物欲大王

忘れないために。

「海賊」の試練?

2008年09月23日 17時16分44秒 | クラシック
 アメリカン・バレエ・シアターの海賊公演。実に楽しい時間を過ごした我が夫婦。
アンヘル・コレーラが怪我で降板してしまったのが残念だったが、とても贅沢なバレエを鑑賞させていただいた。

さて、次は8月2日のKバレエ版「海賊」である。
そう。また「海賊」である。バレエ団が違うとはいえ、2週間後に同じ演目。
いつもチケットを買ってくれる妻も呆れ気味。

許せ妻よ。同じ演目だとはいえ、「Kバレエ」だ。「Kバレエ」
あたしゃ、Kバレエが大好きなんです。
しかも、昨年の「海賊」はアリ役の熊川哲也が怪我で降板してしまったいわく付の作品。
熊川の降板には驚いたが、代役の橋本直樹君が素晴しいテクニックや超越した跳躍力で「若々しい」アリを演じ、我々を良い意味で驚かせてくれたので、とても満足した公演だった。

 「おお!Kバレエにもこんなに踊れるダンサーがいたのか!」と、喜んでいたけどよく考えてみれば、ここ5年位で主役を踊れる男性ダンサーが多くなった。
だけど、あまり目立たなかったのは主役を演じる機会が無かったから。
今回の熊川の怪我によって若いダンサーのチャンスが増えるだろうし、それを経験しないと一流のダンサーにはなれない。
完璧なダンサーを観るのも楽しいけど、彼等の成長を見るのも楽しいものだ。
熊川よ。安心してじっくりとリハビリをしてくれ。
つ~~か、橋本君が気にいった。抱いて下さい。

などと、考えていたら、今度は橋本君が怪我。
おお!橋本よ。おまえもかぁ!
「海賊」って結構足に負担かかるのね。あぁ恐ろしや「海賊」…

ま、まだ出来たばかりのバレエ団。色々あるさ。と勝手に納得。
その後、白鳥・くるみの公演を観に行ったが、わずか数ヶ月のKバレエの成長には目を見張る物があった。
きちんと「金が取れる公演」になっていたのは、彼等が危機感を持って踊った結果だろう。
そうこうしているうちに、赤坂サカスでの「第9」公演。
数日前には、熊川復帰のアナウンス。
「おいおい。大丈夫か」と思ったが、それを払拭するような神秘的な演目で、熊川自身も鬼フェッテで「治ったよ~~」と猛アピール。
周りのダンサー達も本当に嬉しそうで俺、超号泣。


そんなこんなで、2年越の海賊公演。
やっと熊川のアリが観られるのだ。

と、楽しみにしていたのだが、公演初日の数日前だった。
煙草を吸いながらネット閲覧。そこには衝撃的なニュースが。
「熊川哲也氏、怪我で降板」
ん?随分昔の記事だなぁ(笑)。と信じようとしなかった俺。
でも、色々調べて見ると事実らしい。
HPにも「右膝半月板を損傷」とある。
事実らしい。受け止めたくない現実がそこに書いてある。

熊川よ。お前もかぁ。コレーラに続いて。

うぁ。きついねこれ。
つ~か、2度目じゃん。なんだよ!とさすがに怒りモード。
まぁ、踊れなかった500日間がとても不安だったのだろう。
「以前の様に跳べるのだろうか?」「きちんと回れるか?」という心配を払拭したかったのだろう。
いざ、踊ってみると「ちゃんと踊れる」という喜び。
気持ちに余裕ができ、バレエ団の興行的な焦りから「頑張ってしまった」のだろう。
前回の白鳥のツアーでは、評論家が「不安になるぐらい」のキレっぷりの踊りだったようだ。
関係者では無いが、無理をさせるべきではなかった。
ドンキホーテと第9の映像を見比べたが、足の太さが半分位違っていた。
筋肉が完全に戻っていなかったのだろう。
リハビリ不足だった。いや、リハビリは終了したのかもしれないが、その後の筋トレを怠ったのだろう。
彼にとっては、日々のリハーサルが筋トレに結び付くとでも考えているのだろうが、それは間違いである。
筋肉が衰えたままの足であれだけの衝撃だ。
コンクリートの地面に生卵を落としているようなものである。
本人は10月に行われている「コッペリア」での復帰を目標にしているそうだが、止めていただきたい。
また、「ぐしゃり」とやってしまい、今度はダンサー引退という最悪の結果になってしまうのではないだろうか?
ファンとしてこれほど嘆かわしい事は無い。
焦らないで欲しい。じっくりとやって欲しい。
「Kバレエ」には金の取れるダンサーはいっぱい居る。
厳しいが君が踊らなくても「Kバレエ」は十分やっていける実力がある。
足を120%位に治してから復帰しても遅くは無い。
じっくり待っていますよ。我々は熊川哲也のファンだけでなく、「Kバレエのファン」でもあるのです。
つ~か、また無理をして怪我なんかしちゃって、それを悲観して
リアル「若者と死」を演じちゃったらどうしようかと心配で心配で。

もう。頼みますよ。熊川さん。
あと、関係者の皆さんもお願いします。

とまぁ、話が長くなったが、海賊公演。
代役は遅沢佑介。まだソリストなのが気になるが、熊川が出ないので行かない。というのはファンとして失格である。
彼の頑張りを期待して観に行く事にした。

そして、前日の金曜日の夜。妻から入電。
「仕事が明日の昼ぐらいまでかかりそう。多分明日は無理」

あぁ!妻よお前もかぁぁ!!

「とりあえず、頑張れ」と意味不明の言葉を告げ、翌日妻の帰りを待つことに。
無事妻が帰ってきたが、どうやら公演には間に合いそうもない。

すいません。キャンセルします。
はい。
ファン失格ということで。

12月のくるみ公演に行きますので、勘弁してください。



ああ。ごめんなさい。



遅沢君。素晴しかったそうですね。観られなくてごめんなさい。




やめて。石は投げないでぇ。




きゃ~~









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