2024/10/4
・元教師が、かつての教え子が殺人事件を起こしたことを知り、他の教え子たちを訪ね歩く話。
・その元先生役が吉永小百合。
・実写映画で、定年退職したヒロインの役を演じられる人は貴重。
・船から先生が現れるとき、フェイクで出てくる怖そうな顔のおばさん。そのためだけに出てきたっぽくて、もっと出番あげてほしかった。
・話は教え子が殺人事件を起こした理由を探るような体で進行するが、実際には別の目的がある。
・教え子たちの思い出は、彼女が教師をやめるきっかけになった事故の話に集約していく。
・それぞれの視点で事故を振り返ることで、どんどん事故の解像度が上がっていくし、生徒たちの当時の思惑が明らかになっていく。
・子供たちの演技が様式的なのはご愛敬として、合唱が始まると普通にうまくてびっくりする。
・そういう設定はないだろうに、逃げようとする森山未來の身のこなしが軽い上に、その軽さを強調するような演出が入っていてちょっと笑ってしまった。
・企画的に吉永小百合を中心に据えるのが確定していたからこそ、脇の俳優に実力者を揃えたんだろうけど、みんな主役ができる人たちなので逆に話のバランスをとるのが難しそう。
・それでも、あくまで主人公は吉永小百合のまま、それぞれの俳優に見せ場を作り一本の話を作っている。脚本の構成と配役のセンスが好き。
・キスシーンを書くのは結構勇気いると思うけど、脚本家の方は、どんな気持ちで書いたんだろう。
・物語とロケ地どちらが先なのかわからないけど、利尻礼文の雄大な自然と、何かと間違いを犯しがちなちっぽけな人間たちを対比させる構図もよくできている。
・最後の合唱は感動的なんだけど、どうしても演者が豪華すぎるという感想になってしまう。これだけの人たちが集まって人前で合唱するなんて二度とないだろうし。
・エピローグ風に大御所二人で占めるのも配置の妙。セリフはよくわからなかったけど。
・礼文島のロケ地にも行ってみたくなった。
(U-NEXT)