オー、捨てないと!

隠れオタクな会社員の買い物や感じた事

雑記

2010-09-19 21:39:45 | その他

何だかんだ言いながら先日のを加筆・修正してみました。
本当はここまで書く予定だったのですが、先日は時間が足りませんで・・・。

結局のところ、加筆部分だけで前回と同じような時間を使ってしまったというか、
前回ほどサクサク進まないという危険な状況に。

案の定、翌日見直してみたらかなり酷いですね。

とはいえ、全て作り直す気も起きませんし、
お蔵入りにさせるのは勿体無いというか、
出すと言ったので出しておきます。

本当はここまで書いて「続きがありそうだけどここで終わり」って予定でした。
実際、コレより先は考えてないんですけどね。

あ.
ちなみに「加筆修正」ではあるのですが、
結局予定していたシーンが一部削られたり、
書いているうちに余計なシーン(設定?)が追加されたりして一体どうしたものやら。
最大の問題は・・・自らここで書くのはよしましょう。

余談ですが、元ネタにしたゲームは昨日初めてクリアいたしました。
続きがやりたいですけど製作者様が開発中止しておられるようで残念な限りです。

ということで、加筆修正版です。






ある秋の夕方、陽が傾きかけた草原に一人の少女が寝転んでいた。
こう聞くと少女が昼寝でもしている姿を想像するかもしれない。
しかし彼女の体勢はうつぶせでどちらかというと「伏せている」と形容した方が正しいだろう。

「距離は100。」
少女の隣に同じく伏せた男が大型の双眼鏡を覗いたまま口にする。

「距離100。」
少女の金属質の声が復唱すると白い薄手の革手袋をした手で覗いている光学機器に取り付けられたノブを操作した。
光学機器は黒い一本の筒型形状をしており、その下には細長い鉄製の円筒。
円筒の下、後ろ半分くらいからは同じく細長い木でできた物体がついていて、
そのまま少女の手の部分を通り、肩まで続いていた。
少女が手にして・・・構えているのはその小柄な体格に不釣合いな一挺の――ライフルである。

「風は・・・ほぼゼロ。」
再び男が口にする。
どこか気だるそうな口調だ。
男はよれよれのアロハシャツとくたびれたチノパンを履き、
ぼさぼさの頭をしていた。
年齢は30代中ごろと言ったところだろうか。

「風、ゼロ。」
今度も少女が復唱する。
こちらは明るい黄緑色のジャケットにジーパンという出で立ちで、
暑いのか袖をまくった姿は少々ファッショナブルにさえ見えた。
頭に載せたボロいブーニーハットを除いては。

少女はスコープ越しの視界を睨みつけるが、この状態が10分も続いていれば流石に我慢の限界である。
先ほどのやりとりももう6回目だ。

暦の上では確かに秋であるとはいえ、今日のような風の無い日は少々暑い。
少女は額に浮いてきた汗を拭おうかと肩とストックを固定している左手をそろそろと緩めた。
そろそろ垂れてきて目に入りそうな勢いだ。
汗が目に入ろうものなら激痛でライフルを構えるどころか目を開けていることさえ困難になる。
流石にそれはマズイ。

だが、左手がストックから僅かに離れたのを男の目は見逃さなかった。
双眼鏡を覗きつつ、隙間からこの時を待っていたのだ。
男の口が微かに緩む。
が、次の瞬間には大きく息が吸い込まれ、早口で、そしてはっきりとまくし立てた。
「11時の方向、立ち木左約2メートル、色は赤!」

少女はハッとして左手を元に戻してストックと体を固定すると銃口を左に振って標的を探す。
スコープの中で景色が流れ、大きな木が視界に入る。
そこから再度左に流す。
あった。赤い色!
クロスヘアを標的に合わせるが早いか素早く引金を絞る。
直後、無煙火薬の燃焼と共に150グレインの弾丸が2820フィート/秒まで加速され、銃口からごくごく短時間の旅に出た。

静かな草原に響き渡る銃声。
反動で僅かに跳ね上がったバイポッドが再度着地する頃、
標的はスコープの視界から消えていた。

2、3度瞬きをしてから再度スコープ越しに観察する。
やった、命中だ!

少女は思わず起き上がると思わずぴょんぴょんと飛び跳ねた。
「ねえ、見た!当たったよ!」
撃った方向を指差しながら男を見やる。
「私にかかるとこんなもんよ!」

男はむくりと起き上がると胡坐をかいてふぅ、とため息をついた。
「私の勝ちだから今日の夕飯はハンバーグね!」
ため息を男が賭けに負けた悔しさからだと勘違いした少女はグッとこぶしを握る。

そんな少女に対して男はグッと双眼鏡を差し出す。
「よく見てみろ。」
双眼鏡を受け取ると確認する少女。
撃った所の少し後方には中身をぶちまけて大破したコーラの缶が内側の銀色の面を晒して倒れていた。
「ほら、やっぱりめいちゅ・・・」
「その少し前。よく見てみろ。」
言葉を遮って男がため息混じりに言いながら立ち上がる。
少女が視線を手前に移すと土が直線を描いて抉れていた。

言いたいことが理解できずに緑色の瞳を細めると視線を男に向ける。
「兆弾だよ。」
言いながら少女の頭からブーニーハットを取って自分が被る。
「兆弾。標的より少し前に当たった弾丸が跳ね上がって運良く缶に当たったんだ。」
残念だったな、と付け加え、高い位置で一つに結わえられた金髪の頭をポンポンと叩く。
ちょうど胸の前あたり。叩きやすい位置だ。

少女は口を開きかけるが、
「もうすぐ陽が暮れる。今日はここまでだ。」
と、男に再度遮られ、少し俯きながら分かりました、と小さな声で答えた。





第2章

朝、空が白んで陽が昇る前に男は目覚めた。
目覚ましが鳴る少し前だ。
もう体に叩き込まれている時間と言っていい。

音もなくベッドから出るとそっと洗面所に向かった。
昼間は夏の暑さを引きずっているがこの時間はかなり涼しく、
足元にはひんやりとした床の冷たさが伝わってくる。

そろそろ厚手の毛布を買って来ようか、と考えながら洗面所に入ると
思い出したように一歩戻って玄関を覗く。
鍵はしっかりとかかっていたが、そこにあるべきはずの靴のうち、少女のスニーカーが消えていた。
男は短く唸ると
「とりあえずメシでも作るか!」
洗面台に向かって小さくつぶやいた。


ガチャリ。
男は台所に立っていたがドアの鍵が開く音を聞き逃さなかった。
玄関でのガタガタという音の後に足音が近づいてくる。
「おはよう。」
男は少女が声を出す前に振り返って言った。
「おはようございます。」
日課のジョギングを終えた少女は顔にうっすらと汗を浮かべたまま答えた。
「もうすぐ朝食だぞ。」
男はそう言うと手元に視線を戻す。
はぁい、という声を残して少女はシャワールームへと消えた。

「きゃっ!」
先ほどの会話から少ししてシャワールームの方から短い悲鳴。
調子の悪い混合水栓のせいで冷水か熱湯を浴びてしまったに違いない。
思わずフライパンを持つ手を止めた男の口元が綻ぶ。
調子がいいときもあれば悪い時もあるせいで不意打ちを食らう事がある。
あれもそろそろ修理が必要か。
などと思っていると今度は背後からの物音に気付いた。
音の方を見るとテーブルの上で携帯電話が着信を示すために小刻みに震えていた。
直ぐに手に取って表示を見ると先ほどの笑みは一瞬で険しい表情になった。


朝食が出来上がる頃、少女がリビングに戻ってきた。
いつもまとめている髪は全て下ろし、白のTシャツに黒のスパッツというラフなスタイルである。
足は裸足だが、これは少女がこの部屋に来る前は実行不可能な姿だった。
男が一人で住んでいた頃は大して掃除をしていなかったため年季の入った板張りの床は年中埃っぽかったからだ。
ここに来た最初の日、少女がまる1日かけて掃除していたのを思い出して男は苦笑する。
「さあ、食べようか。」
苦笑いを浮かべたまま椅子に座ると表情が険しくなった少女の顔が目に入った。
テーブルの上にはフランスパンのトーストとジャム、
炒めたウインナーとスクランブルエッグ、サラダとコーヒーが並べられていた。
少女の視線はウインナーに注がれている。
「ああ、」
男は声を上げた。
「ミートの缶詰を切らせていたんだ。」
そう言うと肩をすくめる。
どうやらいつも使っている缶詰肉でない事が気に入らなかったようだ。
「後で買いに行きますか。」
一瞬悩んでから少女はパッと表情を元に戻して言った。
気持ちを切り替える事にしたらしい。
「・・・そうだな。」
僅かに俯いて答えると男はトーストを手にした。

ブルーベリーのジャムを塗りたくったばかりのトーストを食べようと口を大きく開けたところで手が止まる。
まだ食事に手をつけていない少女が目に入ったからだ。
そうだったな。
男はトーストを一旦降ろしてコーヒーの入ったマグカップを手に取る。
手を組んだまま目を閉じ、何ごとか祈っていた少女が顔を上げたのは男がカップの半分を飲み終えた後だった。



「今日は何か安いですか?」
朝食後、男がテレビの前で新聞を広げていると食器を片付け終えた少女が手を拭きながら歩いてきた。
新聞の内容よりもチラシが気になるようだ。
男は顔を上げてテレビに視線を向ける。
折しも朝のニュースはどうでもいい芸能情報が終わり、天気予報に変わったところだった。
「今日、買い物に行くのは無理かもしれない。」
その言葉に少女は小首を傾げる。
天気予報はこの地方一帯の天気が今日一日を通して良好であることを伝えていた。
男は視線をテレビの上の安物の置時計に向ける。
「これから仕事だ。1時間後に出発する。」
新聞を畳んで立ち上がると凍り付いている少女に視線を合わせる。
「1時間後に出発だ。」

<o:p>(1001-0001)</o:p>

コメント (2)
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雑記

2010-09-12 00:55:13 | その他
このタイトルにしておけば誰も気付くまい。

一応説明しておきますと、某所にて「何か書け」という無茶ブリが飛んできたのでやっちまった次第。
というか、種を蒔いたの自分だしね。

というかね、こういうのやったの10年振りですわ。
パソコン使ってやったのは初めてですわ。
むしろ勢いでそれなりに書けるとは思いませんでしたわ。
途中で夕食はともかく、みちびきさんの打ち上げまで重なって大変でしたわ。
お陰で作業を再開する頃には眠たくなってごらんの時間だから途中から見直しもしてませんわ。
もう、本当に酷い有様ですわ。
早く寝たいですわ。

とまあ、これで誰も読む気など無くなっただろう。
アップするならイマノウチ・・・。

というか昔の作風ってこんなだったっけ?
確認しようにも、ノートどこやったっけ・・・?

追記 実際のところ、先日からずっと考えていたのがまとまらなかったので簡単に書けそうなこちらにいたしました。
    コレ、2次創作扱いだよな・・・というかやっぱり絵があるとやりやすい。
    時間かかるからもうやりませんよ・・・?



ある秋の夕方、陽が傾きかけた草原に一人の少女が寝転んでいた。
こう聞くと少女が昼寝でもしている姿を想像するかもしれない。
しかし彼女の体勢はどちらかというと「伏せている」と形容した方が正しいだろう。

「距離は100。」
少女の隣に同じく伏せた男が小型の双眼鏡を覗いたまま口にする。

「距離100。」
少女の金属質の声が復唱すると白い薄手の革手袋をした手で覗いている光学機器に取り付けられたノブを操作した。
光学機器は黒い一本の筒型形状をしており、その下には細長い鉄製の円筒。
円筒の下、後ろ半分くらいからは同じく細長い木でできた物体がついていて、
そのまま少女の手の部分を通り、肩まで続いていた。
少女が手にして・・・構えているのは、そう。ライフルである。

「風は・・・ほぼゼロ。」
再び男が口にする。
どこか気だるそうな口調だ。
男はよれよれのアロハシャツとくたびれたチノパンを履き、
ぼさぼさの頭をしていた。
年齢は30代中ごろと言ったところだろうか。

「風、ゼロ。」
今度も少女が復唱する。
こちらは明るい黄緑色のジャケットにジーパンという出で立ちで、
暑いのか袖をまくった姿は少々ファッショナブルにさえ見えた。
頭に載せたボロいブーニーハットを除いては。

少女はスコープ越しの視界を睨みつけるが、この状態が10分も続いていれば流石に我慢の限界である。
先ほどのやりとりももう6回目だ。

暦の上では確かに秋であるとはいえ、今日のような風の無い日は少々暑い。
少女は額に浮いてきた汗を拭おうかと肩とストックを固定している左手をそろそろと緩めた。
そろそろ垂れてきて目に入りそうな勢いだ。
汗が目に入ろうものなら激痛でライフルを構えるどころか目を開けていることさえ困難になる。
流石にそれはマズイ。

だが、左手がストックから離れたのを男の目は見逃さなかった。
双眼鏡を覗きつつ、隙間からこの時を待っていたのだ。
男の口が微かに緩む。
が、次の瞬間には大きく息が吸い込まれ、早口で、そしてはっきりとまくし立てた。
「11時の方向、立ち木左約2メートル、色は赤!」

少女はハッとして左手を元に戻してストックと体を固定すると銃口を右に振って標的を探す。
スコープの中で景色が流れ、大きな木が視界に入る。
そこから素早く左に戻す。
あった。赤い色!
クロスヘアを標的に合わせるが早いか素早く引金を絞る。
直後、無煙火薬の燃焼と共に150グレインの弾丸が2820フィート/秒まで加速され、銃口からごくごく短時間の旅に出た。

静かな草原に響き渡る銃声。
反動で僅かに跳ね上がったバイポッドが再度着地する頃、
標的はスコープの視界から消えていた。

2、3度瞬きをしてから再度スコープ越しに観察する。
やった、命中だ!

少女は思わず起き上がると思わずぴょんぴょんと飛び跳ねた。
「ねえ、見た!当たったよ!」
撃った方向を指差しながら男を見やる。
「私にかかるとこんなもんよ!」

男はむくりと起き上がると胡坐をかいてふぅ、とため息をついた。
「これで今日の夕飯はハンバーグね!」
ため息が男が賭けに負けた悔しさからだと勘違いした少女はグッとこぶしを握る。

そんな少女に対して男は双眼鏡を差し出す。
「よく見てみろ。」
双眼鏡を受け取ると確認する少女。
撃った所の少し後方には中身をぶちまけて大破したコーラの缶が内側の銀色の面を晒して倒れていた。
「ほら、やっぱりめいちゅ・・・」
「その少し前。よく見てみろ。」
言葉を遮って男がため息混じりに言いながら立ち上がる。
少女が視線を手前に移すと土が直線を描いて抉れていた。

言いたいことが理解できずに緑色の瞳を細めると視線を男に向ける。
「兆弾だよ。」
言いながら少女の頭からブーニーハットを取って自分が被る。
「兆弾。標的より少し前に当たった弾丸が跳ね上がって運良く缶に当たったんだ。」
残念だったな、と付け加え、高い位置で一つに結わえられた金髪の頭をポンポンと叩く。
ちょうど胸の前あたり。叩きやすい位置だ。

少女は口を開きかけるが、
「もうすぐ陽が暮れる。今日はここまでだ。」
と、男に再度遮られ、少し俯きながら分かりました、と答えた。

<o:p></o:p>

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