旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

情報が不安を煽る

2007年05月23日 | 海外ツーリング
海外ツーリングに出ようとする時、誰もが経験者の体験談を知りたいと思うものです。私が海外ツーリングに出た頃はインターネットの時代ではなかったので、専ら雑誌や本が情報源でしたが、やはり何冊もの雑誌や本に目を通したものです。今はインターネットという手段もありますから、より多くの体験談を目にする事ができるようになりました。これなら一昔前のように限られた情報だけを元に試行錯誤しながら旅する苦労はだいぶ軽減されたのかもしれません。

ところが、こういう時代になっても不安や疑問は消えないようで、そういった相談に来られる方も多くなりました。そしてそういった話をしている際に、体験談とのつきあい方が上手じゃない方も多いなと感じているわけです。

人間にとっては、楽しかったり、楽だったりした事よりも苦労した事の方がより鮮明な記憶として残る傾向があります。だから少し苦労する旅の方が思い出に残る旅になるのですが、逆に体験談にはやたらと苦労話が多くなる事になります。その体験談だけを目にすると、海外ツーリングが苦労の毎日のように見えて不安になるのかもしれないですが、そんな事で臆病になる必要はありません。楽しい事も沢山待っています。

海外であろうと、国内であろうとバイクに乗る事に大きな違いはありませんし、その事に対して注意すべき事というのもほとんど変わらないでしょう。バイクの経験がそれほど多くない事で臆病になる方もおられますが、現地の初心者ライダーはそこを走っているわけですから、ルートさえ選べば、それもあまり問題ではないでしょう。

天候、気候に関する質問も多く受けますが、路面が凍結するシーズンででもなければ、後は文字通り運を天に任せるしかありません。雨が降るかどうかを心配するよりは雨が降ってもよいようにレインウェアを持って行く事で不安は解消するでしょう。

情報というのは自分の不安や疑問を取り除くために探す物であって、情報から不安材料を探すのは逆転した考え方だと思います。

思えば海外ツーリングや海外旅行だけでなく、情報が多くなった事で不安が解消するどころか不安を自ら増大させてるのが今の社会かもしれませんね。あなたは情報によって臆病になって行動力を失ってはいないでしょうか。


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