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遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」『幸せの黄色い私たち』(DAY2)

2024-02-10 22:54:56 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2024/2/10

・ポッドキャスト番組「オーバー・ザ・サン」の公開イベント。二日目。テーマは《はしゃぐ》。

・二人が本人役を演じる寸劇が始まる。寸劇だと思って見ていたら、90分くらい続いた。

・今回のイベントの準備期間中、ポッドキャスト収録の舞台裏という設定。

・たぶん、お客さんが予想していた、あるいは求めていたのは初日のポッドキャストの延長のような感じだったと思うので、たいそう困惑したはず。

・ただ、一日目と二日目にかけられた労力で言えば、一対九くらいの差がある。

・セリフ覚えるだけでも相当大変だし、ダンス、マジック、ドラム、一つのイベントに詰め込んではいけない量の新しいことに挑んでいる。

・だからひとつひとつの内容というよりも、良い年齢の大人が、なりふり構わず新しいことに挑んでみるというチャレンジ精神のほうを見るべきなんだと思う。

・演劇のほうは、番組終了(勘違い)と二人の仲違い(仲直り)で起伏を作っている。

・取ってつけたような感じは否めないけど、実際どこまでできるか見えない中で作るなら、これくらいわかりやすくないと難しいのかも。

・仲違いするところ、あんまり引っ張るのも二人らしくないので、スーさんの自責から来る悪夢につなげたところがうまい。

・悪夢。聖飢魔Ⅱを思わせる、きりたんぽにしてやろうかのくだりとか、きりたんぽライトセーバーでチャンバラとか、しょうもなくてかなり好き。

・つながらないようでつながってしまう、きりたんぽとホラーの組み合わせ。

・マダムうららの舞台上での存在感が強くて明らかに本職の人だった。脚本も担当されていたそうだ。

・Mr.マリックさんの登場もびっくりしたけど、テレビでは見たことないような必死さでマジックやってたのにもびっくりした。

・ドラムだけでどうやって締めるんだろうと思っていたら、初日に続いて秋川雅史さんが登場。往年の名曲『Get Wild』を熱唱。確かにはしゃいでいる。

・初日と同じことをやっても誰も文句を言わなかっただろうに、完全ホームで共犯関係を築ける会場だったからこそ、こういうリスクを取れたんだと思った。

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竹生企画『火星の二人』

2024-01-17 23:43:53 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2024/1/15

ジェットコースターの事故で生き残った男の家に、もう一人の生き残りの男が押し掛けてきて、庭に住み着いてしまう話。

装置がかっこいい。比較的裕福な家庭の一軒家で、あえて段差を設けて変化をつけている。庭とテントの組合せも楽しい。

演技スペースが広いこともあってか、演者さんの移動がすごくパキパキしている。

突然の見知らぬ訪問者なのに、当事者の男以外の家族は積極的に受け入れようとする。

勝手に家に住み着こうとする赤の他人より、死にそうな目に遭った父親がないがしろにされていて気の毒。

信用のない父親表現とは言えるけど、他人を家に引き留める理由にはならないような。

怒っている人の怒り加減とか、訪問者が敷地内に住み着こうとするのは双方リスクが高すぎるとか、全体的に出ハケの動機が飲み込みにくかったりで、登場人物の行動が自分にとっては難解だった。

どちらかと言うと家族乗っ取り系のホラーだったのに、なんかいい話っぽくまとまっていて困惑したりもした。

(U-NEXT)

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岡山学芸館高等学校『骨を蒔く』

2024-01-13 23:07:05 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2023上演⑦岡山学芸館高等学校「骨を蒔く」

2024/1/13

葬儀に集まった親戚たちが集まって、ゲームや葬式の再現をしながら、待ち時間を過ごす話。で、いいのかな。

実際劇場で観たら違うんだろうけど、他動画と同様に音声が聞き取りにくいのと、遠目からの見た目に差がないので登場人物の関係性がほぼわからず。

細かい話の流れを追うのは早々に諦める。

最初はウノで始まって、お葬式の再現が始まる。題材選択が渋すぎる。

そしてお葬式の再現具合があまりにも具体的。とても調べているし、マイムも的確。

時々出てくる素っ頓狂な動きは、ほんとに度が過ぎていている。

前後の関係性は怪しいものの、思いっきり腕の振れている演技は好き。

中盤から後半にかけて客席に笑いが起きるのは、序盤の会話部分をしっかりつないだ証。

目立たないけど、奥の屏風かふすま風の装置が場を引き締めている。

何気ない話から、家族や海に関する大きな話になっているような雰囲気だったけど、動画からは上手く拾えず。ライブで観たかった。

ラストの舞台装置が浮かび上がっているビジュアルが素晴らしかった。

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万博設計『YO RU TO RO TO RO』

2023-12-27 23:41:46 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2023/12/26

・解体中の巨大モニュメントの工事現場に紛れ込んだ、いろいろな立場の関係者たちが、語らい、惑う話。

・とりあえず今準備中の大阪万博を連想してしまうけど、あまり関連はなさそう。再演だし、高さ的に太陽の塔がモチーフだろうし。

・一般的ではない感覚かもしれないけど、個人的に工事中の巨大な作りかけの建物が好き。

・むき出しの柱や、精密に組み上げられた足場、赤白の巨大なクレーンなどを見ると無条件にわくわくする。

・夜中にこっそり入ってみたい、上ってみたい気持ちもわかるので、本作の場面設定はとても魅力的だった。

・その工事現場まではわかるけど、架空のキャラクターを模した巨大モニュメントを解体している工事なんて、よくこんな場面設定を思いつくものだ。

・着ぐるみの登場人物を出すことで、舞台上では見せられない、巨大モニュメントの外観も想像できる仕掛け。うまい。

・風や足音のような音響効果や薄暗い照明、足場やパイプの使い方で(たぶん)再現度も高い。臨場感がある。

・各登場人物の作品効果上の関係性がよくわからず、少し混乱してしまう。

・どちらかというと、言葉よりも、演出効果や身体表現の重要度のほうが高そうな作品なので、あんまり理解しようとしなくてもいいのかもしれない。

・物語というより祭りに参加する感じ。音楽もいい。

・他人またはほぼ他人と率直に語らったり、自己開示をしすぎのように思えるけど、もしかしてこの感覚には地域差があるのか。

・自分が警備員だったら、開始10分くらいで会話は無理と判断して警察を呼んでいると思う。手に負えん。

・実在しない存在をよりどころに、自身の存在を確かめようとしている人たちの話という言い方はできるのかもしれない。ドーナツと穴の関係性みたいな感じ。

・多かれ少なかれ、親が子供の実体よりもこう育ってほしいという自身の願望を見てしまうことはありがちだと思う。

・攻撃的なムキミちゃんが激しすぎて、気持ちがザワザワしてしまう。

・自身に足りないものを埋めようとする話だと思うと、もともとドーナツの穴側の存在である扉の人が、実在する人間を取り込んでいくのも、少しだけわかるような気がした。

(有料チケットを購入し仮想劇場ウイングフィールドにて視聴)

>おまけ。施工不良で立て直しになった実在していたビルを気が向いたときに撮影した画像。

これから取り壊すビル(2023/4/7)

まずは覆う(2023/4/24)

どんどん覆う(2023/5/27)

覆った(2023/6/17)

ちょっと期間空いてしまった(2023/8/25)

2023/8/29

ほぼ完了。クレーンむき出し。(2023/12/28)

 

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万博設計『鮟鱇婦人』

2023-12-26 21:20:44 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2023/12/25

病弱な母親を笑顔にするために、落語家になって死神を演じ続ける女の半生を描いた話。

86分の一人芝居。長尺。視聴環境の加減でだいぶん聞き逃し、見落としがある感じになってしまった。

劇中に落語パートあり。

ほぼ一人の登場人物が空気人間と演技する形式だが、後半一人二役以上を演じるパートもある。

母親のためとはいえ、芸事に対してどこまで人生をささげられるかという話でもあって、少し前に見たオパンポン創造社の『幸演会』のテーマと少し重なる。 

作中人物に脚本家や演者を重ねる見方はありきたりだけど、そうとしか言いようのない仕掛け。

表現を続けていると、自分の望まぬ形でも、自身の作品が誰かの生きる指標になることもある。

死後評価される画家も珍しくないくらいだから、作中の彼女はそれでも幸運なほうだったのかもしれない。

もう一回→もういいかい(希望?)→もういいかい(諦め)→まあだだよ…になる流れがとてもきれいだった。

(有料チケットを購入し仮想劇場ウイングフィールドにて視聴)

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宮崎県立宮崎南高等学校『誰かのための、 芋けんぴ』

2023-12-13 22:10:45 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

宮崎県立宮崎南高等学校『誰かのための、 芋けんぴ』(OPENREC)

2023/12/13

学校をサボっている高校生が、偶然出会った仕事ひとやすみ中の父親と、学校の先生と話しているうちに少しだけ前向きな気持ちになる話。

本作もセリフがだいぶん聞き取れないので、聞き取れたところをもとに頭の中で補完しつつ見る。2023年は全部こんな感じなのか。

タイトルが斬新。バックの大空+少しの雲。幕が上がってセリフのない時間がとても長く続く。

とにかく他とは違うことをしてやろうという強い意思を感じる。

ツカミ部分が強い。さんざん溜めて、手堅い。

構成はシンプルで、笑いの構図を意識した組み立て方が手馴れている。

子供に弱音をはく大人の頼りなさが、見ていてつらい。

そんなに弱々しくしないと成立しないような話でもないような気はする。

何きっかけで彼女が前向きになったのかはよくわからなかったけど、たぶん作り手は沈黙の力を信じているんだと思う。

とかく饒舌になりがちな演劇作品に一石を投じる作品だった。

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大阪府立岸和田高等学校『オドリ ・ バリデ ・ ジュー』

2023-12-11 02:23:00 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

大阪府立岸和田高等学校『オドリ ・ バリデ ・ ジュー』(OPENREC)

2023/12/10

演劇部の高校生たちが、オーディションに参加する地下アイドルを題材にした演劇作品を作ろうとするがなかなかできない話。

一割くらい声が聞き取れない。個人差は多少あるものの、ほぼ録音環境の問題と思われる。

オーディション司会者がよりうるさくて聞き取りにくいので、パワハラ感が増している。

聞き取れたところを何となく頭の中でつなげて話を理解しようとする。

脚本ができなくてギスギスしているあたりはこういう話の定番だけど、「手伝えることがあったら~」という言葉の欺瞞性を指摘しているのは少ないような気がする。

とても内省的な話で、どうして演劇部を続けているのか、どうして演劇をやっているのか、巷の多くの演劇部員が悩んでいるようなことを真正面から受け止めている。

決めポーズが四人バラバラなのに、それぞれにこだわりを感じる。みんなアイドル好きなのか。

身体表現が不得意な感じもしなかったし、せっかくだから一曲披露してほしかったかも。

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柿喰う客『八百長デスマッチ』

2023-10-28 21:53:59 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2023/10/27

言動が完全にシンクロしている小学生男子二人が、ケンカに恋に張り合う話。

二人の声が完全に一致して聞こえてくる。

説明するだけなら簡単だが、その完全一致を実行できる演者がすごい。すごすぎて怖い。

信頼関係あってこそとは言え、地獄のようなことを求めてくる脚本だった。

小学生の幼い友情とか、二人で一つになったものの欠落感とか、いろいろポイントになりそうなところはあったけど、なかなか別のことに意識が向かない。

まさかずっとこのまま30分やるのかと心配していると、即興(のように見える)の掛け合いが始まって安心する。

タイトル的に、こういう何が起きるのかわからない即興風のパートがメインになるんだろうけど、それまでのシンクロ部分の緊張感が強すぎて、見ていると逆に息抜き感覚になる不思議な作品だった。

柿喰う客チャンネル

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インプロカンパニーPlatform『いと、といと。〜ことりあやとり〜』

2023-09-29 23:29:27 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2023/9/29

久々にインプロ見たくなって、プラットフォームにアクセスする。

観たいときにすぐに観ることができるのはほんとにありがたい。

男が30歳までに恋人を見つけないと一生ひとりぼっちというお告げを聞いて、残されたわずかな時間で奔走する話。

彼の前には三人の女性が現れるが、運命の女性は一人だけ。

それぞれと積み重ねられるエピソードを経て、彼は真の恋人と結ばれることができるのか。

インプロスキルが高すぎて、決まっているところと決まっていないところの境目がわかりにくく、つなぎ方もきれい。さすが。

運命の人と言われているのに、「高校時代にフラれた女子」「親友のバンド仲間」と並んで「姉」がいつのがおかしい。

そして、その姉が思わぬ大活躍をしている。ランダムに出されたキーワード「田中」「モケケピロピロ」が絶妙。

無理やりつないでいくうちに大きな流れになっていくインプロの面白さが堪能できた。

 

即興ラブストーリー】いと、といと。〜ことりあやとり〜福岡公演【全編公開】

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NTL『フリーバッグ』

2023-08-31 04:24:06 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2023/8/30

・仕事の面接に来た女性フリーバッグが、赤裸々な身の上話をする一人芝居。

・ごく小さな演技スペースに椅子が一つだけ。

・あわてた様子で女性が現れて、落ち着かない様子でしゃべり始める。その語り口が自然で、ほんとにしゃべるのが下手な人に見える。当たり前だけど演技うまい。

・うっかり下品なことを言って素に戻った表情で笑う。

・だんだん落ち着いてきたのか、回想シーンに切り替わったという解釈なのか、面接に失敗した彼女は、友人が死んだ出来事をリズムよく語り出す。

・体感で2~3分に1回はお客さんが笑っているし、自分も笑うんだけど、話のキーワードになるような部分を結構取りこぼしているようで、全体で何の話をしているのかわかりにくく、付いて行くのに苦労する。

・ドラマ版もあるので、そちらのほうを先に見たほうが楽しめたかもしれない。

・笑い部分も、非母国語、字幕の限界はあるので、どうしても映像内の観客と笑うタイミングがズレてしまう。

・つられ笑いも結構あるので、ホントに面白いと思って笑っているのか自分でもよくわからず、ちょっとだけ居心地が悪い。

・トイレで下品な写真を撮るところ、撮った後に真顔でスマホをスワイプするところ、一瞬何をやってるのかわからないんだけど、二回目で理解してじわじわ笑う。

・スワイプスワイプした後にピンチアウトする仕草も、心底しょうもなくてしばらく思い出し笑いができそう。

・言葉がわからず、字幕の読み取りにストレスを感じていたので、かえって彼女の表情の豊かさや、間の取り方のうまさを強調して見ることができた。

・とても上手なジブリッシュのインプロ演技を見ているような気持ちにもなってくる。

・英語はわからないけど、語り口は聞き心地が良く、リズムよく聞かせられるようにいろいろな工夫をしているんだと思う。自分の創作にも活かしたい。

・あんなに下品なのに不快感がないのは不思議。演者(作者でもある)のフィービー・ウォーラー=ブリッジさんの人柄もあるのかな。

・下品でコーティングされた中に一抹の苦みを感じさせる。そんな演劇作品としての見せ方と、彼女の生き様がきれいに重なっている作品だった。

・ドラマで本作の内容を補完したい。

(札幌シネマフロンティア)

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