テニスのテレビ放送が難しいのは？

　今、全豪テニスが行われ、日本人がかなり頑張っている。今回は、ＷＯＷＷＯＷとＮＨＫ総合テレビが放映権を獲得し、中継を行っている。

　しかし、テニスという競技は、他のスポーツ（例えば、サッカー、バスケットボールなど）と大きく違う特徴がある。それは、試合が1時間くらいから４時間を越えるような試合まで、試合によって大きく違っているということだろう。そのため、一日の最初の試合は時間通りに始まるが、それ以降の試合については、前の試合が終わってからということで、開始時間も大きく変動するということだろう。そのため、テレビ放送では、テニスと枠を取ってあっても、試合が始まらないということがしばしば起こる。また、開催されているところによって、時差があり、日本時間の深夜に試合が行われたりするため、更に問題は厄介だ。

　一昔前ならば、録画中継で、充分事足りていた。ところが、インターネット普及によって、世界中の情報が瞬時に得られるようになったため、試合の途中経過や試合結果を知ることができるようになりってしまった。なぜ、「なってしまった」と表現したか、それは、試合結果が分かってしまうと録画中継を見ても、興味が半減し、ドキドキ感が薄れてしまうということだ。だから、テニスファンとしては、できれば、生中継で見たいと思うのは自然な欲求だろう。ところがところが、世の中テニスファンばかりじゃないわけで、そういう人にとっては、テニスを放送されることで、いつも見ている番組が取りやめになることは避けて欲しいと思うだろう。

　今週１６日と１８日、朝９時ころから錦織圭の試合が放送された。これは、第一試合で開始時間にそれ程変動がなかったということ、錦織圭の試合に関心を持っている人が多く、視聴率を確保できるということが関係しているのだろう。ところが、１７日と１９日に同じ時間帯に大阪なおみの試合があったが、これは生放送は行われなかった。これは、大阪なおみがまだそれ程知られておらず、視聴率が確保できないということが影響しているのだろう。

　ところで、テニスの試合を放映権を獲得するためには、莫大な金を支払っていると思うが、錦織圭が早いうちに負けてしまうと、その後の試合は放送されずじまいになることもしばしばあると思う。結果的にＮＨＫ（受信料を支払っている国民も含まれる）は大損をする羽目になるし、テニスファンもテニス番組を見ることができなくなってしまうのだ。

　現在のところ、錦織圭の活躍があっての放送なのだから、仕方ないと言えばそれまでだが、ＮＨＫは総合テレビ、教育テレビの外に、サブチャンネルを持っている。そのサブチャンネルはほとんど使われず、例えば、高校野球などが長引いたときなどに、使用される程度で、ほとんど空いているチャンネルなのだ。このチャンネルを使って放送すれば、もっと多くのテニスの試合を放送できるし、テニスファン以外の人は、通常の番組をそのまま見ることができると思うのだが、検討してみていただきたいと思う。