あのうの幸せトンボ

日々の何気ない出来ごとを、思いつくままに……。

捨て猫

2017-11-11 20:12:25 | 日記
トイプードルのトトちゃんと朝の散歩に出かけていると田の畦にうずくまっている猫をよく見かけるようになった。
以前はいなかったので隣村から来たのだと思われるが、薄汚れていてとても汚い。一目で捨て猫だとわかる。
遠くから様子を見ているとフラフラと隣村の方へ歩いて行く。二つの村を行ったり来たりして食べ物を探しているらしい。だんだんと寒くなってきた今の時期には餌の蛙も姿を消し、あの姿ではネズミも捕まえられなくて幾日も食べ物にありついていないのだろう。
そう思うと、動物好きの私としては黙って見過ごすわけにはいかない。トトちゃんを家へ置いてからキャットフードを持ってかの猫を探しに出かけた。
隣村への道端で見つけたのでキャットフードを猫の近くへ蒔いて呼んでみた。最初は警戒していたがこのおばさんなら大丈夫、と思ったらしくガツガツと食べ出した。
かの猫にとっては正に「救世主」現れる、といったところでございます。

そんなことを2回程繰り返していたら、ある時、とうとうわが家へ来てしまった。

私が家猫のミケとチビに夕方の餌をやってネコハウスから出てきたら、乗用車の下から聞き慣れない猫の鳴き声がー。身体半分出して私の顔を見上げているのは、かの捨て猫。わが家を探して来たのである。
「あら、あなた来たの?」と、餌をやり、うす汚れた猫を初めて抱き上げてみてビックリ。ふわーと空気を抱いているよう。わが家の猫たちと比べたら段違いの軽さ。背骨もゴツゴツと手に当たるしあばら骨などは1本1本数えられる程で、丁度猫の骨格標本が猫の皮を被っている様。
あまりの惨めさに「可哀想にー」と胸が一杯になったのでございます。
何とかこの子をもう少し普通の猫の姿にしてやらねば!と決心したのでありますが、その時はこの子を飼えば、わが家の猫が4匹になるとは気がつかなかったのであります。

その時は取りあえず餌をやり、まずは夕食の用意をしてそれから小屋へ様子を見に行ったら、段ボールが丁度、小屋の隅に置いてあったのでそこに入って居たので一安心。

それ以後、私が帰宅するとどこからともなく現れて餌をねだるので専用食器も作り、多めに餌を与えているので、その甲斐あって抱き上げても少しは重くなったし、身体や顔もタオルで拭き名前も野良猫の「ノラ」と付け、以前よりは家猫らしくなってきたが、顔がどう見ても不細工。だから捨てられたのかしら?と思うがこればかりはどうしょうもない。丁度「さび猫」の顔のよう。
うちのべっぴん猫の「ドラちゃん」と段違いなのである。

この「ノラ」も、もう少しふっくらとしてきて、こちらの目が慣れてきたら「不細工」と思わなくなるかしらーと、何事も「慣れ」が解決するかと、かすかな期待を持って眺めている私なのであります。


※ 捨てられし猫を抱きてそのあまり軽ろきに泣きて三歩あゆまず
    若山牧子でした(^_-)-☆