<「自ら育つ力」渡辺康幸著>
◆書評「自ら育つ力」渡辺康幸著
【書評】
こんにちは!
「工業デザイン相談室」の木全(キマタ)です。一般の方に向けて工業デザインのエッセンスについて書いたり、デザイナーとの付合い方などについて書いています。御相談がありましたら、コメントをくださいね。コメントによるご質問には基本的に無料でお答えいたします。
木全の自己紹介
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新書「デザインにひそむ<美しさ>の法則」(第3版)好評発売中
「売れる商品デザインの法則」(第2版)好評発売中
【御礼】アマゾンで1・2フィニッシュ更新中!114日目
記事の目次
デザイン相談室の目次 デザインの考え方と運用について
デザインのコツ・ツボの目次 商品企画とデザインワークについて
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■書評「自ら育つ力」渡辺康幸著
拙書「売れる商品デザインの法則」を出版する際にお世話になった日本能率協会マネージメントセンターの編集ご担当者の桑田篤さんから、新たに担当された書籍を贈っていただきました。
それが、「自ら育つ力-早稲田駅伝チーム復活への道」渡辺康幸著です。
2004年に30歳の若さで伝統ある早稲田大学競走部駅伝監督に就任し、就任4年目の今年2008年正月の箱根駅伝で12年ぶりに往路優勝・総合2位に導いた著者が書いた自己成長とチームワークの記録です。
まず、自己成長には次の5つの要素が必要だと説いています。
「目標設定」
「自己管理」
「お手本(メンター)」
「ライバル」
「陽のオーラ」
自己成長には「目標設定」と「自己管理」が絶対条件であり、「お手本(メンター)」「ライバル」「陽のオーラ」がスパイスだと書いています。
また、往復10名がタスキを繋いで走る箱根駅伝ではチームワークが大切であり、チームワークの醸成には「役割分担」「良い雰囲気」が必要になると説いています。
選手・キャプテン・マネージャー・コーチ・監督それぞれが担わなければならない「役割分担」をしっかりこなしていけば、正論が通り目標を共有できる「良い雰囲気」ができあがり、それがチームワークの基礎になる。そこにお互いを切磋琢磨できるような、実力のある先輩やキャプテン、ハングリー精神のある叩き上げ選手などの個性がチームワークの底上げを図り、目標に到達できる集団になる。
上記の内容は、駅伝と言うスポーツに限らず、企業活動やさまざまな集団の運営において役に立つと思います。
しかし、それよりも何よりも、この本にあふれているのは、著者である渡辺監督の後輩の選手達に対する熱く温かいまなざしです。
本書の最終章に渡辺監督自身の過去が綴られています。栄光に満ちた高校大学時代7年間の様々な成功体験と、卒業後23歳のときに自己管理のミスでアキレス腱を痛めた後、29歳で引退するまでの挫折と苦悩の7年間。その14年間の選手生活の中で培われた自由で温かい人間性がこの本の真骨頂です。
2003年の箱根駅伝で16位というどん底状態にあった早稲田競走部の監督をあえて引き受けたのも、学生達からの無言の「見捨てないで欲しい」という思いに答えたものであり、この本の出版時期自体も、多分、学生達を考慮した結果だと思います。
来年の箱根駅伝まであと一ヶ月しかない2008年12月現在の早稲田競走部の状況は次のとおりです。
2008年 往路優勝 総合2位
2009年 竹澤など主力4年生が抜け、総合優勝できるという保障はない
箱根駅伝総合優勝を目標に監督を引き受けた著者が、この時期に本書を出版するのは勇気がいったと思います。本来であれば、総合優勝を果たしてから、余裕を持って出版するべきでしょう。
この状況で今、出版した意味は1つしかありません。多分、渡辺監督は1ヵ月後の2009年箱根駅伝で走る選手達に読んでほしくて本書を書いたのです。
ビジネス書と言うよりは、後輩選手への熱い思いを感じることで温かい気持ちになれる良書です。そういう意味では、デザインやビジネスの基本も「熱く温かい思い」ですよね。
ご一読をお勧めします。
追伸 渡辺監督は、まだまだ35歳。これからの活躍が益々期待できますね。
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拙書「売れる商品デザインの法則」を出版する際にお世話になった日本能率協会マネージメントセンターの編集ご担当者の桑田篤さんから、新たに担当された書籍を贈っていただきました。
それが、「自ら育つ力-早稲田駅伝チーム復活への道」渡辺康幸著です。
2004年に30歳の若さで伝統ある早稲田大学競走部駅伝監督に就任し、就任4年目の今年2008年正月の箱根駅伝で12年ぶりに往路優勝・総合2位に導いた著者が書いた自己成長とチームワークの記録です。
まず、自己成長には次の5つの要素が必要だと説いています。
「目標設定」
「自己管理」
「お手本(メンター)」
「ライバル」
「陽のオーラ」
自己成長には「目標設定」と「自己管理」が絶対条件であり、「お手本(メンター)」「ライバル」「陽のオーラ」がスパイスだと書いています。
また、往復10名がタスキを繋いで走る箱根駅伝ではチームワークが大切であり、チームワークの醸成には「役割分担」「良い雰囲気」が必要になると説いています。
選手・キャプテン・マネージャー・コーチ・監督それぞれが担わなければならない「役割分担」をしっかりこなしていけば、正論が通り目標を共有できる「良い雰囲気」ができあがり、それがチームワークの基礎になる。そこにお互いを切磋琢磨できるような、実力のある先輩やキャプテン、ハングリー精神のある叩き上げ選手などの個性がチームワークの底上げを図り、目標に到達できる集団になる。
上記の内容は、駅伝と言うスポーツに限らず、企業活動やさまざまな集団の運営において役に立つと思います。
しかし、それよりも何よりも、この本にあふれているのは、著者である渡辺監督の後輩の選手達に対する熱く温かいまなざしです。
本書の最終章に渡辺監督自身の過去が綴られています。栄光に満ちた高校大学時代7年間の様々な成功体験と、卒業後23歳のときに自己管理のミスでアキレス腱を痛めた後、29歳で引退するまでの挫折と苦悩の7年間。その14年間の選手生活の中で培われた自由で温かい人間性がこの本の真骨頂です。
2003年の箱根駅伝で16位というどん底状態にあった早稲田競走部の監督をあえて引き受けたのも、学生達からの無言の「見捨てないで欲しい」という思いに答えたものであり、この本の出版時期自体も、多分、学生達を考慮した結果だと思います。
来年の箱根駅伝まであと一ヶ月しかない2008年12月現在の早稲田競走部の状況は次のとおりです。
2008年 往路優勝 総合2位
2009年 竹澤など主力4年生が抜け、総合優勝できるという保障はない
箱根駅伝総合優勝を目標に監督を引き受けた著者が、この時期に本書を出版するのは勇気がいったと思います。本来であれば、総合優勝を果たしてから、余裕を持って出版するべきでしょう。
この状況で今、出版した意味は1つしかありません。多分、渡辺監督は1ヵ月後の2009年箱根駅伝で走る選手達に読んでほしくて本書を書いたのです。
ビジネス書と言うよりは、後輩選手への熱い思いを感じることで温かい気持ちになれる良書です。そういう意味では、デザインやビジネスの基本も「熱く温かい思い」ですよね。
ご一読をお勧めします。
追伸 渡辺監督は、まだまだ35歳。これからの活躍が益々期待できますね。
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