81mm迫撃砲L16は現在陸上自衛隊で採用されている迫撃砲である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/e9/2f4792d61d196d656c8005fb0eec07dc.jpg)
これは旧来の64式81mm迫撃砲に代わって採用されたもので、
1992年頃から調達が開始されたようである。
現在も調達は継続中。
L16はイギリスのロイヤル・オードナンス社が開発したもので、
本国イギリスをはじめ、カナダやオーストラリアなど多くの国で採用されている優秀な迫撃砲である。
米軍は改良型のL16A2(だったかな?)を基にマズルブラスト減少装置などの改良を加え、
M252として採用している。
自衛隊が調達しているのは日本で豊和工業がライセンス生産しているもの。
本砲最大の特徴は何と言っても徹底された軽量化である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/98/964a09ff0adf12dc93cb80a01d34f461.jpg)
旧来の64式迫撃砲の約52.0kgに対しL16は36.6kgと約16kgも軽くなっている。
これは脚部の一部など強度の不要なところだけでなく、
底板など強度が必要な個所にもアルミニウム鍛造の部品を採用するとともに、
砲身も極力薄くするなどして運用者の負担が軽くなるように設計されている。
砲身は砲口など要所要所が太くなっているのが画像から見て取れるだろうか?
なお、砲身の底部は放熱のためにフィンがついている。
砲身はライフリングの無い滑腔砲身
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/e3/05c36d785fff9e77e745fbf2303ea279.jpg)
底板部分のアップ。
底板は64式迫撃砲同様の円形で全周囲射撃が可能。
戦中の迫撃砲は角形の底板が主流で極端に射撃方向が異なる場合、
砲を丸ごと動かす必要があったが、
円形底板の場合、底板を固定したままで360度全方位の攻撃が可能となった
(陣地の構築の仕方にもよるが…)。
以前、底板を持たせてもらう機会があったが、
確かに軽く、片手でも持つことができた。
ただ、完全装備の上でそれを抱えて険しい山道を歩くとかなるとどうなるかは分からない。
64式迫撃砲は底板だけでもかなり重かったそうだ。
砲尾の赤く塗装された部分は撃針の取り付け部で画像は外した状態。
これは不発が起きた際に砲弾を取り出す際、
安全に取り出せるようにするための設計である。
不発の砲弾を取り出そうとして誤って再度砲弾が底部に落ちると再発火となり、
事故の恐れがある。
なお、画像の左奥の箱は照準具の収納箱。
照準具の納入メーカーは富士写真光機。
砲身と脚の取り付け部のアップ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/61/1fba1b314ca261dc32f3621cdec31adf.jpg)
脚は上下、左右だけでなく傾きの調節も可能
(64式もできるのかな?当然64式迫撃砲でも傾きは調節できます。まあ、当たり前なんですけどね)。
OD色のものが照準具でその下に垂れている布製のカップ状の物は
ビニロンテント地の砲口カバー。
紛失防止にここにくくりつけてるのだろう。
カバーの使用状態は2枚目の画像を参照。
脚の取り付け部の別角度。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/29/655d9029381ac6743d146f9e2ddf3cf9.jpg)
迫撃砲本体は砲身部、脚部、底板と3つに分けて運べるように簡単に外せるようになっている。
砲身と脚部の固定もレバーを操作するだけ恐ろしいほど簡単に外すことができる。
無論、射撃中に分解してしまうような事は無い。
砲身の横についている細長い筒は緩衝用のばねが入っており、
脚部との衝撃を和らげている。
これは迫撃砲の基本的な構造ではあるが、
64式迫撃砲ではかなり強いばねが入っていたのに対し、
L16では非常に弱いばねが入っている。
設計思想の違いであるが、
この砲を初めて受領した隊員の中には「何だこれ、壊れてる。」と声に出す隊員もいたとか。
照準操作をデモンストレーションする隊員。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/64/449b5bdbf06a1d651da7ebfff714cd75.jpg)
迫撃砲は間接照準を行うため画像奥の三脚に乗ったコリメータを使用する。
一応原理を聞いてみたけど頭の悪い私にはよく分からなかった…。
基本的に観測所などから連絡される角度を合わせるはず…。
使用する砲弾について教えてもらえなかったが、
通常の榴弾のほかに炸薬のない演習弾、発煙弾、照明弾などがあるはず。
本迫撃砲は軽量であることと同時に一般的な迫撃砲とは異なる特異な脚部形状、
アルミニウム合金の多用、薄い砲身などでゴツい64式迫撃砲を見慣れた人からは
「こんなオモチャみたいな砲で大丈夫か?」と不安を感じる事もあったようであるが、
大丈夫であることは今でも自衛隊だけでなく
世界各国が使っていることからも証明されているといえよう。
ただ、ある古参の方が
「64式(迫撃砲)の方が”武器”って感じがしたなぁ。」
と言っていたのが印象的でした。
個人的に一度現物を見てみたいものである。
最後に性能緒元を。
口径:81mm
砲身長:1280mm
重量:36.6kg
発射速度:15発/分(持続)
射程:100~5650m
2011年7月27日記事一部修正しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/e9/2f4792d61d196d656c8005fb0eec07dc.jpg)
これは旧来の64式81mm迫撃砲に代わって採用されたもので、
1992年頃から調達が開始されたようである。
現在も調達は継続中。
L16はイギリスのロイヤル・オードナンス社が開発したもので、
本国イギリスをはじめ、カナダやオーストラリアなど多くの国で採用されている優秀な迫撃砲である。
米軍は改良型のL16A2(だったかな?)を基にマズルブラスト減少装置などの改良を加え、
M252として採用している。
自衛隊が調達しているのは日本で豊和工業がライセンス生産しているもの。
本砲最大の特徴は何と言っても徹底された軽量化である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/98/964a09ff0adf12dc93cb80a01d34f461.jpg)
旧来の64式迫撃砲の約52.0kgに対しL16は36.6kgと約16kgも軽くなっている。
これは脚部の一部など強度の不要なところだけでなく、
底板など強度が必要な個所にもアルミニウム鍛造の部品を採用するとともに、
砲身も極力薄くするなどして運用者の負担が軽くなるように設計されている。
砲身は砲口など要所要所が太くなっているのが画像から見て取れるだろうか?
なお、砲身の底部は放熱のためにフィンがついている。
砲身はライフリングの無い滑腔砲身
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/e3/05c36d785fff9e77e745fbf2303ea279.jpg)
底板部分のアップ。
底板は64式迫撃砲同様の円形で全周囲射撃が可能。
戦中の迫撃砲は角形の底板が主流で極端に射撃方向が異なる場合、
砲を丸ごと動かす必要があったが、
円形底板の場合、底板を固定したままで360度全方位の攻撃が可能となった
(陣地の構築の仕方にもよるが…)。
以前、底板を持たせてもらう機会があったが、
確かに軽く、片手でも持つことができた。
ただ、完全装備の上でそれを抱えて険しい山道を歩くとかなるとどうなるかは分からない。
64式迫撃砲は底板だけでもかなり重かったそうだ。
砲尾の赤く塗装された部分は撃針の取り付け部で画像は外した状態。
これは不発が起きた際に砲弾を取り出す際、
安全に取り出せるようにするための設計である。
不発の砲弾を取り出そうとして誤って再度砲弾が底部に落ちると再発火となり、
事故の恐れがある。
なお、画像の左奥の箱は照準具の収納箱。
照準具の納入メーカーは富士写真光機。
砲身と脚の取り付け部のアップ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/61/1fba1b314ca261dc32f3621cdec31adf.jpg)
脚は上下、左右だけでなく傾きの調節も可能
(
OD色のものが照準具でその下に垂れている布製のカップ状の物は
ビニロンテント地の砲口カバー。
紛失防止にここにくくりつけてるのだろう。
カバーの使用状態は2枚目の画像を参照。
脚の取り付け部の別角度。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/29/655d9029381ac6743d146f9e2ddf3cf9.jpg)
迫撃砲本体は砲身部、脚部、底板と3つに分けて運べるように簡単に外せるようになっている。
砲身と脚部の固定もレバーを操作するだけ恐ろしいほど簡単に外すことができる。
無論、射撃中に分解してしまうような事は無い。
砲身の横についている細長い筒は緩衝用のばねが入っており、
脚部との衝撃を和らげている。
これは迫撃砲の基本的な構造ではあるが、
64式迫撃砲ではかなり強いばねが入っていたのに対し、
L16では非常に弱いばねが入っている。
設計思想の違いであるが、
この砲を初めて受領した隊員の中には「何だこれ、壊れてる。」と声に出す隊員もいたとか。
照準操作をデモンストレーションする隊員。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/64/449b5bdbf06a1d651da7ebfff714cd75.jpg)
迫撃砲は間接照準を行うため画像奥の三脚に乗ったコリメータを使用する。
一応原理を聞いてみたけど頭の悪い私にはよく分からなかった…。
基本的に観測所などから連絡される角度を合わせるはず…。
使用する砲弾について教えてもらえなかったが、
通常の榴弾のほかに炸薬のない演習弾、発煙弾、照明弾などがあるはず。
本迫撃砲は軽量であることと同時に一般的な迫撃砲とは異なる特異な脚部形状、
アルミニウム合金の多用、薄い砲身などでゴツい64式迫撃砲を見慣れた人からは
「こんなオモチャみたいな砲で大丈夫か?」と不安を感じる事もあったようであるが、
大丈夫であることは今でも自衛隊だけでなく
世界各国が使っていることからも証明されているといえよう。
ただ、ある古参の方が
「64式(迫撃砲)の方が”武器”って感じがしたなぁ。」
と言っていたのが印象的でした。
個人的に一度現物を見てみたいものである。
最後に性能緒元を。
口径:81mm
砲身長:1280mm
重量:36.6kg
発射速度:15発/分(持続)
射程:100~5650m
2011年7月27日記事一部修正しました。
自分は昔々大昔M1迫で教育を受けて中隊に配属後64迫の訓練を受けました が その後は小銃小隊の通信手ばかりしてたからすぐにすっかり忘れてしまいました(笑)
M1となるとかなりの古株ですね…私は64迫も未だに見たことありません。
重かったとは聞いてますが。