月以降は毎週末毎に、小豆島へ通ったそうです。「なぜここ(瀬戸内)で芸術祭だったのか?新潟とは何が違うのか」夕方のフェリー終了時間以降は移動手段の無くなる離島で、高校生になると島を離れなくてはならない、厳しい瀬戸内の過疎化の現状があります。美しい風景が人の手から離れていくのです。犬島には銅精錬所の遺構を保存・再生した美術館ができ、島々に個性的な美術館も増えました。しかし、豊島(てしま)は過去に、産業廃棄物が不法投棄されていまた。



大島には、長くハンセン病患者が隔離されていた歴史があります。私も初めて知りました。死んだ方の解剖台となっていた石の展示と、指の不自由な方が囲碁を楽しむための碁石をひろうスプーン。スライドに現れる作品たちは、胸を締め付けてきます。プラスもマイナスも、高度成長時代の日本を支え続けた島々で、アートに触れることで過去の歴史にも触れることになる芸術祭。「人のもつイマジネーションのチカラ」 という丹治先生の言葉をもう一度噛みしめました。「なぜこんなに多くの来場者が世界から来たのか?」は、フラムさんにも分からないそうです。ただ、日本でのアートの在りようは、世界とは少し違うということ。日本の美術館では、絵画・彫刻の展示から、イベントまで開催されます。その曖昧さが曖昧なままで続いている現状が、世界から人が集まる要因になっているのかもしれない、という先生の言葉は理解できました。



丹治先生の作品「海を繋ぐもの」 小豆島


新潟「水と土の芸術祭」やすらぎ堤の「バンブーハウス」でお馴染の「王文志」さんの作品、「小豆島の家」です。




『丹治先生と(飲んで)語る会』

会場を移動して、街かどダイニング「えぴきゅーる」で懇親会を行いました。 先生は(酒が)強いはず!の予想は外れていませんでしたね! 先生に聞いてみたかったこと、アートをとりまく現状、ぶっちゃけどうなのよ!?な話。 お酒も手伝って、いろんな事を聞いたり話したり。丹治先生は、アートを体感できる日常でありたい、みんなが楽しめる物語をつくりたいと言います。「そのためには、いくらでも頭を下げる」やっぱり丹治先生は熱い方でした。先生と、近い目線で話し、聞くことができ、それぞれが思うこと、感じた事は、多様であったとしても、各メンバーが帰りがけに、「今日は参加できて良かった」「思うことがいろいろあった」「良い会だった」と言ってくれた事が、大切な果実であったと思います。最後に丹治先生より、お礼メールの返事をいただきましたので、ご紹介します。



『丹治先生からのメール』

丹治です。
先週はお世話になりました。あのような形でみなさんとお会い出来たことに感謝いたします。私も近くにあるアートと言う物語を分かりやすく話したつもりでしたが、後で考えてみるとあそこであんな風にしゃべれば良かったなぁ・・・等反省叱りでした。また皆さんとなんらかの形でお会い出来ると思いますが、これからも宜しくお願いいたします。ありがとうございました。季節の変わり目お身体御自愛下さい。
新潟大学教育学部 芸術環境講座
丹治嘉彦
コメント (3)
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