車や大型家電や家具等を値の張るものを買うときに、値引きを求めて値段交渉するのは普通だが、私が物を買うとき、値段交渉をするようになったのは、私が小学校3年生頃からだった。母親が自転車に乗ることができずに、買い物に行けなかったという事情や、耳鼻科に一人で自電車に乗って通院していたついでに買い物をするようになってから、買い物をするときに、値段を下げてもらう交渉をスタートさせている。少しでも良いものが欲しいし、ポケットに入っている金は少ない。所持金のぎりぎりのところで買い物をするわけで、あとちょっと安くなったら変えるのにという思いから、1200円くらいの商品を、「これ、欲しいんだけど、1000円にならない?」と店員に持ち掛け、それが成功してから、買い物をするときには、値段交渉をして少し安くしてもらうというようになった。
なんでもかんでも値切るというわけではない。流石に本屋で値切ることはしなかったし、普通のスーパーマーケットで値切るということもしなかった。多くは、衣料品、シャツや洋服といったものが主体だった。ただ、こういう値段交渉を通じて、人との交渉の仕方を子供ながらに学習していたのだろう。また、値切るということは、他の店でいくらで売られているものかといった知識も必要になって来るので、自然と商品の値段にも関心を持つようにもなっていった。欲しいものがなくても、新聞チラシ広告に良く目を通したり、色々な店に入っては値段を見て歩くようになったり、大雑把ながらも物の値段を把握しようとするようになったのも、比較的早い時期からだったと思う。
大人になって少し高額の商品も買うようになると、値段交渉をして少し安くしてもらった。そのうち、いちいち面倒くさいと思うようになり、商品と値段を見て、これ幾らだったら買うけど、売ってくれる?と、一発勝負で話を付けるようになった。だから、もう少し粘って交渉すれば安くなるだろうが、私の買った値段が本当にぎりぎりの値段だったか、それは分からない。もしかしたら、もっと安い値段で買えたかもしれないと思うことはある。もっともっととしつこく、ネチネチと値段を下げていく人がいるけど、それは、私の美学に反するので、そういうことはしない。