何を気にしているのかと言うと、比較的“低俗”な文化に対してのレッテル貼りが、日本型の移民排斥、少数者排斥の手段になりつつあることを恐れている。こういう話は昔からあって、以前であればジジイ連中が「近頃の若い者たちは」と言う愚痴で済んでいたが、最近ではこうした若者を叱ると言う行為が消滅し、それに代わってネット上での歪んだ世論形成に向かっており、見過ごす訳には行かない状況にあると考える。
子どもが悪さをする、それはいつの時代にも関係なくある話である。それを時代が変わる中で、直接本人を叱るのではなく、世論を形成して若者を抑圧する方向に向かっている。このように密告のような形で若者たちを制裁するような社会はいかがなものか、と言う問題提議が一連のヤンキー文化擁護記事の意図するところである。
かつて20世紀であれば、ヤンキーと言えば街をブイブイ言わせて闊歩していたものだった。一方、ネット民の中心であるオタクは逆に、まだ市民権を得てなくて卑下される存在だった。21世紀のネット社会を迎え、今や立場は完全にひっくり返ったように見える。つまり、ポピュリズムとはネット社会が生み出した、文化的覇権の逆転革命なのだと言うことができるのではないか。
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