先週に仮調整した144MHz同軸コリニアの共振周波数の再調整を行った。
同軸コリニアを製作したけど「周波数がバンドの外へ出た」または「バンドの端」等思い通りにいかない。
この時、「同軸コリニア製作マニュアル」には上側位相整合部の延長短縮で対応して下さいと書いてあるが・・
試してみよう。
先週調整した9段同軸コリニアの特性図は下記の通りだ。どうにか144MHz帯はSWR2以下にはなっているがもう少し共振周波数を下げたい。
実験1
上部位相整合部を5mmほど伸ばしてみた。VNAで計測しても共振周波数に変化が無い!
(スタブが正しく調整出来ていると位相整合部短縮・延長で共振周波数が変わるだけだ)
マニュアルと違うじゃないか!!との声が聞こえる。
どうも周波数を動かす為の長さがあるようだ。
実験2
周波数が動かないなら位相整合部を一気に100mm伸ばしてみる。計測すると・・
共振周波数が144.1MHzに一気に動いた。これでは行き過ぎなので今度はカットだ。これが難しい。
切り過ぎると元に戻るし、切らないと共振周波数が低いままだ。
実験3
考えて30mmほどカットした。一気に144.9MHz付近に戻ってきた。ちと切り過ぎたか?
RLは-20dB程度だったのでスタブを少しカット。144.92MHzで-22dBとなる。
共振が見えてくるとより強く共振させると周波数は上に動いていく。これが調整終了が近づいたサインだ。
結果は下図の通りとなった。
見てきた通り、位相整合部で簡単に調整できることもあれば、ここのように一旦大幅な短縮・延長が必要な時もあるのを知って欲しい。
今回は周波数が0.24MHzダウンし下側の帯域が延びたのでこれで良しとした。