2024/10/14
柔道家であり、日本オリンピック委員会の理事経験もある著者が、スポーツにはどのような価値があるのかを考察した本。
山口香さんは、権威のかなり近いところにいるわりに言動が共感しやすい人というイメージ。
実際、JOC内部の人間でありながら、東京五輪関係で真っ当な発言をしていた記憶もある。
2021年6月までJOC理事だったそうなので、本当に色々あったんだろうなと邪推する。
女性が柔道をやること自体おかしいという時代から柔道をやっていたこともあって、理不尽な状況には敏感に反応できている感じが頼もしい。
日本人選手への過剰な注目、旧体育会系的思想からの脱却、差別とアスリートの社会的発言についてなど、内容自体にはそれほど新味はないけど、こういう立場の人が発言することに意味がある。
最近、一流と言われるようなアスリートでも残念な言動をする人もいるので、こういう人がいると思うとホッとする。