ねぇ、クマル。
4年前の3月28日。
わたしたちがキミを見つけた時、キミはまだ母犬のオナカの中にいて、その数時間後に産まれたの。
ねぇ、クマル。
最初にキミの姿を(写真で)みた時、正直「・・・・・ぶさ。」と思ったの。
ねぇ、クマル。
キミがひとり、トラックで6時間かけて大阪入りした朝、わたしたちは殆ど眠れなくて、真っ赤な目のまま迎えにいったの。
ねぇ、クマル。
小さな黄色いバスケットの中から出てきたキミは、大型犬らしくなく、頼りなくて小さな小さな仔犬だったの。
ねぇ、クマル。
毎日の部屋荒らし、うまくいかないしつけ、壮絶な本気噛みで出来た数えきれない傷&青タン・・・・・わたしたちは「クマルなんかいなくなればいい」とさえ思ったの。
ねぇ、クマル。
それでも体が丈夫でなかったキミは、月に2~4回の病院通い、アカラスの発病。心配で心配で、周りの犬飼いさんらの情報やネットで調べる日々。
でもそんな中、常にテンション高めでどんな時でも衰えを知らない食欲、一日一日と成長がわかって喜んだの。
ねぇ、クマル。
無事1歳を迎え、あんなに悩んだ噛みグセもなくなり、どんな人、犬(← 一部を除く)とも愛想良く遊べる犬になり、喜んだのも束の間、突然始まった犬嫌い。
「あんなに通い詰めたドッグランの日々はなんやったん?」 と、仔犬時の社会化説に疑いをもったの。
ねぇ、クマル。
我が家にゾーイが来た日。
吠えまくり攻撃しそうなほど激しく動揺するキミに、わたしたちに多頭飼いは無理だったのかと思ったのも数日。 だんだん馴れてくるキミたちへ、良い姉妹犬にと願ったの。
ねぇ、クマル。
キミがゾーイと遊ぶ姿、怒られるゾーイを庇う姿、もう普通に見なれた毎日だけど、極道なキミでも「いい姐姉犬になれるもんなんやな」って、わたしたちはよく話すの。
ねぇ、クマル。
今では頻繁に会うようになった、年齢も環境も、これといって共通点もなく、きっと知り合うこともなかった友達。
それはキミが繋いでくれたの。
ねぇ、クマル。
キミは4歳になったの。
人間の年齢にすると、キミは33歳なんだって。
来年5歳になる頃には、わたしたちの歳を抜いてしまうんだって。
急いでオトナになってくのね。
毎日寝てばっかなのにね。
あんなに願ったキミの成長。
なのに。
わたしたちを追い越すなんて、ちょっとナマイキなんじゃない?
だからもっとゆっくり歳とれば?って、願わずにいられない。
わたしたちとずっと一緒にいたいって、きっとキミも思ってるよね?
でもこの日がなかったら、キミと会えなかった。 だから、毎年祝ってあげる。 お兄ちゃんのモトも一緒にね。
ねぇ、クマル。
こんなに可愛かったクマルにぽちっとな。