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遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

クレイグ・ジスク監督『45歳からの恋の幕アケ!!』(2013年)

2018-06-14 00:56:55 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

45歳からの恋の幕アケ!!(プレビュー)

2018/6/8

・高校で英文学を教えている女性教師リンダがかつての教え子ジェイソンの書いた脚本に惚れこみ、プロデューサー役になって彼女の高校で上演しようとする話。

・現実にありうる八方ふさがり事案を扱った演劇映画。

・見ていて自分も胃がキリキリしてしまう。

・それぞれが善人でそれぞれに少しずつ欠点がある。特定の誰かを悪人にしないようにとても注意深く作られている。

・リンダは真面目で教師として一本筋の通ったいい先生なのに、たった一回のミスで周囲から尻軽女扱いされてしまう。

・かわいそうだけど、そういえば序盤で彼女は出会う男を心の中でこっそり採点していたし、今までやっていたレッテル貼りをやられただけという見方もできる。

・ジェイソンがやったこともどうかと思うけど、元々彼は乗り気ではなかったし、メンタルもやられてたっぽいし、脚本の改変に怒るのは当然だし、「品行方正でいろ」というのは無理な話。

・セックスが唐突。

・リンダ自身が作劇に詳しいからこそ、現実世界では伏線も構成もない唐突な見せ方をしているんだと思う。

・最後のシーンの脚本家の心変わりも、経緯をちゃんと描いていない。

・このあたりも、別に彼は納得したわけじゃなく、葛藤を抱えたまま、それでもなんらかの選択をしなければいけないという、どこにでもある人生の一場面として描いている。

・おそらく、なんだかんだで役をおりなかった主演の子も同じ。

・アメリカの演劇部でも、本番直前に円陣組んでいた。

・ナレーションはどの立場から話をしていたんだろう。

・『わが町』を強烈に勧めてくる副校長がかわいい。

・ひとつの作品が色んな人を巻き込んでゼロから立ち上がっていく迫力にわくわくする。

・演劇は、プロデューサーも脚本家も演出家も役者も一人では何も出来ないので、無理やりでも協力しながらやるしかない。

・演劇が社会的な芸術だということを再認識した。

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エイミー・S・ウェバー監督『ガール・ライク・ハー』(2015年)

2018-05-18 01:09:36 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

A Girl Like Her Official Trailer 1 (2015) - Lexi Ainsworth Movie HD

2018/5/17

・女子高生のイジメ起因の自殺未遂を、彼女自身、加害者、ドキュメンタリー(たぶん)の製作者、それぞれが撮った映像を構成しなおした話。

・被害者が恋人の勧めで、小さなアクセサリーにカメラを仕込み、ほとんど彼女の目線で彼女の身に起こったことを記録している。

・なので、いじめのシーンは、客観的に見るには難しい距離感で映っている。

・ほとんど視界の外から攻撃されているので、何がなんだかわかんないうちにひどいダメージを受ける。

・被害者の怒りではなく混乱ぶりが伝わってくる。

・客観的に観れば、もっと戦うべきだし、人に相談するべきだし、逃げるべきなんだけど、なんだかわかんないうちに被害を受けているので、適切な行動が取れない。

・フィクションなのに、それぞれの映像が残っている理由がしっかりしているので、いつのまにかドキュメンタリーを観ているような感覚になってしまう。

・題材と撮り方が完全に一致している。

・ドキュメンタリーの製作者は関係者に次々とインタビューをしていく。

・その中には当然加害者側の女子もいる。

・直接彼女を責めるようなことをせずに、カメラを持たせて、自分語りをさせるように仕向ける。

・この製作者の語り口が、相手を否定せず、淡々と相槌を打ち、新しいことを提案する。知性があふれている。心療科のカウンセラーみたい。

・ボロボロの状態で励まされていた人が、時間を置いて励ます側にまわる重ね方がうまい。

・クライマックスに幸せな時の映像挟むのずるい。

・「約束したから見せない」という誠実な人間がどんどん損をする構造。

・加害者にどうやって反省させるのか。

・結局、被害者側が反撃に転じることができたのは映像が残っているからだと思うと救いがない。世の中のだいたいのイジメはスルーされてしまう。

・一方で今の技術ならいくらでも隠し撮りできるという事実をもっと世の中に広めて、加害者側にプレッシャーをかけたほうがいい。

・「続きはWEBで」というエンディングは斬新すぎる。とりあえず日本語版を探したい。

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ショーン・ベイカー監督『タンジェリン』(2015年)

2018-05-16 02:33:45 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

全編iPhone撮影の長編映画!『タンジェリン』予告編

2018/5/15

出所したてのトランスジェンダーの娼婦が、彼氏の浮気相手を探して街をさまよう話。

iPhoneに特殊なレンズをつけて撮影している。

結果、ドキュメンタリーっぽい生々しい映像。

絵としての美しさを保ちつつ88分の作品を撮りきるのは、よっぽど監督の腕に自信がないと無理だと思う。

同じくトランスジェンダーの娼婦の友達と、ゲイのタクシードライバー。あと、問題の浮気相手の娼婦が主な登場人物。

ラストシーンがすごくいいんだけど、反面、すごく気の毒な人もいて、善悪を気にして話を作っている感じではない。

ママサンにもうっかり感情移入してしまう。

相手のおちんちんがついていなくてキレるタクシーの運転手のおじさん。

町山智宏さんが紹介していたショーン・ベイカー監督の言葉「自分にとって全く知らない人たちだったから撮った」は、平凡で特徴のない自分のような人間には結構勇気がもらえる言葉だった。

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ダグラス・アーニオコスキー監督『マッド・ナース』(2013年)

2018-04-25 03:27:37 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

映画『マッド・ナース』予告編

マッド・ナース [無修正版] [DVD]
クリエーター情報なし
ポニーキャニオン

2018/4/24

人並み以上の知恵と身体能力、行動力を持った女看護師が、医療知識を活かして不貞を働く男どもに天誅を下す話…だと思ったらわりと違った。

最初は確かにそういう始まり方だったんだけど、見ていくうちにだんだんジャンルが変わっていく感じ。

最後は、マッドナースが全身機械化したクレイジードクターと戦うようなバカ展開を期待していたのに。

古い映画なのかと思ったら、2013年。わりと最近。

思ったより刺激が強い。直接的なグロ描写もそうなんだけど、ヒロイン自体が怖い。

目つきが怖い、肌つやが怖い、存在が怖い。

エロ要素もそれなりにあるけど、砂漠に水をまくようなもの。

そのヒロインを演じたのはパス・デ・ラ・ウエルタ。このとき、まだ20代だったのか。

マッドな女が手術室で大暴れするシーンが強烈。刺さるものがいっぱいある。

うっかり患者に感情移入してしまい、とてもおののいた。

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『パーフェクト・スイーツ』

2018-04-09 22:39:34 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

『パーフェクト・スイーツ』公式サイト

2018/4/7

ド素人にレシピと材料と調理器具だけ渡して課題のデザートを作らせる企画。全6回。

毎回三人の素人が登場。その出来をプロが採点して、その回の勝者は一万ドルを手に入れる。

散々な見た目の完成品を、プロのお手本と比較して楽しむ。

素人にウェディングケーキなんか作れるわけないだろと思うけど、やらせる。

悪趣味と言えば悪趣味だし、おそらくものすごい量の食材が無駄になっているので、日本じゃ無理だと思う。

ただ、スイーツの場合は、野菜や魚みたいに、はっきり元の形状がわかる食材が少ないので、他の料理ジャンルに比べて罪悪感が小さいような気がしないでもない。

頻繁に使われる「フォンダン」という食材を覚えた。

司会の巨大なおばさん、コメディアンの二コール・バイヤーの圧がすごい。

最後のお題はドナルド・トランプの見た目のケーキを作ること。

当然、ものすごい見た目のトランプができる。トランプ支持者なのに。

企画者はわざとやっていると思う。

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長石多可男監督『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』(2007年)

2018-02-15 00:43:52 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!
クリエーター情報なし
メーカー情報なし

2018/2/14

同名の演劇に関わっていたので、気になって見てみる。

プリキュアですら予備知識なしでも問題なかったので、仮面ライダーでも大丈夫だろうと完全に丸腰で臨んだのが致命傷。

変身のシステムがまるでわからないし、似たような味方キャラが次から次へと出てくるし、主人公の男の子のアフレコが全然あってないうえに(設定上の理由はある)、気がついたら記憶喪失になっていたりする。

ジェットコースターにしがみつくようにして最後まで見たけど、すがすがしいくらい何も感想が浮かばない。

電王のネーミングが「電車」由来だという発見、モモタロスのかわいらしさ、味方(たぶん)の白い人の殺陣がおもしろかったくらい。

あと、いきなり登場する電車の様が、ちょうどいま見ている『少女革命ウテナ』のオープンカーの唐突さと少し重なる。

シリーズ自体の評判はいいようなので、たぶん最初に見る作品を間違えたんだと思う。

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山田洋次監督『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』(1997年)

2018-01-03 02:10:00 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇 HDリマスター版(第49作)
クリエーター情報なし
メーカー情報なし

2018/1/2

・行商人の寅次郎が、巡業先で倒れた歌手のリリーさんを看病するため、沖縄へ行く話。

・一作目と二作目がピンとこなくてしばらくシリーズを放置していたけど、もしかしたら逆から見たほうが楽しめるんじゃないかと思って一番最近の話を見てみる。

・ただ、あとでwikiを見てみたら、全48作中あるうちの第25作のリメイク版だった。

・語り部風に登場した営業の人の意味もwikiで知る。

・狙いは外してしまったものの、ゲラゲラ笑ってみることが出来たので結果的にはよかった。

・冒頭、寅さんによる舞台実況風の長台詞がかっこいい。

・アヤメを見に家族でお弁当用意して出かけるというところ、風情があっていい。

・断られるにしろ、普通に寅次郎を誘ったらダメだったんだろうかと思っちゃうけど、関係性をこじらせているのはお互い様っぽいのでいいのかもしれない。

・寅さんが飛行機で沖縄に行って、リリーさんの看病をしながら仲良くなっていくところ、特に変わったことは何もしていないのに不思議と面白い。

・シリーズの知識がほとんどない自分ですら、寅さんがここまでマドンナと接近していいのかとハラハラする。

・順調に仲良くなればなるほど緊張感が増すチキンレースのような仕掛け。

・くっつかない理屈付けも綺麗に決まっている。

・思えば、寅さんがリリーさんって言われてもすぐに思い出せないところや、美人のスチュワーデスにあっさりなびいているところで、行く末を暗示していたのかも。

・それにしても、見た人誰もが「もういいからくっつけよ!」と思ったんじゃないだろうか。

・それとは別に寅さんが気のきいたことを言って周りを笑わせてるところを見ているだけでなごむ。

・「あの人」呼ばわりは何か意図があったのかな。

・寅次郎が野暮天ぶりを晒しているときの家族の顔。目線だけで笑える。

・さくらが無言で寅次郎の荷物を二階に運んでいるところとあわせて味わい深い。

・さんざん見ている人に「くっつけ!」と思わせておいて、「所帯持つことが幸せとも限らないよ」というところに着地していた。そりゃそうだけどさ。

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池田洋子監督『映画スイートプリキュア♪とりもどせ! 心がつなぐ奇跡のメロディ♪』(2011年)

2018-01-01 00:08:54 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

映画スイートプリキュア♪とりもどせ! 心がつなぐ奇跡のメロディ♪ 通常版 【DVD】
クリエーター情報なし
TCエンタテインメント

2017/12/31

魔法少女は「まどマギ」くらいだし、特撮物の素養もほとんどないので、付いて行けるのかハラハラしながら見る。

プリキュアたちが、音楽の国「メイジャーランド」から音楽を奪った女王の真意を探る話。

始まって早々、謎のクリーチャーに鑑賞の際の注意点とお願いをレクチャーされる。

ここぞと言うときに、観客のお子さんに魔法のペンライト的なものを振ってほしいらしい。

エピローグのみんなで踊ろうコーナーと言い、映画館で見たら混沌ぶりがとても楽しそう。

人間味を取り戻した元ラスボスは、前作を見てなくてもなんとなく立ち位置がわかって面白い。

プリキュアたちの変身シーンがカッコよすぎる。ポージングもいちいち華がある。

事前に人から聞いていた「見るドラッグ」の片鱗も感じる。

終盤は力技と言うか時間の都合と言うか、お約束的な空気が強かったけど、見た目のかっこよさにごまかされつつ、楽しむことができた。

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ヘンリー・セリック監督『コララインとボタンの魔女』(2009年)

2017-12-22 14:25:30 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

コララインとボタンの魔女 スタンダード・エディション [Blu-ray]
クリエーター情報なし
Happinet(SB)(D)

2017/12/22

・11歳の少女コララインが、引越し先の古い家屋にある謎のドアから、パラレルワールドに紛れ込む話。

・前に見た『KUBO 二本の弦の秘密』と同じライカ製作のストップモーションアニメ。

・ほとんどCGと見分けのつかないKUBOと違って、まだ人形のアナログ感が残っている。

・造形のよさもあるけど、コラライン自身のキャラクターも活発で愛らしい。

・何かを発見すると親に報告したくなっちゃうところとか、手持ち無沙汰でドアと戯れているところとか、一生のお願い(ただし一度とは限らない)の時の表情とか。

・夢見がちなお年頃の行動が網羅されている。どうやってここまで揃えたんだろう。

・子供の親離れの話にも見える。

・コラライン自身も、最初はただの小生意気な可愛らしい娘だったけど、きちんと主人公らしく成長する。

・オートミールが心底不味そう。

・全体的に食べ物の扱いが雑すぎやしないか。

・パラレルワールドでは登場人物の両目がボタン。違和感がしっかり出ていて、すごくわかりやすい。

・パラレルワールドのワイビーがさびしすぎるし、男前すぎる。これも理想のボーイフレンドだったのかも。

・中年独特の極端な体つき。

・特に人魚とビーナスの肌つやの生々しさ。

・魔女とのゲームが割とイージーモードだった。

・子供と大人が戦うんだから、魔女の強い力の反動で自滅するのが基本だと思うんだけど、都合いい感じでまとまっていた。

・ほんとは、コラライン自身、リアルとフェイクのどちらの世界を選ぶかの葛藤が描かれて然るべきだと思うけど、そういうシビアな選択をする必要がないくらい、見た目でわかりやすくなっている。

・親の立場で見ると、別の見え方になりそう。

・はっきりとは語られていないけど、子供のことを思いながらも、必死で現実との折り合いをつけている感じがにじみ出ている。

・母親の目の下の隈もちょっと気になる。

・この物語自体は幸せに完結しているけど、完結せずに頑張っている親も現実にはたくさんいるんだと思う。

【再生産】コララインとボタンの魔女/ コラライン 10インチドール レプリカ
クリエーター情報なし

ネカ

怖い…。

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アダム・レオン監督『浮き草たち』(2017年)

2017-12-20 18:51:12 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

2017/12/20

兄の代理で運び屋を引き受けたダニーが、運転手役の女の子エリーと仲良くなっていく話。

エリーがとてもかわいいので、いかにも気の弱そうな彼でも一歩踏み出せる。

ダニーの母親は、真面目に働いている弟より、犯罪臭しかしない兄のほうが可愛がっている。

不合理だけど、ありがちな話。

女の子のほうもそこまで具体的には語られないけど、普段ひどい生活をしていることが匂わされている。

「SUVに乗っている=クソ野郎」という価値観と、「悲しみに慣れる訓練」という印象的なフレーズ。

2人は、クソみたいな現状にケリをつけたいという目的で意気投合する。

その過程の描き方が丁寧。

その丁寧さが原因なのか、結構悪いことしてるんだけど、きちんと二人に感情移入できるようになっている。

底辺の二人が、新しいスタートラインに立つ話で、『キッズリターン』を思い出した。

※そのかわいい女の子を演じたのは、グレイス・ヴァン・パタン。

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