Elevenses Laboratory

爬虫類・蟲系ぺっとぶろぐ

『抜け殻』  第三夜

2007-02-27 | ペット徒然
 今回は再びヘビの抜け殻をピックアップしてゆく。





 まずはボルネオブラッド。
 ブラッドパイソンは大体水入れの中で脱皮を済ますので、採取できる抜け殻も当然水に濡れている状態となる。このヘビの場合、本体の特徴的な模様とは裏腹に、抜け殻の方にはあまり模様が残らないようだ。

 頭部の抜け殻。
びしょ濡れでデローンとした状態でも、注意深く探る事で部位の見当も付いてくる。

 抜け殻を持ち上げた状態でのアップ。
こうして背景色が暗い場所で見てみると、上唇板の形や目の位置などがしっかりと見て取れる。このように、抜け殻は個体の模様や色に惑わされる事無くウロコの入り方を確認できるので、亜種を同定する際などで非常に重宝する。






 次はロイヤルディアデムスネーク。
 ヘビ本体も頭部付近に鮮やかな虹彩を放つが、抜け殻はまた一味違った光を放っている。全体的に白濁しており、まるで真珠のような輝きだ。なかなか美しい。
更によく見ると、ウロコや腹板の一枚一枚が大きいヘビである事が分かる。

 コイツは乾燥系のヘビなので、さして湿度に気を遣うことも無く脱皮を済ませてくれた。そういえば私は、脱ぎ残しがこのヘビの体に貼り付いている所を一度も見たことが無い。

 抜け殻は軽量で乾いており、クシャッと丸めた油取り紙のような感触だった。






 最後にグロッシースネーク。
 どうやら床材のパインチップに潜りながら脱皮をしたようなので、抜け殻がバラバラになって床材に紛れてしまっていた。普段ならこのまま床材を交換してしまうところなのだが、今回は撮影の為に出来る限りサルベージした。

 このヘビの抜け殻は、ロイヤルディアデムとは一転して非常に透明度が高い。このように千切れた状態だと、まるでビニールの切れ端のようにも見える。

 頭部周辺の抜け殻を発見。
頭部のウロコは大きく、首筋から急にウロコが細かくなっていく様がよく分かる。

 抜け殻は薄く、見た目よりも柔らかい感触だった。薄手のビニール袋を更に手で伸ばし、それを細切れにしたような感じに近いだろうか。




『抜け殻』  第二夜

2007-02-24 | ペット徒然
 前回はヘビの抜け殻を紹介したが、今回は虫の抜け殻にスポットを当ててみる。






 まずはデュビア。
 不思議な事に、デュビアは脱ぎ捨てた殻を食べない。なので、この虫の抜け殻はストック用のチェストを開ければいつでも入手可能である。
背胸部からパックリ割れている事からも察せられるように、デュビアを含め大抵の昆虫は背中から殻を脱ぎ始め、身を前へ押し出すように脱皮する。セミの脱皮シーンなどを想像してもらえれば解り易いだろう。

 この抜け殻を注意深く観察すると、殻の割れ目から白い糸のような物が出ているのが判る。これはセミの抜け殻などでも観られるもので、私は幼い頃からこの糸が一体何なのか疑問に思っている。どなたかこの糸の正体をご存知でしたら教えてくだされ。


 脱皮直後のデュビア幼虫。白く透き通ったその姿は「キモ美しい」といった所だろうか。







 お次はフスカ。この虫もデュビアと同様に、背中から前へ移行する事で脱皮する。こうして見てみると、抜け殻の亀裂の範囲もデュビアと全く同じだ。

 余談だが、ブラベルス属のローチは成虫のかっこよさもさる事ながら、幼虫も実にカッコイイ。こげ茶の甲冑を身に纏った姿は重厚感があり、横幅の広い体型が更にこの幼虫の迫力を増している。終齢幼虫などは、成虫と比較しても引けをとらない存在感を誇ると思う。


フスカとデュビアの終齢幼虫。二つ並べると、まるでポケモンの進化のようだ。








 続きまして、ピンクゼブラビューティー。
この写真は半年ほど前に携帯のカメラで撮ったものだ。

 私はバードイーターの類は基本的に「可愛い」と思って飼育しているのだが、流石にこの抜け殻だけはキモイと思うw
何と言うか…脚とか牙が納まっていた穴の部分が蓮コラを連想させるんだよな…(;´д`)

 こちらは正面から撮った写真。
牙すげぇやる気。

 これは裏面。
抜け殻が脚部・顎部――腹部・内臓――背甲と繋がっているのがよく判る。







 最後にスリランカオーナメンタル。
 なぜ今回の記事を前回から日を開けて投稿したのかというと、実は丁度コイツに脱皮の気配があったからだった。我が家では初めての脱皮なので少々心配したが、プラスチックカップの上部に立派なハンモックを作り、それから三日後、無事に脱皮を済ませたようだ。


 まぁ…大きさといい模様といい、抜け殻自体は先日アップしたレガリスのものと大差無かったけど…。


 脱皮直後の姿。聞き及んでいた通り、このクモは一度の脱皮でかなり大きくなるようだ。




『抜け殻』  第一夜

2007-02-20 | ペット徒然
 昨日、レガリスの抜け殻を掲載した時に思いついた企画。
題して、シリーズ『抜け殻』。


 我が国で蛇の抜け殻というと、古くから財布の中に入れて持ち歩く習慣があったりと、ありがたいお守りのようなイメージがある。
しかし、我々爬虫類飼育者からしてみれば、蛇の抜け殻などは日常的に見慣れてしまっている物だ。その為、飼育者の視点から見ると、抜け殻は糞尿と同じく飼育過程で発生するゴミの一つに過ぎなかったりするのである。
つまり、飼育シーンにおいて、我々は抜け殻など気にも留めないのだ。(勿論、抜け殻を大切に保管する飼育者の方もいらっしゃるだろうが…)

 この企画では、軽視されがちな『抜け殻』にあえてスポットを当てることで、見過ごされがちな飼育生物の一面を発見していこうと思う。






 まずはプエブランミルクスネーク。
見て頂ければお解かりになるかと思うが、体色同様、抜け殻にも黒いバンドが入る。ここまでハッキリと抜け殻に模様が浮かぶ種は、ヘビ全体を見回しても非常に珍しいのではないだろうか。

抜け殻の質感はそれほどパリパリとしておらず、しなやかで柔らかい。やはり子供の肌は、どんな生き物でも瑞々しく出来ているようである。
ツルッと綺麗に一本剥けしているので、この脱皮は大成功だったようだ。







 お次はクロスジソウカダ。
こちらはミルクスネークと一転して、何の変哲も無いフツーの抜け殻である。
しいて特徴を挙げるとすれば、殻の背中側が若干黒ずんでいる事くらいだろうか。


 このヘビは脱皮の頻度が高い種なのだが、湿度が十分でないと脱皮不全を起こす傾向にある。
この画像は脱皮直後の状態を撮影したものだが、水入れからシェルターを伝って抜け殻がアーチ状に脱ぎ捨てられているのがお解かり頂けるだろうか。恐らく、脱皮前に水入れの中で皮をふやかし、そのままシェルターの方までスルスルと脱皮しながら移動したのだろう。

抜け殻の質感はパリッとしていた。このヘビの抜け殻は乾くのが早いようだ。







 これはヒロクチミズヘビの抜け殻。
このヘビは見かけによらず器用なようで、案外すんなり脱皮を済ませる。水の中にいると脱皮も簡単に行えるという事なのだろうか。


 ご覧の通り、顔周辺の形も綺麗に残っていた。このように、抜け殻を見れば、普段は模様で隠されてしまっているへビの素顔を見ることが出来る。どうやらこのヘビの素顔は、普段に輪をかけて間抜け面であるようだ。

このヘビは水棲ヘビなので、当然脱皮も水中で行う。よって、地上で乾燥している状態の抜け殻は触った事が無い。
水に濡れた状態の抜け殻の感触を参考までに書くと、他の同サイズのヘビ(特にボアやパイソン)よりも若干破れやすいような気がする。







 最後はカリナータパシフィックボア。
この抜け殻は、水入れの縁の裏にいつのまにか貼り付いていたものだ。
頭側がクシャクシャに丸まっており、まるでヤママユガの繭のような形になっている。金色掛かって見えるのは、恐らく床材のバーミキュライトが混ざったのだろう。

質感は軽く、硬かった。脱ぎ捨てられてから結構な時間が経過していたようである。




 とりあえず、こんな感じで書き進めていくつもりだ。
因みに、抜け殻の質感は環境や時間の経過と共に変化していくものである。私がここで書く質感の感想は、あくまで私が触った時の感触について言及しているものである事を明言しておく。



2ndポーキー

2007-02-19 | クモガタ類
やっぱり買っちゃいましたw
インディアンオーナメンタル導入です。






 結構安かったので、今しかないと思い立ち購入。
現在の体長は3cmちょっとだから、小さめのイエコを選んで与えるのが無難だろうか。


 なんとコイツは、ウチに来た次の日に脱皮をした。



脱皮前



脱皮後



おまけ 抜け殻



 まだ若いためか、ウチのファッシアータと比べると体色が全体的に黒ずんでいる。警戒色も現れてはいるが、それ程ハッキリとは色が出ていないようだ。



 それにしても、やっぱり脚の長いクモはカッコイイ。
さらに本属は模様が派手で、気が荒く、毒も強いとくるから、私としてはいいトコ取りである。「上級者向き」という言葉にビビらずに、もっと早く踏み出していればよかったなぁ。”タランチュラ上級者”の基準みたいなものがあれば分かりやすいのだけれど。

 ファッシアータ、レガリスと来たら、お次は何がいいだろうか。金銭的に2万円を超えるような種はキツいんで、安さからいってオルナータあたりを買いそうな予感がする。
とは言っても、そんなにポンポン買って消費的に飼育するような事態は避けたいので、暫くは自制しておくつもりだがw




 しかし、こうして脱皮直後のナヨナヨした個体を見ていると、「もしかしてコイツ、この調子でオスになったりしないかな…」などと妙な心配をしてしまう。まぁ、こういうものはあまり期待しすぎても疲れるだけなので、オスでもメスでも無事成長してくれればいいやという気構えで、じっくりと育てていこうと思う。




Eupalaestrus属って日本人ウケしないよな…

2007-02-17 | クモガタ類


 ピンクゼブラビューティー。

 コイツってよく見ると、体中に生える繊毛が薄桃色に見えなくもないんだよね…。
ちゃんとピンクゼブラしてるしてるのにビューティーじゃないのは、やはり地色が茶色だからだろうか。


 思うに、同じようにピンクの繊毛を持つブラジリアンサーモンピンクなんかが割とカッコ良く見えるのは、地色が黒いからなのだろう。ピンクはブラックに映えるので、繊毛が外見の魅力を引き上げるアクセントとなっているのだ。

 一方、本種の地色は見事なまでに茶色。やはりベースカラーの選択は全体的な印象に大きく影響するようで、脚にストライプが入ったくらいでは挽回出来ないようである。





 まぁ、そんな見た目の地味さを補うように、本種は性格も温厚で、気温の変動や水切れにも強く大変飼い易い。
飼育して初めて魅力がわかるタイプのタランチュラと言えよう。







 そうそう、最近出版された某ガイドブックには本種の体長が5cmとなっていますが、ウチのはもうちょっと大きいですよ。


 現在6cm↑
このまま7cmに到達するくらいデカくなって欲しいものだ。





 百円玉と比較するとこんな感じ。
背甲が百円玉よりも若干大きいくらいのサイズだ。





 ついでに裏も見せちゃう。
体長の割に腹部の膨らみに高さがあるので、持ってみると結構重い。
ちょうどアダルトマウスを持つ感覚に似ているかな…。

 ウチには”量り”が無いので、次に実家に帰った時にはタランチュラ達の体重を計測してみるのもいいかもしれない。