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遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

きまぐれポニーテール『King of Rock’n Roll』

2021-08-11 04:08:45 | 演劇を見てきた

2021/8/7

・戦争が始まりつつある世の中で、活動内容のよくわからない貞球部の不良部員たちが実のない日々をすごす話。

・前回の上演は2006年。見たはずだけど、なにぶん15年前なのであまり覚えていない。前回とは演者も演出も団体も違うので、ほとんど新作として見る感じ。

・作中で流れるテレビ番組が過剰に凝っている。画面が小さいのでプロジェクターでフォローしてくれるのがありがたい。そちらも別に編集入っているようだし、ほんと凝っている。出演者も多様で演劇シーズンらしいお祭り感。

・おそらくブラウン管の、あまり融通の利かないタイプのテレビだと思うけど、照明の一部として調和していたし、ちょっとした間を取るのにも役立っていた。

・2006年の作品にしても少し古い方向に誇張された登場人物。見る側を構えさせない安心感のある掛け合いと、その隙間隙間に差し込まれる戦争関連のニュース。

・その繰り返しで話のリズムを取っている感じ。

・主人公ハシモトを演じる足立泰雅くんのガツガツしたところとオドオドしたところを行ったり来たりする感じが楽しい。小突かれてふにゃりと倒れる動きも好き。

・石川哲也さんの膝頭の上に普通の人にはない筋肉こぶがついている。段差の移動があまりになめらかでいちいち笑ってしまう。ロボ子や玉置玲央さんの一人芝居を思い出した人も多いはず。絶対領域って本来ああいうものだと思う。

・内容的には映画『いつかギラギラする日』を連想。

・荻野目慶子さん演じた麻衣の言葉「ロックンロール!」「私を見ろ!」は本作のテーマそのもの。

・映画では、犯罪者や公権力、ヤクザたちに、彼女がマシンガンを乱射するシーンが山場になっている。

・最終的に破滅していくんだけど、それでも、暴力や権力に反発して我を通そうとする爽快感があった。

・本作のハシモトの選択は、ほとんど言われるがままに暴力や権力に取り込まれている感じ。

・その後味の悪さは、むしろ本作の持ち味。

・若さというと行動力やノリの良さなんかを連想しがちだけど、それらはのちのちの後味の悪さとワンセットだったりする。で、それらは取り返しがつかないことも多い。

・それに、自分が、ハシモトなのか、荻野目慶子なのかと聞かれたら、間違いなくハシモト側の人間だもんなと納得してしまった。

(8/6 19:30の回 )

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