与楽の記 京都句会の記
金澤 ひろあき
点点点線線線と秋の雨 ひろあき
らでん
天の川漆に沈んでいる螺鈿 同
残暑が残りますが、秋の兆しが一日一日深まります。これが加速度がついて、四〇日もすると、「冷えますね」という挨拶が交わされるようになるのですね。「秋」を色や形でとらえるとどうなるのか。私は、冒頭の二句であらわしてみました。皆さんはどうでしょうか。
流れ星線引きつつ丘の上 岡畠 さな子
夜空に流れる流星群を見たことがあります。白い線がいつまでも残っていて、不思議でした。この句を読んでそのことを思いだしました。「丘の上」という語が、「大自然」という感じを伝えてくれますね。「大自然のなかの流れ星」。雄大です。
電線にゆらゆら雫四分音符 坪谷 智恵子
この「見立て」の力、すばらしいですね。「見立て」は、現実からもう一つの世界を作る力だと思いました。
双曲線あの娘はババにわれもジジ 小川 数夫
これまた楽しい句。「層胸腺」でお互い様。それを笑って言っているところがいいですね。
2006年10月号より
金澤 ひろあき
点点点線線線と秋の雨 ひろあき
らでん
天の川漆に沈んでいる螺鈿 同
残暑が残りますが、秋の兆しが一日一日深まります。これが加速度がついて、四〇日もすると、「冷えますね」という挨拶が交わされるようになるのですね。「秋」を色や形でとらえるとどうなるのか。私は、冒頭の二句であらわしてみました。皆さんはどうでしょうか。
流れ星線引きつつ丘の上 岡畠 さな子
夜空に流れる流星群を見たことがあります。白い線がいつまでも残っていて、不思議でした。この句を読んでそのことを思いだしました。「丘の上」という語が、「大自然」という感じを伝えてくれますね。「大自然のなかの流れ星」。雄大です。
電線にゆらゆら雫四分音符 坪谷 智恵子
この「見立て」の力、すばらしいですね。「見立て」は、現実からもう一つの世界を作る力だと思いました。
双曲線あの娘はババにわれもジジ 小川 数夫
これまた楽しい句。「層胸腺」でお互い様。それを笑って言っているところがいいですね。
2006年10月号より