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静岡ラーメン放浪記2

ラーメン大好きな管理人が、自ら食べ歩いた静岡のラーメン店を巡る紀行文と居酒屋放浪記です。
土曜と日曜はお休みです。

学校に入り込むニセ科学

2020年04月24日 07時09分59秒 | 最近読んだ本
学校に入り込むニセ科学

 左巻健男 著



 一見科学的な装いをしながら、実際には科学的な根拠はなく
教員や生徒の「善意」を利用して勢力を広げるニセ科学。
そのオカルトまがいの言説はいま
学校教育の土台を揺るがすところまで来ている。



 図書館の親書コーナーでふと手にした本書ですが、ページをめくって驚きました。
実は私もだまされていました。
それが本書に書いてあってびっくりです。
これには参りましたね。

 それが何かと言いますと、テレビのコマーシャルでもよくつかわれていた、「江戸しぐさ」です。
これはいいもんだと感心してよく調べもせずに、ブログにまで乗せてしまいました。

http://denkigama.tblog.jp/?eid=179185

 しかし実は江戸時代のものではなく、現代人の創作だったというわけです。
ほんの少しおかしいなあとは思っていましたが、これにはすっかり騙されました。
皆さんもお気を付けください。

 本書にはそれ以外にも眉唾物のニセ科学が紹介されています。
もっとも有名なのが「水からの伝言」という話です。
水にいい言葉を掛けて凍らせるときれいな結晶になり、悪い言葉を掛けると崩れるという、まったくばからしいものですが、これを信じている方もいたそうですから困ったものです。
まあ私も一つ騙されましたから偉そうなことは言えませんが。

 しかし笑い話で済まされているうちはいいですが、これが教育現場で使われたのではたまったものではありません。
子供にこんな話を教える先生がいたとしたら恐ろしいものです。
この本の中にはもう一つ同感する話がありました。
それが小学校の算数の計算です。

 「1冊5円のノートを6冊買ったらいくらになるでしょうか」
という問題の正解は計算式が
5×6=30(円)です。
これを逆に書いて、6×5=30とするとバツだという。

 同じようなことが子供の小学校のテストにあって驚いたことがありました。
こんな頭の悪い先生がいるのかと、半ば呆れた記憶があります。
子供には先生が間違っているからこれでかまわないとしっかり教えました。
立場が変わって、今ではその先生の卵を教えていますが、これについてはいつも注意しています。

 幸いに今ではこういうことはありませんが、昔はこういう不思議な教育がまかり通っていた時代もあったわけです。
人間ですからたまにはこういう神秘的なものに興味を引かれても仕方がありませんが、科学の眼だけは曇らせてはいけません。
将来を背負う子供たちのためにも気をつけたいものです。






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変化獅子

2019年10月16日 07時23分43秒 | 最近読んだ本
変化獅子
 横溝正史 著



 時代小説コレクションの趣旨
 横溝正史の推理小説は、そのほとんどが文庫に収録されて、広く流布している。
その一方で、時代小説に目を転じると、作品のクオリティは高いにもかかわらず、単行本化すらされていないものが数多くある。

 このコレクションは、巨匠・横溝正史の膨大な作品群の中から、文庫化されなかった、あるいは単行本化されてから数十年も再刊されていないまぼろしの時代小説を選りすぐり、全6巻に収録するものである。



 いつもの図書館でたまたま見つけたシリーズです。
「横溝正史」さんは学生時代からの大ファンで、当時一大ブームになった金田一耕助シリーズは、新しく文庫本が出るたびに買って読んでいました。
50冊以上のシリーズですが、たぶんすべて読んでいるはずです。

 しかし時代小説の中にはまだ読んだことのある小説がかなりあるということです。
横溝さんの代表作と言えば「人形佐七捕物帳シリーズ」ですが、それ以外の主人公でもかなりの作品がありました。
これは面白そうだと、さっそく借りてきて読み始めます。

 なかなか読み応えのある作品ばかりで、読み始めたら止まりません。
厚い単行本ですから、手に持ってもずっしり重いです。
二か月ほどかかりましたが、何とか6冊すべてを読み終わることができました。
似たような展開の物語が多くなるのはご愛敬ですが、実に面白かったです。

 読書の秋もようやく始まった感がありますから、お好きな方はぜひ読んでみてください。
やはり時代小説が一番ですね。



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鬼平犯科帳

2019年07月10日 07時08分53秒 | 最近読んだ本
鬼平犯科帳

 池波正太郎 著

 お馴染み、池波先生の名著です。
このシリーズは5年ほど前までに全巻読んでいますが、ふと図書館で目につきました。
歳を取ると物忘れがひどくなると申しますが、それが良いこともあります。
二回目の小説も全く新鮮に読めるわけです。



 そこで第1巻から読み始めました。
さすがは鬼平で、なかなか面白くて止まりません。
現在は第3巻ですが、面白いことに気が付きました。



 文庫本には二種類あって、古いものと新しいものとで活字の大きさが違います。
当然新しいほうが少し大きくて読みやすいです。
並べてみると分かりやすいと思います。





 24巻までありますから、当分の間は楽しめそうです。
ただ、何巻か間が飛んでいて、それが見つからないというのが難点です。
予約するにも調べておかないといけないので苦労します。

 そろそろお仕事も暇になるので、読書がはかどりそうです。
池波さんの小説は食べ物の描写が多くあって、いずれも美味しそうなのが憎いですね。
鬼平も食べた名物料理が気になりました。
皆さんもいかがでしょうか。


 
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地底旅行

2019年04月26日 07時12分29秒 | 最近読んだ本
地底旅行

ジュール・ヴェルヌ 著



 ある日図書館で見かけた文庫本です。
懐かしいタイトルにふとひかれてそのまま借り出しました。
これがけっこう面白かったです。



 16世紀の錬金術師の謎の文字を苦心の末解読してみると、
そこにはアイスランドの火山の噴火口から地球の中心に達することができると書かれていた。
これが13週間におよぶ地球内部への旅の始まりになった。

 そういえばたぶん中学生ぐらいのころだと思いますが、ワクワクしながら読んだような記憶があります。
懐かしくなって読み始めました。
するとこれがまた面白いんですね。
分厚い文庫本ですが、あっという間に読み切ってしまいました。



 まずは著者の、ジュール・ヴェルヌです。
1828-1905と書かれていますから、1世紀以上前の方です。
本書が書かれたのが1864年ですから、今から150年ほど昔になります。
そういわれると古い感じもしますが、ごく普通に読めますね。

 さて、お話ですが、タイトル通りで、地底旅行をするという物語です。
とは言え昔の科学小説ですから無謀なところも数多くあります。
地底への入り口がアイスランドの火山の噴火口ですが、その入り方がすごい。

 大きく空いた火口にロープでどんどん降りていくんですが、それはいいです。
しかし帰る時にどうするのか?
どう見ても地底への片道切符です。
上がるのと下がるのとでは雲泥の差ですから、素人目にも心配になります。

 現代の科学では地球の構造は解明されていますから、潜るほど熱くなってくることがわかります。
しかし本書ではいくら潜っても温度は上がらないので、大丈夫でした。
そして地下に巨大な空洞があり、広い海まで広がっているというファンタジーですが、明かりはどこから来るのかわかりません。



 さらには太古の巨大生物まで登場しますから、人気になったのも間違いないでしょう。
最後は火山の噴火によって無事地上まで帰ってきました。
めでたしめでたしの一幕です。
古さを感じさせない傑作探検小説でした。

 連休中に読書はいかがですか。


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ゲームの理論トレーニング

2018年11月21日 07時30分22秒 | 最近読んだ本
ゲーム理論トレーニング

 逢沢 明  著



 いつもの市立図書館で借りてきた一冊です。
ゲームの理論についてわかりやすく解説されていて読みやすい本です。
本誌の裏表紙にはこう書いてあります。



本書を読んで
あなたの頭が勝負頭脳に切り換われば、
自然と戦略思考が身につきます。
そして、相手がいるゲームで勝つことができます。
勝つことができるのですから、
相手に負けることはなくなります。

 負けず嫌いな私としては何とかマスターしたいと思って、じっくりと読みました。
その結果はともかく、1か所だけですが、数学的に間違っている部分があったので、指摘しておきます。
それは本書101ページにある、「問3-5 ギャンブルの方針」です。
そこにはこう書かれてありました。



 みなさん、どこが間違いかわかりますでしょうか?
直観的におかしいぞと思われた方は、数学のセンスがあります。
ギャンブルの確率は、賭け方では変わりません。

 正解は、「このかけ方で正しい」です。
その理由を説明します。

 本書では二回のギャンブルをやって、説明しています。
しかしその組み合わせが問題です。
「勝ちと負けを交互に繰り返した場合」
で計算していますが、こうならないのは明白ですね。

 2回のギャンブルをすると、その勝ち負けの組み合わせは4通りです。
確率はそのすべてを含めて計算しなければいけません。
本書に書いてある通り、「勝ちの後負け」と「負けの後勝ち」では、それぞれ1パーセント不利です。
しかしもう二通りの場合が同じ確率で起こります。

 つまり、「勝ちの後勝ち」と「負けの後負け」という場合ですね。
計算をすると、前者では21パーセントの利益、後者では19パーセントの損になります。
つまり合計すると2パーセントの利益ですから、4種類を合わせるとプラスマイナスゼロというわけです。

 不正のない平等なギャンブルでは、賭け方によって確率が替わることはありません。


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