旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

知識と情報と経験と勘

2015年11月20日 | 旅行一般
 様々な手段で多くの情報や知識を手に入れることができる時代はうまく活用すれば私たちの生活をより楽しいものにしてくれます。
 
 たとえば今まで日曜大工の知識なんてなくても、デスクに座ったままで木の選び方から必要な道具などの知識も手に入れば、それらを購入することさえできますし、道具の使い方についても丁寧に動画で教えてもらうことができます。

 知識は興味を持たなければ入ってこないものなので、”自分はそんなことに興味はない”と思った時点でこの幸せな環境も活用することはできない事と、興味さえあればどんな知識にでも触れることができる環境の両面を考えると、色々な事に興味やこだわりを持つ人と持たない人の知的な格差がどんどん開いていく世の中になったという面もあるかもしれません。

 ただ、何かに取り組む時には知識や情報だけではうまく機能しないこともあります。不確定要素が多い”旅”ではどれだけ情報を集めて、どれだけ知識を持って行っても思い通りにならない事が、旅先に深く踏み込むほど増えてきますし、思いもよらない事が起こるからこそ面白いという部分も大いにあるわけです。

 最近、同じような活動をしている人と話していて話題にのぼったのは”勘”という話。最近の具体的な例をあげると、今年9月の"タイ&ラオス路線バスの旅"の数日前、ボーっと計画を反芻していた私の頭になぜか”慣れてるところで破綻する”という言葉が浮かびました。殆どの区間が初めての場所なので慣れてるところはそんなにありません。何が気になっているのか考えた結果、”チェンマイ-チェンライのバス移動かも”と思ったのでした。思い出してみると前年のチェンライ-チェンマイのバス移動の際はブラリとバス停に行ってみたらすぐに出るバスは空いておらず、1台見送って乗ったバスも満席だったことを思い出しました。そこでチェンマイのゲストハウスで相談した結果、前日に予約してもらうことにして事なきを得たのですが、前日夕方ではすでに空いているバスも少なくてちょっと危うい計画だったことが明らかになりました。

 こういう、”ふと思いついて事なきを得た”事が沢山あります。そのたびに”幸運な偶然だったな”と思っていたのですが、最近、少し違う見方をするようになりました。
 
 こういう”なんか変だなぁ”と思う”勘”は、おそらく”経験”から湧き上がってくる感覚なのではないかと思うのです。先ほど挙げた例も、一昨年のチェンライ-チェンマイの経験を無意識に思い出していたのかもしれません。

 知識、情報、経験、これらが融合して自分の行動を決めていくというのはおそらく間違いありません。そして、経験から来る勘はおそらく、不確定要素に対する判断を強化してくれるのではないかと思います。

 だから、やっぱり情報や知識を集めるだけでなく、いろいろな挑戦をして、経験を積む事は自分のパフォーマンスを高めてくれると思うのです。

 ただし、闇雲に行動したからと言って経験を積めるのかというと必ずしもそうではないとも思います。重要なのは興味を持って行動する事。知識を求め、情報を求めながら行動する事から人は経験を積むことができるのだと思うのです。

 さて、明日から1週間、"スーパーカブで旅するタイ北部"に行ってまいります。今回はどんな経験を積むことができるのか今から楽しみです。1週間臨時休業をいただきます。ご迷惑をおかけしますがご理解のほどを。


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