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西洋美術関連ブログ 思索の断片
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早良俊夫 「雲仙観光ホテル」

2014-03-29 22:42:49 | 番組(美の巨人たち)

2014年3月29日放送 美の巨人たち(テレビ東京)
早良俊夫 「雲仙観光ホテル」

長崎・雲仙。
地名の由来は「温泉」の訛りだという。

昭和天皇も宿泊されたこのホテルが開業したのは1935年のこと。
2003年に国の登録有形文化財となって以降、数年をかけて大改装が行われた。

リニューアルのコンセプトは、「新しくノスタルジア」。
形容矛盾にも思えるが、そうとも限らない。

思い出してみよう、ラファエル前派の革新性は何であったか。
兄弟団は中世あるいは初期ルネサンスの芸術を賞賛しつつも、単なる〈懐古〉に終始したわけではない。
彼らが求めたのは、〈新たな美〉を生み出すことであった。

今回の大改装のひとつの目玉は、客室の壁の装飾。
新たに壁を飾るのは、ラファエル前派第二世代のひとり、ウィリアム・モリスの手掛けた美しいデザインである。

「新しくノスタルジア」という理念を導いたのは、19世紀英国の美術革命に他ならなかったのだ。


(画像をクリックすると雲仙観光ホテルの客室案内ページへ)