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例の騒動についてちょっとだけ

2014-03-17 17:16:18 | Weblog
以前いたアメリカのとある研究所では、NIHから予算が出ていたので、研究倫理について数ヶ月ごとに研修会参加が必須だった。毎回全員が参加できる訳でないから、ペナルティこそなさそうだったけど、ちゃんと出欠の記録は取られていた。そこでは当然、剽窃・盗用・捏造についても取り上げられて、過去の具体的な事例を挙げながら、どこまでが許容範囲か、どこまでを引用と見なすかについて、学歴や肩書きに関わらず、研究スタッフ全員で問題意識を共有していた。見解が必ずしも一致するわけではなく、最終的には各個人の倫理観に委ねられるものとはいえ、この研修会によって少なくとも組織として倫理面で論文の質を担保するものがあった。これがあるから博士であろうがなかろうがやってはいけないことを「知らなかった」とは言えなくなる。言えば研修を理解していなかったということになり、そこで能力不足が問われることになる。

「知らなかった」というコメントが組織を通して出されたので、組織の権威に対するリスクマネジメントのずさんさに驚いた。実態はよく知らないけれど、少なくとも法制的・行政的にみれば、日本はアメリカよりもっと厳しく研究室での安全管理や品質管理がなされているとことあるごとに聞かされていたので、ひどく妙な気持ちだ。

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