2024/3/8
・モレウ(渦巻の文様)を軸にアイヌ文化の芸術や工芸品を集めた展覧会。
・アイヌの文様はかっこいいと思うものの、それほどアイヌ文化に馴染みがないので距離感が難しい。
・それこそ『ゴールデンカムイ』のような自然とともに生きているイメージが強いけど、あれは昭和初期の話だし、ステレオタイプの押し付けはあまり良いことではない。
・芸術と伝統は、近いところにあるわりに、相性がよくないと思っているので、現代のアイヌ文化ってどんな感じなのか気になっていた。
・あと、自分は落書きしたくなると、必ずぐるぐる渦巻を描いてしまうので親近感もある。
・と思っていたら、世界のぐるぐるを集めたパネルコーナーもあった。ぐるぐる大好きなのは世界共通らしい。
・北海道に住んでいなくても誰もが一度は目にするだろうアイヌの文様が刺繍されたタペストリー。
・文様ごとの意味もあるんだろうけど、そのあたりはよくわからなかった。
・関根真紀さんのステンドグラス風の作品が美しかった。
・西田香代子さんさんのタペストリーは、結果的に配電図みたいにも見えて面白かった。
・あまりアイヌのイメージのない金属製の作品群。
・熊の手をモチーフにした指輪。キロランケニシパがつけていたような耳飾り。
・各作者の解説が口語で書かれていたのはアイヌ文化リスペクトなのかな。
・作品自体はなかったと思うけど、時々解説で名前のあがる砂澤ビッキさんの作品も気になる。
・藤戸康平さん作の『singing of the Needle』『ぐるぐるモレウ』は、空間を支配する金属モレウの集合体で圧倒的だった。
・版画絵をモチーフにした映像作品『七五郎沢の狐』もあった。アイヌの神話なのかなと思っていたら、函館に作られた廃棄物最終処分場をキツネ目線で描いた話。
・これらは、変化と交流によって新しい表現が生まれていると言っていいのかもしれない。
・一方で、マキリ(小刀)の装飾のような、伝統を洗練させたような工芸品もある。
・美しいし細かいしめちゃめちゃかっこいい。ひとつだけだが、触っていい作品があったのがうれしい。
・北海道みやげの定番、木彫りの熊のルーツを知ることもできた。もともとスイスのお土産だったらしい。
・ちょっと前まで木彫りの熊の第一号の展示があったそうだ。見れなかった。残念。
※余談。展示を見終わる頃に鳥山明さんの訃報を知る。美術館の図書コーナーに関連する図録があった。解説が豊富でにわかには読み切れないし、他では読む機会なさそうなので日を改めて読みに行きたい。
※藤戸洋平さんの触ってもいいマキリ(刃も木製)。今まで全く共感できなかったモデルガン好きな人の気持ちがちょっとわかった。
※西田香代子さん作のタペストリー。見えないかなどうかな。
※貝澤徹さん作『アイデンティティ』
※作家さんごとに、写真撮影OKな作品を出していただいているのは嬉しい。
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