京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

与楽の記 2006年10月号より

2017-07-01 14:39:51 | 日記
 与楽の記  京都句会の記
                      金澤 ひろあき
  点点点線線線と秋の雨      ひろあき
らでん
  天の川漆に沈んでいる螺鈿    同 
 残暑が残りますが、秋の兆しが一日一日深まります。これが加速度がついて、四〇日もすると、「冷えますね」という挨拶が交わされるようになるのですね。「秋」を色や形でとらえるとどうなるのか。私は、冒頭の二句であらわしてみました。皆さんはどうでしょうか。
  流れ星線引きつつ丘の上     岡畠 さな子
 夜空に流れる流星群を見たことがあります。白い線がいつまでも残っていて、不思議でした。この句を読んでそのことを思いだしました。「丘の上」という語が、「大自然」という感じを伝えてくれますね。「大自然のなかの流れ星」。雄大です。
  電線にゆらゆら雫四分音符    坪谷 智恵子
 この「見立て」の力、すばらしいですね。「見立て」は、現実からもう一つの世界を作る力だと思いました。
  双曲線あの娘はババにわれもジジ 小川 数夫
 これまた楽しい句。「層胸腺」でお互い様。それを笑って言っているところがいいですね。
                                 2006年10月号より