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20式小銃についての考察

2020-06-28 00:12:59 | Gun
先日の防衛省の新小銃お披露目会の様子と考察記事が専門誌各紙に載っていましたので買ってきました。

これらと今まで分かっている情報を基に自分なりに考察をまとめてみたいと思います。
まあ、私が元自衛官でも銃器の専門家でもありませんのでその辺はご了承ください。

・開発目的
>離島防衛での使用を想定し、耐水性が高く排水性を高め、弾倉も樹脂化。
これだけで公開時等にネット上で言われた「89式のままでよい」「89式にレールをつけるだけでよい」と言った意見が的外れであるのが分かると思います。
既に89式小銃を利用しての海岸での着上陸訓練が行われていますが、訓練後の手入れが不足で錆びやすいという話もあったり無かったりしますので。
6月12日に公表された豊和工業の決算説明会の資料にも「素材と表面処理の改善により耐腐食性が向上」との記載があります。

同時に採用された新拳銃SFP9も耐水性に特化したMモデルが選定されており、このあたりが新小銃・新拳銃において重視されたものと思われます。

・開発経緯
今回、自衛隊主導で開発されたわけではない旨の話があったようです。
前出の決算説明会資料にも「当社が開発した小銃が」とあり、89式小銃のような共同開発ではないようです。
逆に64式小銃は今回同様、豊和工業の自主開発から始まっており、その面では64式小銃と共通点がありますが、
どちらも東京オリンピックの年に制式採用という点でも共通点があります。
最も、例のコロナウイルス騒動でオリンピックは現時点で来年に延期となっていますが…(だが、Tokyo2020という名称にすると決まっており、ややこしい)。

以下、各部のデザインについて
・銃床
SCARのものとよく似た調整式で折り畳み機構は無し。
短くできるので89式にあった折り曲げ機能は不要と判断されたのかもしれません。
折り曲げ式はがたつきが出ますし。
伸縮機能は近年、列国では当たり前になっており、体格のみならず防弾チョッキ等を着用した際の取り扱いに必要とされています。
また、SCARのものとよく似た可動式のチークピース付きで工学照準器の取り付けに対応。

床尾板がHK416のように中央の膨らんだタイプとなっていますが、試験でSCAR、HK416と比較された影響があるのかもしれません。
他の部分にもみられる特徴ですが、20式小銃はそれまでの国産小銃にあった「じっくり狙って撃つ」というのではなく、「素早く構えて撃つ」方向に舵を切っているように思われます。

・切替金(セレクター)
切替金は89式の後期に標準となったように左右にあるタイプとなりました。
89式に追加されたものと異なり、比較的出っ張りが少なくなり、匍匐前進の際や装備に引っかかりにくくなっているようです。
単発時の回転角約40度が半端と指摘されてますが、SCARも似たようなものですし…。
逆に連発時は90度よりさらに回転させるので誤操作しにくくなっていると推測します。

89式で何かとなる切替金の安全→連発→制限点射→単発の切り替え順ですが、
20式では一般的な安全→単発→連発の切り替え順序となりました。

あの独特の切り替え順序には諸説あり、ネット上で見た「急な接敵時に連射しながら移動して、身を隠せる状況になったら単発でじっくり狙う」というのが事実なら
個人的には面白いと思います。
一部で「設計ミス」とする意見も見たことがありますが、試作品がすべて一般的な配置で、採用直前にあの方式に改まっているのが判明しているので、
その可能性は低いと思います。

制限点射(3点バースト)はオミットされましたが、これも世界的な流れですね。
そもそも最初に提唱した米軍自体止めてますし。

続きは後日。
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