旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

第1回タイ&ラオス路線バスの旅-Day4 Rainy Days and Wednesdays always get me down

2015年10月11日 | 旅の風景
9月23日(水)

6時起床。外は雨。

カーペンターズの"Rainy Days and Mondays"が頭でグルグル回ります。水曜日なので"Rainy Days and Wednesdays"ですが。

 雨季のツアー。スーパーカブで旅するタイ北部の場合は10月のツアーが雨季、11月のツアーが雨季の終わりころに当たるため雨に降られることがありますが、私はレインウェアを持っていません。雨が降ってきたら雨宿り。朝から降っていたら出発を遅らせるのが常です。バイクという移動手段を持っている強みです。

 ところが、タイ&ラオス路線バスの旅は雨が降っているからと言って移動手段が出発を待ってくれることはありません。雨の中でも出かける必要があるのです。だから、出発前に皆さんに傘か雨具をお持ちいただくよう伝えてありました。

 船の出発時間まではまだ余裕がありますが、ゆっくり朝食をとって出かけたい気持ちもあります。昨日注文したサンドイッチを受け取らなければならないのですがゲストハウスのスタッフは見当たりません。顔を洗ったり、髭をそったり、荷造りしたり、それぞれが準備をしているうち、お客さんの一人が”サンドイッチ、置いてあったよ”との情報をもたらしてくれました。スタッフが居ないので部屋の鍵は部屋のドアに差して出かけてしまう事にします。

 傘をさしてぶらぶら歩いて、念のために船着き場で出発時刻を確認してから既に空いていた店に入って軽く麺類の朝食です。いつも東南アジアでは朝食に麺類を食べることがとても多いのですが、今回は今日が初めてです。ラオスの麺類の特徴はペパーミントが付いてくること。勇敢なお客さんが麺のスープに投入してみると、”美味しい”とのこと。私も入れてみます。意外な組み合わせですが何だか美味しい。

 出発時刻が近づいて船のところへ行ってみますがまだ雨。船の両側には雨が入らないようにブルーシートがかけられていて中は薄暗いのです。昨年乗った船は雨の時、透明のビニールシートが降ろされましたが、この船はブルーシート。足元が危ないほど薄暗いのです。ペンライトの明かりを頼りに昨日の日記をつけます。

 船が出港して1時間ほど経った頃でしょうか、まだ雨は降っているのですが船員がブルーシートを片付け始めました。片付け終えたころには雨は上がり、驚いたことに日が差してきました。天候に対するヨミは天気予報によるものなのか、長年の勘なのか、何か神秘的な力なのか...。

 船旅も二日目ともなると若干退屈。風景も昨日と大きくは変わりませんから居眠りメインで時間を過ごすことになります。じっと座っているだけなのに昼になると空腹を覚え、サンドイッチで昼食をとります。

 昼食を食べたらまたウトウト。時々目を覚まして、なんとなく写真を撮って、少し雑談してまたウトウト、そんなことを終日繰り返して夕刻ルアンパバンに到着します。

 到着した港は昨年乗った港とは違う場所のようです。今年準備してきた地図にある場所かも。それなら町から近いはず。客引きがたくさん詰めかけているので今日の宿探しも大丈夫そうです。

 気の弱そうな客引きを選んで料金を聞いてみます。我々、この時点でまだラオスの通貨を持っておらず、基本的にタイバーツのまま押し通すつもりだったので、バーツでの費用を聞いてみたのですが、若干予算オーバー。少し考え込んでいると、”少し下げましょうか”と言いだしました。

 どうやら、宿代、値切れるようです。

 ”それじゃあ、1部屋200タイバーツにして”
 と迫ると、”それは.....”と渋ったものの、結局オッケーしてくれました。

 宿の場所を聞いて、地図を見せてもらうと船着き場からすぐ近くのようです。”どっち?”と歩き出そうとする私たちに客引きは”まずトゥクトゥクのチケットを買わないと。”と。

 ”何?トゥクトゥクのチケットとは?サッパリわかりませんが?”

 地図に載っていた船着き場は古い船着き場で、ココでは無いとのこと。ここから街へはトゥクトゥクしかなくて、しかもチケットを買って乗るそうな。客引きの指さす先の小屋に人が並んでチケットを買っています。私も列に加わります。

 驚いたことにトゥクトゥクのチケットは1台当たりの料金ではなくて1人あたり。しかも1人100バーツとは驚きの金額。全員で500バーツ。チェンマイ-チェンライのエアコンVIPバス2人分相当です。

 しかも、有無を言わせないチケット制なのです。

 全員分のチケットを買ってトゥクトゥクに乗り込みながら気がつきました。客引きはまだここに残る様子。つまり、先ほどの料金交渉はリセットされる公算大です。まあ、ついてからまた交渉しましょう。ダメなら客引きが戻るまで待てばいいので。

 宿に無事到着すると、女将さんが笑顔で出迎えてくれました。どうやら連絡は入っていたようです。これなら料金の問題も無いかも。部屋を見せてもらって、人数分のベッドを確保。料金の話になるとやっぱり若干のズレが発生です。ただ、女将さんもあまり自信がないようで、自信満々の私に押され気味。そこへ客引き君が帰ってきて、”ねぇ、200バーツって言ったよね”というわけで交渉成立。ただし、バーツじゃなくて、KIPで払ってほしいとのこと。あとでナイトバザールで両替してから払ってくれとの事。客引き君にこの点も話すと、結局、バーツで良いとのことになりました。

 部屋に荷物を置いて、支払いに行くと、”この次はどこへ行く?”と聞かれたので”明後日にビエンチャンへ”と答えると、この宿でバスの手配をしてくれるとのこと。これは良いニュース。値段を聞いてみたのですが、どうやら昨年私が乗った料金と変わりません。バスターミナルまで送迎付きとのことなので、この話に基本的に乗る事にしますが、一応、もったいつけて、明日の朝、もう一度話しましょうと言っておきました。

 日が暮れて、夕食に出かけることにしました。ナイトバザールをブラブラ歩きながら屋台を探すのですがなかなか見当たりません。ようやく見つけた屋台でビールとカオパット(焼き飯)。カオパットは私の大好物で日本でも時々自分で作ります。値段を聞いてびっくり。カオパットは50バーツ!。15バーツの間違いじゃないかと聞くと、鼻で笑われました。

 屋台のカオパットとビールで夕食。50バーツのカオパット、美味しくない。私のカオパット好きは有名なので、皆さん評価を求められましたが、カオパット評論家の私としては、今までで下から2番目に位置するダメなカオパットと評価を下しておきました。ビールも1本90バーツ=20000KIPと、ずいぶんお高め。この屋台、居合わせてオーストラリア人の旅行者も支払う際に”Too much expensive"と文句を言っておりました。

 ラオスのレストランは表にメニューを置いているところが多いのです。帰り道でレストランのメニューをチェック。ちょっとした洒落たレストランでもビールは1本12000KIPから15000KIP。屋台で20000KIPはやっぱり高かった。

 とはいえ、こういう失敗も旅のうち。
 
 もう少し食事をしたいという人たちと別れて、もう満腹のメンバーは宿へ帰ります。

 この二日間で判明したのは、やっぱりタイバーツで押し切るより、KIPへ両替した方が少し安く過ごせそうです。明日はKIPに両替してから行動することにして宿へ帰って缶ビールを1缶ゆっくり飲んでから眠りについたのでした。


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