2025/6/19
自らを病気だと思い込んでいる男が、自分の面倒を見させるために、娘の婚約者に医者をあてがおうとする話。
鈴木力衛(すずきりきえ)訳。
最初から薬が高いだの原価だの値切ろうだの言っているし、内容も横暴な父親が子供の恋愛を邪魔する構造なので、『守銭奴』とまったく同じ印象を受ける。
医者を筆頭に知識人とされる人たち全般に対する皮肉がテーマだと思われるけど、個人的には今の風潮と逆行していると感じる。どちらかと言うと、医者だって一生懸命やってるでしょという気持ち。
こういうのは程度問題なので、上演する場合は提供側の価値観がわりと表に出やすい気がする。
前に見たSPACの守銭奴では、原作を踏まえつつ、「今の価値観ではダメだよね、こいつ」みたいなまとめ方をしていたと思う。古典だとそういうこともできる。
理解できなかった笑いどころは多かったけど、女中のトワネットの(たぶん)真顔で繰り返す相槌はおもしろかった。
ただ、自らが医者のフリをする必要は全くなかったと思う。
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