トラが3びき。+ぶち。

トラ年の人間2ひきとトラから名前をつけた犬(ワイマラナー)1ぴき+ぶち(イングリッシュポインター)1ぴきのおはなし。

「犬の十戒」

2007年12月18日 | 用務員便り
用務員です。今日は「犬の十戒」のお話をします。長くなっちゃいますが、、、

「犬の十戒」というのは、いまではすっかり有名になってもうすぐそれを元にした映画も公開されようとしている、ネットで広がった作者不詳の詩のようなもの。もともとは英語圏で広まったもので同じくネットで広がった「もしも世界が100人の村だったら」と同じように、広がるにつれて、少しずつ微妙に内容が変わっていったりしているし、それをまた日本語に訳すとなるとまたまた微妙に変わっていったりしているようです。もうどれが本当に最初の形だったのか分からなくなっていると思いますが、少しずつ形を変えているにせよ、私たち犬飼いにとって大切なメッセージは変わらず含まれていると思います。犬だけでなく、動物を飼うにあたって共通するものもいくつかはあるのかもしれませんね。

クマルのトレーナーのみなみさんのブログでも少し前に取り上げられていたけど、You Tubeに画像と小田和正の音楽つきで公開されていて、これを見るとなぜか涙ぐんでしまうどいなと用務員なのです。

私がいつもジンときたり心に留めておかねばと思うフレーズを取り上げます。

「あなたには仕事や楽しみや友達もいるでしょう。でも私にはあなたしかいないのです」

これにはとてもキューンとしちゃいますね。本当にその通り。私たちは「人間」で家の外の世界があり、もちろんクマルのエサ代やら何やらを稼ぐためには仕事もしなければいけません。映画も見に行けば、友達とご飯を食べに行くこともある。でも、クマルにはどいなと私しかいない。それを思うと甘やかすのはいけないけど、やっぱりできる限りは一緒にいてやりたいなと思うのです。

「私を叩く前に思い出してください。私にはあなたの手の骨を砕く牙があるけれど、あなたを噛まないことに決めているということを」

これも本当にその通り。一度、クマルが私の手を枝と間違えて思いっきり噛んだことがあります。もちろん、本当は間違っても手を噛まないようにしつけなければいけないんですが、クマルはまだそこまでは至ってません。枝を噛もうと必死になっていたときに私の手を噛んでしまったのです。そのときの私は痛すぎて声も出ず、クマルを叱ることもできず、吐きそうにまでなり座り込んでしまいました。それほどの痛みだったのです。幸い手袋をしていて、皮膚が裂けることはありませんでしたが、もし手袋をしていなかったら、縫うほどのケガになっていたかもしれません。そのとき、初めて体験として分かったのです。まだ甘噛みの直らないクマルですが、普段私たちの手を噛むとき、いかに手加減をしているかということを。もちろん、甘噛みでも人間の手を噛むことは許されないし、大型犬なので甘噛みでも痛いです。それでもクマルなりにきちんと力をコントロールしているのだということを実感しました。クマルは子供なりに私たちを噛まないことに決めているんですね。そんなクマルを私たちが叩くことはやっぱり許されないことでしょう。(と言いつつ…批難覚悟で正直に言いますが怒って叩いてしまうことがたまにあります。しかしさすが小ぶりとはいえ大型犬、私たちの力くらいでバシッとやっても“へぇ~いぜん”とした顔でどこ吹く風。しつけの意味で叩くという方法を取る派の方々に言わせれば、そんな「叩く」はそれこそ意味がないのでしょうね。。。これじゃどっち派にも批難されるじゃん)

「言うことを聞かないときは理由があります」

これは肝に銘じておかないとと思っているフレーズです。クマルはなかなか言うことを聞きません。でも、ふとこのフレーズを思い出し、原因を探るようにしています。「あー、鳥が気になってるからかな」「洗濯物がはためいて怖いからかな」「ランに行く日だと思ったのにお留守番だったからかな」っていうふうに。人間にいぬのきっもち~なぁんて多分本当は分からないんじゃないかなーと思っている私ですが、そうやって理由を考えることで(それが合っているかどうかよりも)しつけのときに気持ちに余裕ができて、クマルをやみくもに叱ったりハラが立ったりしなくて済むような気がします。

「最期の時にはそばにいてください。“つらくて見ていられない”とか、“私のいないところでやってくれ”なんて言わないで。そばにいてくれれば、すべてが安らかになります。覚えていて、あなたを愛していることを」

もうこのフレーズは涙なしには読めません。クマルはまだまだ子供だけど、最期のときのことを想像するとそれだけで、泣けてしまいます。
ただひとつ強く願うことがあります。絶対に“つらくて見ていられない”とか、“私のいないところでやってくれ”なんて言わないから、お願いだから、私たちの腕に抱かれて旅立ってね。これがクマルに対する一番強い究極の要望かもしれません。「クマルへの十戒」を作ってこの項目を入れよう。

※写真はうちに来て15日目。まだ2ヶ月に満たないころのクマルです。コッペパンみたいでしょ?