『名画に見る男のファッション』
中野京子
角川書店
2014
今月最初の投稿は中野京子氏の新刊について。
お洒落で凝った装丁。
扱われているのは男性ファッションの歴史。
女性ファッションはともかく、男性のそれをこれほど集めた美術書は他に例がないのではないか。
選び抜かれた30の作品に描かれている男性像は、どれも個性が際立っている。
各話のタイトルもエスプリが効いている。
(「悪趣味のきわみ」、「着ぐるみファッション」等々)
一作品だけ紹介しておこう。
「ダンディ、かくあるべし」と題されたエッセイで扱われている作品である。
中野氏がこの章の26頁で引用しているカーライルの言葉も秀逸だ。
曰く、「ダンディとはただの〈服を着た男〉にすぎない」。
美術書としては異色だが、少なからず興味深い一冊である。
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