物欲大王

忘れないために。

佐々木譲「廃墟に乞う」

2012年10月19日 09時11分51秒 | 読書、書評
 PTSDを煩い、休職中の刑事が事件を解決する連作短編集。
最初は「依頼者の話を聴くだけ」のつもりだったが、
「何か気になり…」独自の捜査を始める。といった内容。
興味深いのが、主人公に「やる気が見えない所」。
当初はあまり事件に関わらない様にするつもりなのだが、
やはり、刑事。本心とは裏腹に体は動いてしまう。
使命感というよりも、長年の経験で染み付いた「勘」で
行動を起こす所にリアリティがあった。

直木賞受賞作だが、エンタメ色は強くない。
じっくり読ませ、かつ心に残る小説だった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿