前回に引き続き、折曲銃床部を見ていこう。
銃床をたたむ際にはヒンジ外しと呼ばれるボタンを押し込んでたたむことになる。
写真の電動ガンでは構造上、ヒンジ外しに六角ネジがネジ込まれているが、実銃ではフラットになっているようだ。
銃床は左側面に折りたたむため、このような状態となる。
世界的に見て、自動小銃の折り曲げ銃床は右側面に折りたたむ物が多い。
これは右利きの射手の使いやすさを考慮してそうなっている
(左側面にたたむと体の近くを銃床が通ることになり、操作しにくい)わけだが、
89式小銃では異なっている。
これには諸説あるが、単純に右側面にたたむと排莢などに問題が発生するからではないだろうか?。
薬莢受けの併用問題だとする説もあるが、それ以前の問題と言えよう。
また、こうしてみると切替レバー(セレクター)の問題も意外な側面が見えてくる。
切替レバーが一般的な左側面にあった場合、銃床をたたんだままでは操作不能になってしまう。
この、折曲銃床型の89式小銃は陸上自衛隊においては第1空挺団から支給が始まった。
このため、「空挺型」とか「空挺ストック」などと呼ぶ人もいるようだが、
実際には装甲車などの乗車部隊や、特科(砲兵)などの後方部隊でも使われているようだ。
また、90式をはじめとする戦車部隊にも装備されている。
戦車の場合、車長以外の乗員の装備となるようだ。
つまり、90式戦車の場合は2挺が装備される。
ちょっと気になるのは、それまで戦車部隊に装備されていたM3短機関銃「グリースガン」だが、
以前、富士総合火力演習に行った際、戦車乗りの隊員に聞いてみたら「既にグリースガンはありません」との事だった。
しかし、最近雑誌を見たらグリースガンを背負った隊員の写真が載っていた。
どうやら全ての戦車に89式小銃が行き渡っているわけではないようだ。
なお、折曲銃床型は海上保安庁の特殊警備隊SSTも使用しているのが確認されている。
海上自衛隊の特別警備隊SBUも使用しているが、これらは狭い船に乗り込む際の取り回しを考慮してのことだろう。
さて、この折曲銃床だが、現在では左側面に付く切替えレバーに対応するため
頬あて部分の形状を変更したタイプが作られているようだ。
それだけでなく、銃床右側面の付け根にも負い紐環がつけられている。
こちらは折りたたんだ状態でも負い紐が使用できるようにするためのもので、
ちょうどロシアのAKS74と同じような感じだ。
※画像は全て東京マルイ社製電動ガンです
6月27日記事一部修正しました
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このサイトにのっていますが空挺の折り曲げ型には
若干の改造がなされているようです
元々89式は短い小銃ですんで取り回しは良好です。
ただし建物の中でのCQBとなるとキツいかな。
短いタイプの試作品とか雑誌で見ましたが、採用されてないようですね。
何にせよ現物を見てみたいものです。
>通りがかりさん
わざわざありがとうございます。
そのページ、以前に拝見してたんですが、触れるの忘れてました。
後日追記させていただきます。