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ドクトルアウンの気になる健康情報
「もうすぐ16歳になる高1の娘は、まだ生理がありません。身長は170cm、体重52kgです。胸は小4ぐらいから膨らんでいます。本人も初経がないのを気にしていますが、病院に行くのは、親子共抵抗があり、まだ行っていません。診察を受けるべきでしょうか?」
初経は、いつ訪れるものですか?
平均初経年齢は、12歳です。10~16歳の間に月経が始まるのが普通とされており、それより早いと『早発初経』、遅いと『遅発初経』といいます。18歳になっても初経を見ないものを、『原発性無月経』といいます。
年齢の区切りに、意味はあるのでしょうか?
正常な出産をした経産婦の初経年齢を調べると、16歳で95%、18歳で99.9%が初経を迎えています。18歳以降に初経を迎えた人は、妊娠しにくいというデータもあります。
原因は?
1.卵巣の発育不全
2.子宮・膣の先天異常
3.脳下垂体・視床下部などの女性ホルモンに関わる脳中枢の発育の遅れ。
4.性染色体の異常
5.糖尿病
6.甲状腺の異常
体に異常がなくても、初経が来ないことがあるのでしょうか?
バレエをやっている人は、平均初経年齢が2、3年遅い、というデータがあります。バレエ以外にも、マラソンや水泳など激しい運動をしている人は、遅くなりがちです。これは、スリムな体形が要求されるため、女性ホルモンのもとになる体脂肪が少ないことと、運動によるストレスが脳に影響を与えているのです。入試や家庭内のもめごと、誤ったダイエットによる大幅な体重の減少も、初経が遅れる原因になります。
病院に行ったほうがよいでしょうか?
最初の診察から治療を始めるまでの間、検査や経過の観察に半年ほど必要です。ですから、18歳になってからの診察では治療開始が遅れます。逆に早すぎても、体が未熟なため、原因の見極めがつきにくい。16歳になっても初経が来ないなら、診察を受けるべきでしょう。