旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

山あるき

2017年04月11日 | アウトドア
 E&Gが中野区へ移転した頃から考えていた”山あるき”。なかなかスタートが切れなかったのですが、ようやく今年から”山あるき”を始めました。
 
 私は大学時代の一時期、山岳部に所属していたことがあるので一通りの心得はあります。それ以前もそれ以後もアウトドアの経験はそれなりにあります。装備も少し古いものではありますが低山なら問題ないだけのものが手元にあります。あとは行き先を調べて時間の確保をすればよいだけなので、ほかの方々が山登りを始めるよりはずっとハードルが低と思います。

 狙いは高い山ではなくてどちらかというと”森あるき”が目的なので更にハードルは低いのです。
 
 それでも新しい事を始めるというのはやはりエネルギーを必要とするもので、結局”時間が取れない”などと自分で自分に言い訳しているうちにズルズルと数年が過ぎてしまったように思います。そのことに気が付いたので今年は少し無理をしてでも歩き始めようと、自分の生活時間などの調整を優先することにしたのでした。
 
 ガイドブックを数冊購入して、自分の希望に合いそうなルートをいくつかピックアップします。大抵の山々はここから往復3時間以上の移動時間を要します。それなら実際に山を歩く時間は往復の移動で要する時間以上は欲しいとか、あまり標高を上げたくないとか、いろいろな条件を重ねていくと自分の行くべきルートが見えてきます。
 
 それでも、昔取った杵柄としての知識はあっても経験が30年近く途絶えている自分にとっては情報と現実のギャップがなかなか埋められません。若いころとは体力だって違うので”4時間”となっているルートを自分が4時間で歩きとおせるのかどうか確信が持てません。途中でへばって身動き取れなくなるとか...十分あり得ます。

 私にとっては海外をバイクで走るよりずっと”アウェイ”な感じです。

 最初の山行を3月中旬から4月上旬と決めたら、平均気温などのデータからさらに行くべきルートは絞られてきました。普段、平地なら10kmは1時間かからずに走れる距離なので、その事を手掛かりに10km程度のルートを歩く事に決めました。歩行時間は5時間と紹介されているルート。10時に歩き始めて、どこかで道を間違うなどの失敗をしても17時には下山できるでしょう。現地まで1時間半。余裕を見て8時過ぎに出かければよさそうです。ようやく形ができてきました。

 あとは食料計画や非常時の装備などを決めて大体の計画が完成しました。
 どんな風景を見れるだろうかとか、沢山の他のハイカーと出会うのだろうかと少しワクワクしたり、その人たちに迷惑をかけないか不安に思ったり、そんな素朴な気持ちの動きも久しぶりに楽しむ事が出来ました。

 そんな計画に取り組みながら、初めて海外を旅する計画を立てる人達も同じような苦労と同じような楽しみを味わえているのかなと考えさせられもしました。

 初めての一人旅では予定していた行き先への鉄道の切符を手に入れるだけのコミュニケーション能力が自分に欠けていて、現地に到着した翌日には既に自分の立てた計画から脱落したことも思い出されます。その時感じた自分に対する失望感を今回も感じる事にならなければよいのですが....。

 第3回旅行好きの夕べの翌々日。時間が確保できた私は予定を少し過ぎて8時過ぎに出発。そのまま30分遅れでスタートして、一部道を間違って引き返したりしたものの、4時間半ほどで計画のルートを消化しました。参考にしたガイドブックの時間なら自分にこなせる事がわかりました。これは次回の計画の際に役立つ事実。経験を積む事が2回目、3回目の計画をより容易にしてくれるのは旅の計画でも山の計画でも変わりません。

 たまにはいつもと違う事に取り組んでみるのもよいものです。


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