地震リスク delphis manta blue

身近な地震リスク 減災を目指して

<復興を願い 2011.3.11東日本大震災>
<未曾有の巨大災害 記録>

被災者の再建

2009-01-31 | 地震リスク

地震、豪雨、台風などの自然災害により住宅が半壊以上した場合に、法律にもとづき支援金が支給される制度が被災者生活再建支援制度。

この制度は、平成10年に議員立法により被災者生活再建支援法が成立し、全壊世帯に家財道具の調達等の用途に最高100万円を支給することでスタートした。

その後、平成16年に解体費用等への使用用途を拡大し最高300万円まで引き上げられた。しかし、支給世帯の年収制限や住宅建設購入資金への使用が不可の制度であったため、広く被災者を救済する目的の制度ではなかった。

平成19年11月に与野党の合意により、年収制限の撤廃、住宅建設購入資金への使用可の法律改正が国会で議決され、現在の新制度となった。

制度発足からこれまでの支給状況は36の自然災害に対し、支給世帯数約1万7千件、支給額は212億円にのぼる。支給額の原資は都道府県が拠出した約600億円の基金からと国の補助金であるが、将来の大災害には心もとない財源だ。

平成20年に行われた支給世帯への調査によると、約7割の世帯が住宅建設購入の資金にあてており、約5割が満足しているとのことであるが、支給額が300万円が上限であり、不足分を自治体独自の災害支援制度、災害援助資金、地震保険、共済保険の保険金で補ったとされており、財源の問題と併せ支給額の上限改善の課題があることは確かだ。

<内閣府 防災情報のページ 被災者生活再建支援制度>

http://www.bousai.go.jp/hou/shiensya.html

http://www.bousai.go.jp/hou/pdf/081231sienkin.pdf

http://www.bousai.go.jp/hou/pdf/080818gaiyou.pdf

http://www.bousai.go.jp/hou/pdf/080718_saiken19/00_gaiyou.pdf

 


冬の昼12時 近畿直下地震被害想定

2009-01-25 | 地震リスク

今日の大阪は晴れ、風速6メートルから9メートルの西風が吹き、最高気温は8度の見込み。

政府が想定している近畿直下地震は、冬の昼12時に被害が最大となる。最大となる理由は、火気器具利用が最も多い時間帯で出火・延焼の可能性が高く、風速は15メートルと強風であることだ。建物被害は全壊が97万棟でそのうち火災が39万棟と4割を占める。

風速を3メートルとした場合には74万棟で火災が16万棟と半分以下になる。風速により被害の拡大が左右される。

被害想定は4つのシーンにもとづき被害量を計測している。冬の朝5時、秋の朝8時、冬の昼12時、冬の夕方18時のパターン。

死者では阪神淡路大震災の被害と同じく、就寝中の圧死で冬の朝5時が最大となる。

<内閣府 中央防災会議資料>

http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/nankai/31/siryou1-2.pdf


地震後・・・帰りたいが本音

2009-01-24 | 地震リスク
震度6の大地震想定、時差帰宅の訓練…東京・池袋駅周辺(読売新聞) - goo ニュース

大地震直後にパニックが心配される。

阪神淡路大震災では早朝に地震が起こり、就寝していた人が暗闇の中で外に避難した様子の映像をみたが、比較的落ち着いていた感じがする。発生時間によりパニック度が違うことは確かだ。

地震後に家路を急ぐ人々でパニックになることが心配されるが、時差帰宅もひとつのアイデアであるが、近距離の人から優先して帰るほうが効果的。

耐震状況 情報不開示

2009-01-18 | 地震リスク
学校耐震診断、未公表6割 義務だが自治体「混乱招く」(朝日新聞) - goo ニュース

全国の公立小中学校等で震度6強の地震による倒壊の危険がある建物が約1万棟とのことは、地震が起きればその建物で勉強している生徒、先生に被害者がでてしまう危険性があること。まして耐震診断結果を公表しない自治体の判断は明らかに誤り。そのような学校に通わせるわけにはいかない。

忘れるな震災

2009-01-17 | 地震リスク

阪神大震災14年 記憶と教訓次世代に(産経新聞) - goo ニュース

阪神淡路大震災から14年。毎年、この日を地震災害に特化した報道を行ってほしい。

今日の各メディアの取り上げ方に非常に不満である。忘れてもいいのだろうか。各定時時間にニュースで取り上げた時間はわずか数分から数十分以内。

月日が経つごとに特集番組は組まれていない。忘れない役目を果たすのが各メディア。NHKだけは特集している。朝の番組、ニュース、子供番組で阪神淡路大震災を報じているが、今日の一日をもっと大切に、これからの地震災害に備えて国民目線で特集をしてほしかった。

地震災害に国民がどの程度関心があるか?そのバロメーターになるのが個人でかけている地震保険の加入・普及状況だ。10月末で1,160万件と9月末に比べいくらか減少しているのが気がかりだ。

昨年から地震保険料が所得控除の対象になり、国民が入りやすくなったのは確かだ。さらに地震保険は政府のバックアップ・セーフティーネットにより民間損害保険会社が破たんしてもイザとなれば確実に役にたつ保険だ。さらに政府は被災者生活の安定に給付金を定めている。最大支援金3百万円を支給することになる。昨年に被災者生活再建支援法が与野党の賛成で修正改正された。

先日のブログでも昨年6月に定めた財務省の防災業務計画では地震後当日には地震保険金支払い業務体制を確立し、要員が数時間以内にかけつける体制となっている。

このようなことから政府は地震災害に本腰になったと感じる。しかし、個人住宅の耐震化は一向に進んだと言えない。

地震活動期に入った日本。近い将来全国で起きる地震に待ったなしだ。

<内閣府 被災者生活再建支援法の概要>

http://www.bousai.go.jp/hou/pdf/080818gaiyou.pdf

<財務省 地震保険制度の概要>

http://www.mof.go.jp/jouhou/seisaku/jisin.htm

<損害保険料算出機構 地震保険保有契約状況10月末 1月15日発表>

http://www.nliro.or.jp/news/2008/090115.pdf


鎮魂 阪神淡路大震災

2009-01-17 | 地震リスク

「現場で判断せよ」 橋下流・震災訓練(産経新聞) - goo ニュース

1995年1月17日午前5時46分、最大震度7の烈震が神戸を襲った。野島断層が動いた兵庫県南部地震の発生である。淡路島、神戸市など関西地方に甚大な被害をもたらした地震だ。

阪神淡路大震災から14年。その間にも日本全国で地震災害は続いている。

今週は自治体、企業、学校、自治会などで地震災害訓練・学習をおこなった方は多いであろう。真剣に取り組めたであろうか。

地震災害は自分の身にいつにでもふりかかる危険がある。その時の判断、状況が生死を左右する場合もあるだろう。準備しておけばよかったと後悔しないようにしないといけない。

「不断の備え」はまず家庭から点検してみてはどうだろう。

阪神淡路大震災は死者・行方不明者6,437名にものぼり、多くの尊い命を奪った。死者の殆どは就寝中に圧死している。家の中の家具の固定、落下物の防止はもちろん、住む家の耐震性、周辺の火災の可能性を事前に調べ、危険を取り払うことは、大震災での犠牲者が残してくれた教訓だ。

<消防庁 地震災害情報>

http://sinsai.fdma.go.jp/fdma/tmp/7c8507831a68b7c771c2f067e7c55728/N0000025/0001/detail.pdf

<ユーチューブ 阪神淡路大震災映像>

http://jp.youtube.com/watch?v=z1lzYKpJipE&feature=PlayList&p=2062553E53776A7D&index=4


大阪直下地震

2009-01-14 | 地震リスク

大阪府は深刻な財政難に直面し新知事のもと財政再建に取り組んでいる最中だ。気がかりなのが、ここで大阪直下地震(上町断層)が発生した場合の人的・経済被害等による財政への影響だ。

大阪府をはじめ全国各地の自治体は、これまでの地震後復興対策から事前に地震被害を最小限に止め財政に悪影響を及ぼさないための減災に重点を置いた政策に転換している。

震度6強以上の揺れになる大阪直下地震は、首都直下地震の3.5倍の死者数が予想され、その原因の殆どが耐震性の不十分な住宅倒壊による圧死である。

大阪府の木造戸建住宅の総数は116万戸、そのうち耐震性の不十分な建物は48万戸と42%にものぼる。マンション等の共同住宅では総数36万棟(236万戸)のうち8万棟(46万戸)の数だ。

地域でみても、全国で大阪市内の西成、生野、東住吉の各区の旧耐震基準住宅の密集度合が高く上位3位を占め、上位10位以内でみても8地区が大阪市内である。

大阪府では8年後平成27年まで耐震化率90%を目指しており、前倒しの対策が待たれる。

<大阪府 大阪府住宅・建築物耐震10ヵ年戦略プラン>

http://www.pref.osaka.jp/kenshi/kikaku/tuyoku/10plan/index.html

<中央防災会議 中部圏・近畿圏直下地震対策>

http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/nankai/index_chukin.html


30年以内・・・今後10年以内では

2009-01-11 | 地震リスク

今後30年以内に発生する地震として、確率の高い順に宮城県沖地震、東海地震、首都直下地震、東南海・南海地震があげられている。

政府の地震調査研究推進本部が公表している海溝型地震、活断層型地震の発生確率によるものであるが、あらためて各地震の確率をみてみよう。2009年1月1日時点での評価が公表されている。

活断層型地震では今後30年以内、50年以内、100年以内の確率が公表されており、海溝型地震に比べ、発生間隔が超長期であることがわかる。一番近い30年以内での確率順にみると、神縄・国府津-松田断層帯で起きる地震(M7.5)が0.2%~16%、糸魚川-静岡構造線断層帯で起きるM8クラスの巨大地震が14%、境峠・神谷断層帯(M7.6)で0.02%~13%、阿寺断層帯(M6.9)で6%~11%などの地震が並ぶ。表面上は低い数字にみえるようであるが、実は切迫性があることを示している。

14年前の阪神淡路大震災を振り返ってほしい。地震を引き起こした野島断層の当時の今後30年以内発生確率を計算すると0.4%~8%と低い数字であったことがわかる。活断層地震の発生間隔が数千年前~数万年前であることが現時点での発生精度を低くさせてしまう。

また、活断層は明らかにされている約2,000の断層以外にまだ隠れている断層は数多く、昨年の岩手・宮城内陸地震はノーマークであったように切迫性がある活断層地震はまだあるとされている。

一方、海溝型地震は発生間隔が数十年~数百年と短く、これまでの記録に数多く残っている。今後30年以内では99%の宮城県沖地震、87%の東海地震、70%の首都直下地震(南関東地震)、東南海地震60%~70%、南海地震で50%と発生確率が高い数字となっている。

今後10年以内でみた場合、宮城県沖は60%、首都直下地震で30%、東南海地震で20%、南海地震で10%となっている。

この発生確率は条件確率とされ、前回の地震から現時点にたち、今後10年、30年以内等に地震が起きる確率をあらわすが、一方、地震後経過率は、前回の地震から何年がたち、平均活動間隔で割った値を示し、平均活動間隔に到達すると1.0になる。

神縄・国府津-松田断層帯は最大1.1、糸魚川-静岡構造線断層帯が1.2、宮城県沖は0.82、首都直下地震で不明、東南海地震は0.74、南海地震で0.69となっており、断層型地震はすでに平均活動間隔を超えていることになり切迫性が高まっている。

<地震調査研究推進本部 ホームページ>

http://www.jishin.go.jp/main/p_hyoka02_chouki.htm

 活断層地震長期評価

http://www.jishin.go.jp/main/choukihyoka/katsu.htm

 海溝型地震長期評価

http://www.jishin.go.jp/main/choukihyoka/kaikou.htm


大阪の地震活動

2009-01-10 | 地震リスク

西日本は地震活動期に入っているとされているが、大阪で一番気になるのが、上町断層による大地震。

上町断層による地震は、我が国の断層地震の中で発生確率が比較的高い分類とされている。

政府の中央防災会議では東京の首都直下地震の被害につぐ経済被害の規模と予想しており心配される。

<大阪府の被害想定>

http://www.pref.osaka.jp/kikikanri/crisis/plan/research/image/higaisogaiyo.pdf

http://www.pref.osaka.jp/kikikanri/crisis/plan/research/image/minaoshi.pdf

<政府の被害想定>

http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/nankai/36/shiryou/shiryou2.pdf

<地震調査研究推進本部 上町断層評価>

http://www.jishin.go.jp/main/chousa/04mar_uemachi/index.htm


復旧・復興の体系 最新レビュー

2009-01-10 | 地震リスク

昨年12月、財務省の財務総合政策研究所では、ファイナンシャルレビューNO.91に公共部門のリスクマネジメントを特集し公表した。

田近一橋大学大学院教授をはじめ地震災害分野に詳しい第一線の実務家まで寄稿している。

今月17日の阪神淡路大震災メモリーデーを目前に、地震災害について考える機会としたい。

<財務総合政策研究所 ファイナンシャルレビューNO.91>

http://www.mof.go.jp/f-review/fr91.htm#tajika%20miyazaki