旅のウンチク

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メコン河で捕獲された蛇神 ナーガ

2017年05月19日 | 旅の風景
あれは2009年あたりのスーパーカブで旅するタイ北部の事だったと思います。

 ゴールデントライアングルから小舟で渡ったラオス側の中洲にある村、ドンサオ村。お土産物屋だけが存在するその村で私の目を引いた土産物はとある写真。

 子供の頃から生き物全般が好きで、それは身近な昆虫から未確認生物にまで至る私にとって見慣れた写真が売られているのです。

 私の記憶では、確かサンディエゴの米海軍基地(海兵隊基地かも)に打ち上げられたリュウグウノツカイを兵士たちが抱きかかえている写真でした。



 ラオスと何の関係もない写真がどうしてラオスの土産として売られているのか不思議に思って説明を読んでみたのです。

 曰く
 "ベトナム戦争中にメコン河でアメリカ兵が捕獲したナーガ"

 ナーガというのはもともとインドの神話に出てくる蛇神だそうですが、タイやラオスの仏教寺院には守り神的な役割なのか、入口階段の手すりなどにこの装飾があります。インドのナーガは頭が沢山あるコブラのイメージですが、東南アジアのナーガは改めて見ると、なるほどリュウグウノツカイにちょっと似ています。

 先の写真はナーガでもなければメコン河で捕獲されたわけでもなく、今調べたら1996年の写真らしいのでベトナム戦争とも関係ない完璧なガセネタなのですが、リュウグウノツカイと寺院に彫られたナーガが似ている事に気がついた事は尊敬に値します。

 ところで、件の写真、アメリカでは”海軍が捕獲したシーサーペント”として扱われる事があるようです。シーサーペントもやはり想像上の海の怪物。どんな文化に属していても人の豊かな想像力は未知な事柄に興味を惹かれるものなのでしょう。


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