旅のウンチク

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ツーリングの荷物

2013年05月13日 | 旅のノウハウ
 バイクで旅する場合、海外であれ日本であれ少し頭を悩ます課題の一つはのは荷物の運搬方法です。四輪車と違って収納スペースが無い乗り物なのはストレッチコードなどを駆使して何とかするとしてもトランクや車内に積載できるわけではないので雨が降れば濡れますし、徒歩で観光する場合や食事などのためにバイクを離れる時の盗難なども不安要素です。

 ヨーロッパやニュージーランドでレンタルバイクを借りる方は上記のような点を考慮した結果、トップケースやサイドケースといったロックできるハードケース類をレンタルされる方が多いです。最初からハードケース類が装備できる車種を確認してから車種を選択される方もおられます。この点ではヨーロッパ人のライダーも同じで、だからヨーロッパにはハードケース類専門のメーカーがあるのだと思います。比較的安心感の高い方法と言えるでしょう。

 ただ、比較的安心だからと言ってトップケースに貴重品を入れてロックをかけておけば安心というわけではありません。ロックを壊される可能性もありますし、バイクごと盗難にあうという可能性も考えられます。また、ハードケースはハードケースなだけに容量が厳密に決定してしまうという、荷物の量によっては使いにくい面も出てきます。

 ハードボックス類が一般的でないオーストラリアやアメリカのレンタル車両、あるいは”スーパーカブで旅するタイ北部”のようなハードケース類が使えない状況の元ではもう少し心配事が増えます。スーパーカブで旅するタイ北部にご参加の方を見ていると皆さん荷物はデイパックなどにコンパクトにまとめておられるので降りて観光する際などは荷物をバイクから外して背負っておられる方が多いようでした。

 私の場合はヨーロッパでもタイでも荷物はストレッチコードで車体に括り付けたらそのまま宿に着くまで外すことはありません。このやり方自体は皆さんにお勧めしているわけではないので勘違いしないでいただきたいのですが、荷物をバイクと一緒に放置しているのは、車体に積み込んでいる荷物は”無くなっても仕方ない”と決めた物だからです。無くなったら面倒なことになる物は全て身に着けるようにしています。

 無くなっても良いものと、よくない物をはっきり区分けする事はたとえハードケース類を使う場合でも必要な作業だと思います。現金やクレジットカードは無くすとその日の宿にも困ることになりかねませんし、パスポートは再発行を受けたりする作業に大きな時間のロスを発生させます。あとはデジタルカメラや日記なども、せっかくそこまで旅してきた記録をきれいに失うと考えると失いたくない物に入るかと思います。カメラそのものよりも中身のデータは二度と手に入れる事が出来ないという意味で貴重品となり得ます。

 ところが着替え類や、デジタルカメラの充電器、洗面具などは何日かは我慢できる物ですし、お金があれば多くの場合再購入できますからバイクに積みっぱなしにして失う事になっても余計な出費は強いられますが取り返しがつかない事にはなりません。荷物をそういう視点で分類していくと、自分の旅に必要ではあるけれども、再入手が可能な物は意外と多くあります。そして具合の良いことにかさ張る荷物の多くはここに分類されます。

 いつもすべての荷物に気を配っている事は多分大きなストレスになりますしから、気を付けるものを絞り込んで、それ以外のものは無くなったら無くなった時だとはっきり割り切ってしまう事は、注意すべきことを絞り込むうえでも必要ですし、旅先での心配事をある程度減らすうえでも有効だと思います。


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