木全賢のデザイン相談室

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書評「美しくみせるデザインの原則」(イーラム著)

2011年08月23日 | デザイン系書評100連発
<「美しくみせるデザインの原則」(キンバリー・イーラム著)>


◆書評「美しくみせるデザインの原則」(キンバリー・イーラム著)
1013:【書評100連発】第13発


 こんにちは!
 デザインコンサルタントの木全(キマタ)です。一般の方に向けて工業デザインのエッセンスについて書いたり、デザイナーとの付合い方などについて書いています。御相談がありましたら、コメントをくださいね。コメントによるご質問には基本的に無料でお答えいたします。

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 夏休みですので、見て楽しいデザイン書をご紹介しようと思います。

 拙ブログでは、黄金比にかかわるページへのアクセスが多く、多くの方が黄金比に興味を持たれているのだなあといつも思っています。(黄金比の記事は6年前のものなので、そろそろ記事内容を更新しないとなあとも考えていますが。。。)

 というわけで、今回は黄金比を思いっきり擁護しているデザイン書をご紹介します。



美しくみせるデザインの原則

 「Balance in Design 美しくみせるデザインの原則」の著者キンバリー・イーラムはデザイン学教授です。

 イーラム教授は、黄金比・白銀長方形といった幾何学的構図の原理を知ることで、視覚的な美的価値を向上させることができると考えています。

 彼は、各時代の傑作といえる作品を取り上げて、それらの構図がすべて黄金比・白銀長方形などで解析できることを、デザイナーらしく図版を多用して説明しています。

 取り上げている作品は、

  紀元前のギリシャ彫刻
  パリのノートルダム寺院
  バウハウスのポスター
  ブラウン社のコーヒーメイカー
  フォルクスワーゲンのニュービートル
  
  など 30作品。

 解析対象の作品は、明らかに黄金比・白銀長方形を説明しやすいものが選ばれているのですが、中には強引な解釈も見受けられ、デザイナーが見ても「これは、本当に黄金比が適用されているのかな?」と首をひねりたくものもあります。

 それでもなお、著者の黄金比・白銀長方形に対する信頼感と真摯な態度を読み取ることができて、デザイナーとしては納得してしまいました。



 製品の色・形のデザインを考えるときに、基本的に2つの立場があります。

 ひとつは使う側の客観的な視点。もうひとつは作る側の主観的な視点。

 今までのデザイナーの経験から、この二つはどこまで行っても交わることはないだろうと思っています。

 そして、どちらも間違っていないのだろうと思います。

 ものづくりメーカーは、イーラム教授のような視点でものづくりに取組んでもいいのではないかとも思います。




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