Elevenses Laboratory

爬虫類・蟲系ぺっとぶろぐ

『抜け殻』  第一夜

2007-02-20 | ペット徒然
 昨日、レガリスの抜け殻を掲載した時に思いついた企画。
題して、シリーズ『抜け殻』。


 我が国で蛇の抜け殻というと、古くから財布の中に入れて持ち歩く習慣があったりと、ありがたいお守りのようなイメージがある。
しかし、我々爬虫類飼育者からしてみれば、蛇の抜け殻などは日常的に見慣れてしまっている物だ。その為、飼育者の視点から見ると、抜け殻は糞尿と同じく飼育過程で発生するゴミの一つに過ぎなかったりするのである。
つまり、飼育シーンにおいて、我々は抜け殻など気にも留めないのだ。(勿論、抜け殻を大切に保管する飼育者の方もいらっしゃるだろうが…)

 この企画では、軽視されがちな『抜け殻』にあえてスポットを当てることで、見過ごされがちな飼育生物の一面を発見していこうと思う。






 まずはプエブランミルクスネーク。
見て頂ければお解かりになるかと思うが、体色同様、抜け殻にも黒いバンドが入る。ここまでハッキリと抜け殻に模様が浮かぶ種は、ヘビ全体を見回しても非常に珍しいのではないだろうか。

抜け殻の質感はそれほどパリパリとしておらず、しなやかで柔らかい。やはり子供の肌は、どんな生き物でも瑞々しく出来ているようである。
ツルッと綺麗に一本剥けしているので、この脱皮は大成功だったようだ。







 お次はクロスジソウカダ。
こちらはミルクスネークと一転して、何の変哲も無いフツーの抜け殻である。
しいて特徴を挙げるとすれば、殻の背中側が若干黒ずんでいる事くらいだろうか。


 このヘビは脱皮の頻度が高い種なのだが、湿度が十分でないと脱皮不全を起こす傾向にある。
この画像は脱皮直後の状態を撮影したものだが、水入れからシェルターを伝って抜け殻がアーチ状に脱ぎ捨てられているのがお解かり頂けるだろうか。恐らく、脱皮前に水入れの中で皮をふやかし、そのままシェルターの方までスルスルと脱皮しながら移動したのだろう。

抜け殻の質感はパリッとしていた。このヘビの抜け殻は乾くのが早いようだ。







 これはヒロクチミズヘビの抜け殻。
このヘビは見かけによらず器用なようで、案外すんなり脱皮を済ませる。水の中にいると脱皮も簡単に行えるという事なのだろうか。


 ご覧の通り、顔周辺の形も綺麗に残っていた。このように、抜け殻を見れば、普段は模様で隠されてしまっているへビの素顔を見ることが出来る。どうやらこのヘビの素顔は、普段に輪をかけて間抜け面であるようだ。

このヘビは水棲ヘビなので、当然脱皮も水中で行う。よって、地上で乾燥している状態の抜け殻は触った事が無い。
水に濡れた状態の抜け殻の感触を参考までに書くと、他の同サイズのヘビ(特にボアやパイソン)よりも若干破れやすいような気がする。







 最後はカリナータパシフィックボア。
この抜け殻は、水入れの縁の裏にいつのまにか貼り付いていたものだ。
頭側がクシャクシャに丸まっており、まるでヤママユガの繭のような形になっている。金色掛かって見えるのは、恐らく床材のバーミキュライトが混ざったのだろう。

質感は軽く、硬かった。脱ぎ捨てられてから結構な時間が経過していたようである。




 とりあえず、こんな感じで書き進めていくつもりだ。
因みに、抜け殻の質感は環境や時間の経過と共に変化していくものである。私がここで書く質感の感想は、あくまで私が触った時の感触について言及しているものである事を明言しておく。




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