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NPO法人「ドネーションシップわかちあい」事務局ブログです

イマジンイラク展に行ってきました

2010-10-13 09:20:48 | 会員日記
※ドネーションシップわかちあい
会員ページの日記より紹介します

◆イマジンイラク展に行ってきました

★先月、紹介されていた「イマジンイラク写真展」に行ってきました。 
★京都の出町柳にある、味のあるカフェ「かぜのね」の
フリースペースでイラクの写真展が開かれていて、
この日は写真を撮られた吉原茂さんと、
岡真理さん(京都大教授・現代アラブ文学)のお話会がありました。

30数年前のイラク、度重なる戦争や混乱の前の
「本当のイラク」の姿とはどんなものだったのか?
多くの人が知らない、当時の緑豊かなイラク、
そこに生きる生き生きとした人々を写した多くの写真を通して、
戦争が一体何を奪ってしまったのかを考える――そんな写真展です。
(吉原茂さんは当時、エンジニアとしてバスラのプラント建設事業のために
 イラクへ行かれ、3年間で1800枚の写真を撮影された。)

★30余年前のイラク~~~
イラク南部はチグリス河・ユーフラテス河があり、
古代メソポタミア文明が栄えた肥沃な地域。
四国と同じほどの面積の広大な湿地帯があり、
緑豊かな地域で棗椰子(ナツメヤシ)の森が広がっていた。
「イラク」の語源となった古代オロク文明においては、
この国は「黒の大地」と呼ばれていた。
チグリス・ユーフラテス河畔に棗椰子の森が生い茂り、
谷の上から見ると大地が真っ黒だったからだ。
生い茂る棗椰子が黒い木陰をつくるから真っ黒に見える。
水辺にはアシ原が広がり、人々はアシで住居をつくり、
魚を獲って豊かな水辺の暮らしを営んでいた。
イラクの食卓には魚料理が多い。
棗椰子農園の下では、オクラ・カボチャ・ジャスミンなどが栽培されている。
また都市部では女性は肌を隠すこともなく、
Tシャツにパンタロンといった服装も多く見られた。
先端医療もいち早く導入されていて、日本のそれよりも進んでいた。
~~~
多くの写真とともに、そんなかつてのイラクの様子が紹介された。

私はイラク戦争などで荒廃したTV映像でしか、イラクの様子を知りませんでした。
乾燥した大地、砂漠、緑のほとんどない山、、、そんなイメージでした。
吉原さんのイラクの写真は、沖縄のマングローブの森のようであり、
モンゴルの草原のようであり、琵琶湖の湖岸に広がるヨシはらのように感じた。
こんなに豊かな地域だったのかと驚きました。

★この写真が撮られた直後、1980年にイラン・イラク戦争が勃発し、
イラクは以後30年以上におよぶ戦争状態に突入する。
豊かな棗椰子の森は戦火に焼き払われ、大半を失ってしまった。
戦後の混乱と経済封鎖などのなかで広大な湿地も激減し、豊かな恵みも失われた。
そしてブッシュ親子による湾岸戦争・イラク戦争で、
人々の暮らしは粉々に砕け散った。

この写真に写っている人々は、今も生きのびているのかどうかは分からない。
手足を失った者もいるだろうし、劣化ウラン弾で白血病になった人もいるだろう。
――そんなお話に、戦争によって奪われ、失われたものの大きさを思い知りました。

この地に石油なんか出なかったらよかったのに、、。
石油なんかなくても、
ここの人たちは豊かに幸せに暮らしていたのにって、そう思います。

会場を後にして、自転車を走らせながら考えていました。
ところで、自分たちの周りではどうなのか?
米軍基地ができる前の沖縄ってどんな豊かな島だったのだろうか?
大和に併合される前の琉球の島々って、
どんな暮らしや文化が広がっていたのだろうか?
自然の中にカムイ(神)を見ていたアイヌの人たちの世界観・生き様って?
アメリカの先住民には、鍵や見張りは必要なかった。
「自分の物」という概念がなかったから?
そんな「豊かさ」など想像もできないし、
そんな想像を絶するほどのものを失ってきたのかと、愕然とします。
もしも失ってきたものの「元の姿」を目の当たりにしたなら、
今の世の中重苦しくて生きてられないかもしれない。
我よし・強いもの勝ちの流れの中で、
輝くような豊かな心や生きる場を失い続けてきて、
今も世の中はその流れの中にある。

私自身もそんな重たい日常の中にありながら生きている、ともいえる。
欲得よりも、互いに相手のことを思いやれたなら、遠い誰かのことを思えたなら。
「困ったときは、お互いさま。困ったときこそ、お互いさま」~~
そんなドネの目指すこころは、ひとつの「巨大な指針」であり、
その先への「希望」なのだと、あらためて強く感じました。

★岡真理さんの言葉~~ 
戦争が人間から何を奪い、彼らの大切な何を破壊したのかを
私たちが具体的に想像することもできないならば、
そこで唱えられる「戦争反対」も「平和の大切さ」も、
単なる抽象的なお題目に過ぎないだろう。 
イマジンイラク展、それは、もはや取り返しのつかない失われた過去、
平和だった時代に対する素朴な郷愁ではない。
私たちがともに想像/創造すべき「未来の記憶」の姿にほかならない。~~

★吉原茂さんのHP (イラクの写真たちも紹介されています)
 http://heumonat.plala.jp/

******************
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