ある司法書士の修行時代

司法書士の修行の日々に思う徒然事

登記相談員 その1

2005-04-13 00:29:12 | 司法書士
法務局に行って、気が向くと登記相談員とコミュニケーション
を図るようにしている。
意味もなくコミュニケーションを図るのではなく、
もちろん疑問点は聴いてみる。

例えば、ずいぶん前だがこんなことが…

ふと見ると暇そうな登記相談員をみ見た時、
「もう一歩前へ」進んでみる気になった。

僕「あのーちょっとお聞きしたしたいがあるのですが…」
登記「なにか?」
僕「登記原因のことで…」
登記「ほう、登記原因と言いますと」
僕「なんでも名変、つまり登記名義人の表示変更登記で
 例えば、住所移転の場合は『所有権登記名義人住所変更』
 と書かないと補正されるとき聞いたのですが…」
登記「補正(鼻で笑う)? 確かに本省では、
 『住所変更』と書くようにと指示してるみたいですが、
 うちでは却下なんかしませんよ。『表示変更』で充分です」

【感想】
本省、本局、本職…彼らは本が好きだな。
僕も本が好きだから司法書士はぴったりかな。

堺の中心で…

2005-04-10 23:24:55 | 徒然
愛を叫ぶ、つもりだったが愛を叫ぶ対象がいないので、止めた。

堺には生まれて初めて行った。
もともとは地裁の支部で競売物件の物件明細を調査してくれ、
とのことで行ったのだ、と言うより行かされたのだ。

裁判所自体も初めて行った。
スーツを着た人間ばっかと思っていたが、
僕が行った物件明細などの資料がある地下1階には、
スーツを着た人間など見当たらず、
二十代前半とみられるジーパンなどの普段着姿の女の子たちが
ファイルをめくってメモを取ったり、付箋を貼ったり、
資料室の外で忙しそうに何やらしていて、
全く意味不明な世界であった。

カフカの「審判」の中に出てくるアパートを歩いていると
いつの間にか裁判所だった的な感覚で、
ごちゃごちゃした裁判所から出ると
堺支部の入り口の外に咲き乱れる桜の下で、
不思議な感覚に襲われたものだ。

今度堺の法務局に来る時までには愛を叫ぶ相手を
見つけておきたいな、昼下がりそんな感慨に襲われた。

狂った佳日

2005-04-10 18:08:02 | 徒然
土曜日は分籍届に市役所に行く予定だったが、
前日の事務所の飲み会のせいか、
昼まで眠ってしまい、出かけるのが面倒になってしまった。
今日は今日で昼過ぎまで眠ってしまったが、
僕は一体どうしてしまったのか…

戸籍謄本が必要になることが多くなりそうだから、
ということが原因の一つだが、
父の実家を本籍としているのが嫌だからだ。
父の実家にはもう10年以上帰ってないし、
親族の葬式でもなければ帰ることはないだろう。
今の棲家は仮の住処という気がしているのは確かだが、
実は今の住処を気に入ってるところは、ある。

関西に住み始めて10年近くになるが、
いまだに関西弁をはじめとして、戸惑うことは多い。
「放出」と書いてなんと読む?
関西人以外には到底理解不能だろう…

登記原因及びその日付②

2005-04-10 16:28:52 | 司法書士
前に書いた和解調書の登記の件。

弁論準備手続き中の15日(仮)に和解手続きに入り、
その日に約20条の和解条項で和解している。

そのうちに1項に、
「変更契約に基づいて抵当権の変更登記手続きをする。」
と書いているのだが、その条項自体には日付の記載がない。
だが和解の期日が15日だからその抵当権の変更契約が成立したのも
15日なのでは…と思っている。

ちなみに和解調書の末尾に「これは正本である」
と書き込まれているのは20日だ。
この日に和解調書は確定判決と同様の効力を得たのか。
と言っても15日の和解期日に変更契約を結んだこととは、
一線を画するように思えるのだが…

上司は、平成17年3月20日 変更 で行け、と言う。
僕はこの場合、20日を日付とした場合の原因は、
和解じゃないのか、と疑問に感じている。
15日を日付とした場合は、変更だと思うのだが…

今日は梅田のでかい本屋に参考書を探しにいく予定だったが、
昼過ぎまで眠ってしまい、この陽気なのに一歩も家から出てない…

賃借権質権設定登記

2005-04-10 16:16:49 | 司法書士
の申請書を書くように頼まれている。
そんな変わった申請書が受験意外に存在するとは思わなかった。

なんでも22条の特約付の定期借地権に対して、
その借地権が設定されている土地所有者が質権を設定するとのこと。
と言っても質権特有の登記事項はなかったようだし、
抵当権設定とそんなに変わらないのでは、
と高を括っている。

代表者の記載

2005-04-10 16:08:18 | 司法書士
今度の抵当権設定登記で保証会社の代表者は、支配人だ。

この場合、申請人(抵当権者)の記載では、
代取ではなく支配人を記載することになる。
代取を併記するのでもなく、支配人だけらしい。
資格証明書は支配人の記載のある要約書だ。

上司曰く、「保証会社の場合は支配人が多い」と。


登記引取請求権

2005-04-05 23:47:05 | 司法書士
司法書士受験生掲示板を使ってしまった。
たまに使う。
みうら先生も解答してくださってた(感謝)。

義務者が単独申請する場合に判決正本を登記原因証明情報として
添付した場合、の添付書面…
うちの事務所は書式精義の類すらないんで、
結構揉めた。

以下、売買による所有権移転として…考えてください。

上司は、権利者の住所証明書、義務者の登記済証、印鑑証明書、委任状
がいるのでは、いらないのは申請意思が犠牲される権利者の委任状だけだ、と。

僕もそんな気がしたけど、なんか引っかかるんで、
義務者の登記済証と印鑑証明書はいらないのでは、と恐る恐る言ってみた。
正本で犠牲されるのは権利者の意思だけど、
訴訟を提起して判決を得て、正本を添付すると言う一連の行為自体が
義務者の申請意思を具現しているように〝感じた〟からだ。
理論的なものとはいえない直感的なもの。

すると先輩が「けっ、資格持ってても実務できねえな」と言わんばかりに、
給付判決の意思犠牲のことを言いだして、
上司に組したから孤立無援になって、僕は黙り込んでのだ。

なんとなく義務者の登記済証と印鑑証明書は要らないのでは、
と思っただけで、理論的な根拠はよく分からない…
判決正本を添付した場合の単独申請は
単独とはいっても共同申請の建前は崩してないから。

登記原因及びその日付

2005-04-05 23:28:24 | 司法書士
和解調書には甲が乙の不動産に対して有する抵当権に関して、
利息と損害金を登記事項として追加変更するように、
と書いてあった。

この和解調書が登記原因証明情報なんだろう。
訴訟の途中から和解に変わってるからけっこう枚数が多いんで、
原本還付のためのコピーが大変(と言うほどでもないが…)だが、
最初の訴訟部分はコピーしなくても良いのではないのか?
和解条項以下だけじゃ駄目なのかな。

ところで抵当権の変更をすることで和解しているけど、
年月日変更を原因として変更登記せよ、とは書いてない。
こういうときは、やっぱし年月日不肖変更、とでもするのだろうか。
それとも和解した日が変更成立の日なんだろうか。
変更することで和解しているからそうとも言えそうだが…

一応仮作成の段階では、年月日不肖としてみたけど自信なし。

感動したっ!!

2005-04-03 01:09:50 | 司法書士
貴乃花がズタボロの手負いの状態にも拘らず、
見事に優勝を成し遂げた時、
かの小泉首相は土俵上でそう叫び、
叫んだ自分が国民の人気をいとも簡単に得られることに
感動したのは想像に難くない。

ならば僕が本当の感動話を語ろうではないか…

ちょっと前の話だが、枚方の法務局に表示登記の登記済証
の受領に行くように指示された。
枚方へはちょっとした小旅行のようなものだ。
新たな法務局に行くたびにワクワクするのはいつものことだ。

ところで僕は法務局では必ずと言っていいほど、
小便を済ますことにしている。
いわゆるマーキングというやつだ。
枚方の法務局に着き、表示登記の登記済証を受領し、
事後確認の謄本の申請をして交付されるのを待つ間、
便所に行ったのだ。

陶器の便器に勢いよく小便を放ちながら、
ふと便器の上の赤いランプが点灯しているセンサーのところに目をやると、
思いもかけない言葉が目に飛び込んできたのだ。

もう一歩前へ!

感動した。
あんなに感動したのは、ブラッディの「エクソシスト」を読んで以来ではないのか。
嗚呼、法務局の役人は頑迷固陋な組織という檻の中で、
規則縛られて盲従しているだけが取り得のマゾヒスト集団ではないのだ、
との意を強くした。

こんな便所の中にまで、向上心を煽る標語を掲げて、
一致団結して真善美を追求しているとは…
僕も見習わなくてはならないな。
そして僕はほとばしる小便が跳ね返ってスラックスを汚すのにも
お構いなく、その指示に従った。

もう一歩前へ。

申請書の写し

2005-04-01 23:19:22 | 司法書士
申請書副本が廃止されたから呼び名も廃止。
雛形では(申請書の写し)と添付書面として上がっていることが多い。

これは登記済証の不発行を希望できるため、
登記済証の発行を希望することを予め明示しておくことに主眼があるのか
それとも登記済証の素材が何であるのかを把握したいからなのか。
いずれにしても他の場合と比して曖昧な気がする。

他の場合とは…
①報告式の登記原因証明情報とそのコピーを添付し、
 そのコピーを登記済証として交付してもらう場合
②従来の原因証書を原因情報としてコピーとともに添付して
 原本還付したものを登記済証として交付してもらう場合
③登記原因証明情報と申請書の写しを添付して、
 申請書の写しを登記済証として交付してもらう場合
④報告式の登記原因証明情報と原因証書を添付して、
 原因証書を登記済証として交付してもらう場合
がとっさに思いつくが、

⑤原因証書を原因情報として申請書の写しとともに添付して
 申請書の写しを登記済証として交付してもらう場合
も③に含まれるが理論的には可能なんだろうか。

③や⑤の場合は、申請書の写しとして添付書面に記載する。
これはその記載例が多いんで、わかる。
②も登記原因証明情報(原本還付)と記載すれば、
原本還付のところで素材がなんなのか、分かる。

①の場合は、なんと書くのか、何にも書かないのか。
登記原因証明情報の写し、とか書くのか。
④の場合は、原因証書と概括的に書くのか、
売渡証書とか抵当権設定契約書とか個別的に書くのか、
そもそも何にも書かないのか。

登記済証の素材が異なることによって、
書いたり書かなかったりするのはお役所のご都合主義
のような気がするのだが…