イリアーデの言霊

  ★心に浮かぶ想いのピースのひとかけら★

千引きの磐 地反大神

2012年10月08日 01時07分54秒 | Weblog

イザナミに会いたくて黄泉の国まで追って行ったイザナギが見たのは蛆(うじ)がわいたイザナミの体。驚き逃げ帰るイザナギを黄泉国の醜女、軍勢が追い、現世と黄泉国との境の黄泉比良坂のふもとまで来た時、イザナギがそこに生っていた桃の実を投げつけると黄泉の軍勢は退散した。最後にイザナミ自身が追いかけて来た。そこでイザナギは大きな千引きの岩をその黄泉比良坂に引き据えた。その岩を挟んで夫婦離別のことばを交わした。イザナミは、「私はあなたの国の人々を一日千人絞め殺しましょう」するとイザナギは「私は一日に千五百の産屋を建てるだろう」と答えた。それでイザナミ命を名づけて黄泉津大神といい、男神(イザナギ)に追いついたので、道敷大神(ちしきのおおがみ)と呼ぶともいう。また黄泉の坂を塞いだ岩は、道反之大神(ちがえしのおおかみ)と名づけ、また黄泉国の入口を塞いでおられる黄泉戸大神(よみどのおおかみ)ともいう。かのいわゆる黄泉比良坂は、今の出雲国の伊賦夜(いふや)坂という坂である。

『古事記』の「黄泉国」より(講談社学術文庫の次田真幸の訳を参考)


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