旅のウンチク

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第1回タイ&ラオス路線バスの旅-Day2 戦略が重要なのだ。

2015年10月08日 | 旅の風景
2015年9月21日
 旅する場合にどうしても確保が必要となる事が3つあります。食事、宿泊先、移動手段の3つ。バイクでの旅はこのうち移動手段が基本的に確保されているので楽です。スーパーカブで旅するタイ北部では、その点を活かして気ままな1日を送っています。朝、雨が降っていたら止むまで出発を遅らせますし、飲み過ぎて出発が遅れることだってあります。

 移動がバスや鉄道や船のタイ&ラオス路線バスの旅ではそういう自由はありません。移動手段に時間を合わせる必要性から、1日をより計画的に行動し、戦略を練る必要があります。

 実はこの点が今回の不安材料。参加される方皆さんが気ままな”スーパーカブで旅するタイ北部”の経験者。しかも同行する私も今一つ計画的な行動が得意ではないのです。お客様には重々時間を守っていただくように伝えておきました。

 戦略。つまり、明日の行動計画から今日のうちに準備が必要になる事もあるわけで、今日はその日。明日、ラオスへ入って船で移動する際、下手をすると朝食、昼食が確保できないので、本日目的地に着いたらフルーツやパンなどの食料を各自確保していただく必要があるのです。

 いつも私は早めに起きて日記をつけるのが旅先での日課なのですが、今回ご参加の皆さんはそろって早起き。ゲストハウスの1階でコーヒーを飲みながら日記をつけていると皆さん次々起きてこられます。私より先に起きだして、もいう荷物も降ろしておられる方々も。

 バスの時刻に合わせてバス停へ行ってから朝食をと考えていたのですが、余裕があるのでバザールで朝食をとります。白象門を出て北上すると露店が並んでいて、ここのカオトム(おかゆ)は私のお気に入りの一つ。朝食を済ませて、ぶらぶら歩いて、ワットチェンマンを軽く見学した後はゲストハウスへ帰って準備を整え、少し早いけれども出発することにします。

 ワットチェンマン前にたまっているソンテウが手招きしています。

 ”我々を手招きしたことを後悔させてやる!”
 朝一番の仕事はソンテウの値段交渉。これはツアー代に含まれているのでコストダウンのために私も真剣です。大げさなアクションで値切る私は人目を引いたのか、言い値の半額強まで値切った私に、道路の向かい側で宝くじを売っていたオジサンが”よくやった”と親指を立てて褒めてくれました。

 バスターミナルにはバスの時刻の1時間ほど前に到着。やる事も無いのでお茶を飲んだりぶらぶらしながら時間をつぶします。バスは予定を少し遅れて出発。VIPバスは軽食付き。小さなケーキとミネラルウオーターが配布されます。意外な事にエアコンが効きすぎる事も無い快適な移動。ただ、快適なだけの退屈な移動でもあります。

 昔はこの区間、おんぼろローカルバスが走っていて、途中の村々に立ち寄りながらチェンライへ向かったものです。バスが止まるたびにいろいろな品物を持った売り子が窓から声をかけてきて、その売り子から購入した様々な食べ物を周囲の乗客と交換したりしながら過ごした時間は私にとっては楽しいひと時でしたが、今はもうこの区間はエアコンバスしか走っていないようです。

 3時間強の旅の末にたどり着いたチェンライからはおんぼろローカルバスを使います。時刻は不明なので、バスターミナルに着いた瞬間にチェンコン行きのローカルバスを探して、時刻をチェック。発車まで30分も無いのでお客様に昼食を断念する旨を説明して、売店で食べるものを買ってきていただくことに。

 おんぼろバスはほぼ定刻に出発。素晴らしい運転テクニックで我々がスーパーカブで1日かけて移動するルートをたったの2時間ほどで走り抜けます。窓もドアも開けっ放しで乗客だけでなく荷物の宅配も兼ねているあたりは昔から変わりません。出発したときはほぼ満席。座席は狭く、結構窮屈です。

 終点のチェンコンまで乗車する乗客は少なく、乗客のほとんどは途中の村で降りていきます。チェンコンが近づいて来たところで車掌が”ラオスへ行くんでしょ?”と話しかけてきました。そうだと答えると、”それじゃあ、チェンコンじゃなくてボーダーね?”と。”いや、チェンコンです”と答えると少し会話は混乱。”今日はチェンコン。明日ボーダー”と説明してようやく意図は伝わりました。この時判明。チェンライ-チェンコンのローカルバスは申し出ればボーダーへ寄ってくれるようです。

 チェンコンのバスターミナルはバザールの中にあります。バスが着く前に皆さんに少し相談。荷物を置いてからバザールへ戻って明日の食料を買いだすか、バザールで買い物をしてから宿を確保するか。先に宿へというい意見が多数のため、まず宿を確保、バザールへ戻って、各々明日に備えます。私はパンとランブータンを買いました。

 バザールはちょうど閉店を始めていて開いている店は1/4ほど。それでも各自、明日の食料は何とか確保できたようです。

 チェンコンにはスーパーカブで旅するタイ北部の第1回から欠かさず立ち寄っているレストランがメコン川沿いにあります。つまり、今回のメンバー全員が行った事があります。同じ店へ行こうとしたのですが、改装されたのか、同じ店かどうか確信が持てないまま、メコン河沿いの店に入ってビールを飲みながら夕食を取りました。

 夕暮れのメコンを眺めながら、明日の朝には国境を越えて河の対岸に立つことなどを話しながらゆっくり時間を過ごして宿へ帰ったのでした。元気な数名の参加者はこの日もマッサージに行ったそうな。私は明日の朝7時の移動開始に備えて早めに眠りについたのでした。


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