Invalid Life

「演歌・オブ・ザ・デッド」公式ブログ
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用心棒

2004年12月24日 07時24分57秒 | 映画・DVD・テレビ番組
用心棒
1961年 東宝
監督:黒澤明
出演:三船敏郎、東野英治郎、仲代達矢 他

何年振りやろ、この映画見たんは。時代劇つーかチャンバラ好きな私はテレビでこの映画をやる度に見ていたんですよ。改めて見ると細かいところは結構忘れていて、新鮮な気持ちで見ることが出来ました。

面白かった。そんなにアクションがあるわけとちゃうのに凄いダイナミックを感じるんですよ。全体がうねっているような。一気に見せてくれるんですよね。物語も構成も単純なんやけど、それも一気に見せてくれるのに一役買っていると思います。

表面上は勢いで攻めているという印象を与えておいて、セットとか細かいところも手を抜いていないのが、見る側の勢いを止めないようにする為なんやなぁと思うと、黒澤明監督っていうのはいつも観客の存在を感じながら映画を作っていたのかなぁと思いました。

モノクロなんですがモノクロならどう見えるかも計算されているような気がして、そういう部分が偉大な監督という評価を得ている理由の一つかなと思いました。画面もウェットなのに乾いた雰囲気を醸し出しているのもすげ~ってなもんです。

私は余り黒澤監督は好きではなかったんですが、ちょっとこれから見方が変わりそうです。

三船敏郎氏もかっちょええ~。これぞThis is 侍ですよ。飯は喰わねど高楊枝ですよ。でもね、記憶よりもチャンバラアクションがダサいというか、もっさりしてたんですよね。もっとスムーズに刀とかさばいていたと思ったんやけど。それだけがちょっち残念でした(いや、かなり残念かも)。チャンバラアクションに期待して見るとがっかりすると思います。

時代背景にもよると思いますが、こじんまりとまとまっていないのが一番素晴らしいのかもしれません。最近の映画ってなんか小奇麗に纏まり過ぎというか、小さく纏まっているような気がしますね。リメイクとか流行っているので、誰かこの映画の豪快さをリメイクしてくれへんかなぁ。

そうそう、全ての登場人物が映画の画面の中の世界で実際に生きてるんやなぁという感じさせてくれるというのが、この映画に引き込まれてしまう原因かもしれません。

75点