ある司法書士の修行時代

司法書士の修行の日々に思う徒然事

資格証明書

2005-03-30 22:44:20 | 司法書士
申請人が法人の場合、代表者の記載を要する。
その場合法務省のホームページによると「資格証明書」の添付を要する。
その話を上司にすると「代理権限証書があるのにわざわざ」と一蹴。
僕もそう思うのだが、現にそう書いてある。

今日、名変→抹消の連件あり。
名変では「資格証明書」兼代理権限証書の資格証明書として
会社の謄本を添付したから抹消(双方法人)ではそれを援用するため、
資格証明書も代理権限証書も一部前件添付と書いてみた。

それを見た上司は激怒した。
怒鳴りちらして何か喚いていたが、
何を言ってるのさっぱりわかんなかった。
この上司はたまに自分は絶対に間違わないと思う悪癖がある。

今思い出してみると、
要するに代理権限証書で資格証明書を添付するんだから
わざわざ「資格証明書」を添付する必要がないと言いたかったようだ。

でも法務省のホームページで添付わざわざ雛形に「資格証明書」を
添付書面として書いている理由を考えてみると、

法人が申請人の場合には代表者を書く。
ただそのことを証するためだけに「資格証明書」が必要なのでは。
そもそも委任の問題とは全く関係ないと思うのだが…
結果的に代理権限証書の資格証明書と
「資格証明書」は兼ねることになるから
書く必要性がそんなにあるとは思えないが、
添付の根拠理由が異なるんだから「資格証明書」と代理権限証書を
同時に書いてもおかしいとは思わない。

おかしいのは法務省に対してではなく、
僕に対して威張り散らす上司のほうだと思うのだが…
彼が威張るたびに「哀れなお人だ」と思ってしまう。

それとも以前からの代理権限証書(資格証明書+委任状)のうち
資格証明書だけが分離して、代理権限証書=委任状だけになって
しまったというわけではないと思うのだが…
というのも委任状だけでは代理権限を証してないから。
でももし代理権限証書=委任状になってしまったのなら、
上司が怒鳴ったの気持ちも分かるような気がするな。

変更証明書

2005-03-30 22:07:14 | 司法書士
土地の名変→土地の抵当権抹消→建物の保存→共同抵当権設定

という連件で預かった印鑑証明書は、
3ヶ月の期限以内のものだが、
証明書の住所の記載が名変で変更される前の住所。

この場合、設定登記には名変或いは保存で添付した住所証明書を
「変更証明書」として添付することになるんだろうか。
登記簿の記載の変更を便宜的に省略するために変更証明書を添付する
のは受験で習ったが、添付書類の記載が現在と違う場合にも
「変更証明書」として添付するのだろうか。

わざわざ「」書きしたのは、
例えば前住所の印鑑証明書を添付する場合、
氏名と住所の一致を証するために住民票の写しを添付するとしても
それは「添付書面」として申請書に記載する「変更証明書」ではなく
住民票を印鑑証明書にホッチキスかなんかで合綴したもの
それ自体がセットで印鑑証明書なのではなのいか、と思ったからだが…

わざわざ添付書面として書く必要があるのかな。

登記用

2005-03-27 22:49:31 | 司法書士
の評価証明書の還付は不可らしい。
登記用とはつまるところ評価証明書交付依頼書によって
取得した評価証明書のことなんだろうか。

ところで家屋証明書にも時として「登記用」と書かれているものがある。
「嘘付けっ!」とのお叱りを被りそうだが、見たことがあるのだ。
見たことがあるきがしているだけかもしれないが、
きっと見たに違いないと強く思うことによって
見たことがあるに違いないと思っている。

この登記用の家屋証明書はなんら普通の家屋証明書と変わる所はなく、
登記用が四角で囲まれているだけだのあった記憶がある。
評価証明書の場合は登記用だと所有者の名前がなくって、
物件と評価額だけしか載ってなかったはずだけど、
そんな家屋証明書はおしゃまな真似はしない。

この場合は登記用であっても還付できるものと信じている。

73

2005-03-27 22:12:01 | 司法書士
租税特別措置法第73条の家屋証明書。
中古物件を売買により取得した場合など。
添付書類は①売買契約書等②建物の謄本③住民票の写し

さて住所が建物の住居表示と異なる時、
つまりいまだ住民票の異動届をしてない時は、
③の住民票の写しは、異動前の住所の住民票の写し、となる。
さらに住所の移転が登記以後となる理由の「申立書」が必要で、
場合によっては、④申立に関連する書類が必要となる。
例えばすぐに売る予定だった利した時の売買契約書や
親族に使用貸借で貸与している時の申立に関わる書面等。

さて④の書類は必要な役所と不要な役所があるらしい。
僕が先週申請した区役所は電話で聞いたところ、
申立書だけでいいと言っていたが、
念のため申立書の末尾に奥書して申立を保証することにした。
改正法で廃止された第三者の承諾で奥書きして署名押印したときは
承諾書の添付を省略できる、という規定の援用だ。

問題は①の売買契約書で、
これも役所によっては売渡証書だとコピーでは駄目で原本
をもってこいと要求するところもあるらしい。
今回は売渡証書のコピーでOKだったが、
申請前に役所でチェックした方がいいのかもしれない。

芦毛伝説

2005-03-27 18:19:22 | 競馬
クーリンガーのおかげで競馬は惨敗からまぬかれ、
かろうじて一万五千円ほどの+収支となった。
昨日申込した登記研究代と幾冊かの本代にはなったのか。
クーリンガーは実力馬だが人気にならない。
こういう馬は狙い目だ。

昔から実力があっても人気にならない馬というのはいる。
メジロブライト、ジョービッグバン、ホットシークレット、
バランスオブゲーム、マイネルモルゲン…
たいていは血統か、騎乗している騎手がマイナーなせいだ。

来週は産経大阪杯か。
GⅡの中では弥生賞、毎日王冠に並んで好きなレースだ。
阪神二千はアンカツを買え、とは鉄則だが…いかに。

go west!

2005-03-26 22:13:38 | 競馬
ということで明日は久々に阪神競馬場に参る、しかも朝から。
前回はちょうど四週間前、先月の給料日直後のことだった。
今回も給料日直後だが、今度は勝てるような、気がする。

タマモホットプレイ、馬柱を見たとき、即座に決めた。
最近は競馬を見てないので、中京の馬場状態がどうなのか
全くよく分からないところが少々辛い。
馬場が荒れて先行馬不利と考えても、
かつてショウナンカンプぶっちぎりで逃げ切ったようなことが
再度起こらないとも限らないからだ。

しかしこのメンツらホットプレイで楽勝なのでは、と思う。
根拠は別にないが実力的にはプレシャスカフェやポーラー
に劣るとは全く思えない。
問題はスタートだけだ、出遅れなければ楽勝だ。
明日の帰りは自己嫌悪なしで戻ってきたいものだ。

民事法研究会や日本加除出版の本は高いのだ。

登記研究

2005-03-26 22:00:15 | 徒然
の定期購読を申し込むことにした、懐の暖かいうちに。
登記研究は実は実物を読んだことはない。
実物を読んだことがないのに申し込みをするとは、
なかなか無謀なところがあるとは、我ながら思う。

登記研究なら事務所が暇な時でも表示測量関係の人の目を
気にすることもなく堂々と読めるのでは、とか思ったりしている。
何もしない、という無駄な時間は過ごしたくないからだ。

異邦人

2005-03-26 17:53:15 | 徒然
午前中の研修の時間、またぞろ裁判の授業。
講師は慣れてないのかとちってばかり。
そのうち睡魔が忍び寄り、思考が鈍ってくる。

ふと何気に前の女の子を見る。
フィットした黒い服の背中にくっきり浮き出たブラジャーの紐。
朦朧とした意識の中で、紐を思い切り引っ張って放し、
パチンと鳴らしたい欲望に駆られる。

引っ張ったらどうなるだろうと考える。
おそらく女の子はびっくりして振り向きざまに
「なに、するんですかっ」と言うだろう。
叫ぶ可能性も否定できない。

おそらく室内はざわつくだろう。
隣の男は怒りと蔑みを交えた顔つきで僕に詰め寄ってくるかもしれない。

おそらく講師は「なにごとですか?」とでも言うだろう。
当然廊下の先生たちも入ってくるはずだ。

おそらく受講生、講師、先生は僕の方を注視するだろう。
そしてなぜ僕がそんなことをしたのか聞くかもしれない。
聞かずとも雰囲気が答えを促すに違いない。

僕は徐に立ち上がり、蛍光灯の光に眩暈すら感じながら、
不条理な恍惚の表情を浮かべつつこう言う。
「それは、太陽のせいだ」

さらば

2005-03-26 17:39:05 | 司法書士
漸く研修の全過程が終わった。
正直、思っていたのとは異なっており、苦痛を感じるほうが多かった。
みんな楽しそうに話しているが何がそんなに楽しいのだろう?
試験に受かったことか? そんな昔のこと?
今スタートラインに立ったばかりじゃないのかな。

研修でいろんな人たちとであったけど、
おそらく99%の人とは二度と出会うことはないだろう。
法務局であっても気づかないかもしれない。
でも、そんなものだ、出会いなんてのは。

みなさん、自分の目標に向かって頑張ってください。
僕も頑張りますから。みなさんの何倍も。

遁辞

2005-03-23 22:34:15 | 徒然
下の話題は、問題だが削除しない。
仕事の日々に戻ってストレスが解消してきたからだ。

もともと周りが石川の実家に帰るだの、
スキーに行くだのと三連休で浮かれているのに
実質の休みが12時間程度しかなかったのに無性に腹が立ってきたせいだ。

土曜は研修で5時からは仕事で終わったのは8時。
その後、測量士補さんと飲みに行って、
安い白木屋を探したけど見つからず結構痛い出費。
帰るといわゆるバタンキューで日曜は朝から研修。
日曜の研修はそれなりに楽しかったけど、
帰ってから本読んで夜は競馬ダイジェスト観ている途中で意識喪失。
気がついたら朝の6時でしばらく本読むが寒くてまた寝る。
次に目が覚めると昼の1時前。

「俺は何をしているんだろう」と窓外の山並みを眺めつつ、
「そして、僕は途方に暮れる」を口ずさんだりする。
残る金はわずかに3500円。

いらいらしても仕方ないだろう。

愚痴

2005-03-21 23:26:08 | 徒然
なんかイライラしている。
原因は書士会の研修のせいだ。
土日に詰め込んで貴重な休日を奪う。
「こっちは実務を教えてやってるんだから」という
傲慢さがふとした言動に引見する。

この研修の最初に若手の優秀な先生が仰ったことには
「現在簡裁で代理人として司法書士が携わった事件は一万件。
司法書士の半分でしかない。認定司法書士が一人一件でも
担当すれば倍増し、司法書士制度の発展向上に繋がる」とのこと。

このご時勢に、制度に仕えろ、と仰りたいのか。

こういう言動は単位会のみならず、日司連や近畿ブロックでもそう。
僕は自分はリベラルなんだろう、漠然と思ってる。
朝日新聞の論調は鼻につくし、石原慎太郎には興味がない。
右でも左でもないのかといえば、左でないのは間違いない。
あえて言うなら中道右派というどうでもいい立場。

そんな過度の個人主義を毛嫌いしている僕ですら嫌悪を感じる
押し付けがましいし、どこか卑屈で全体主義的な、
「これからの司法書士は裁判しなけりゃ半端者キャンペーン」には
ストレスを感じてきたし、今も感じている。

司法書士のプライドを「代書人が代理人より上位であった」という
大昔の職務制度に求めるのは止めた方がいいと、思う。
裁判に打って出るのも未来を考えたものだろうけど、
未来はそれだけじゃないはずだ。
そういった個人個人の思いを圧殺するような調子にはうんざりする。

蓼喰う虫

2005-03-21 20:11:20 | 司法書士
テンプレートを散々迷った挙句、変えた。
シンプルが好みだが、できれば話題ごとに四角で囲ったのがいい。
色も白はレアル・マドリッドの色なんでできるだけ避けたい。
エストニアの国旗の配色が好きだ。
ヤンカウスカス、頑張れ!

申請書の書き方にも好みが反映する。
うちの事務所は一太郎とワードなので、
僕の好きにフォントやレイアウトを変えれる。
しかし上司の癇にさわることは度々だ。

例えば住宅用家屋証明書、と書いてみた。
「なんだこれはっ!」で証明書に訂正。

例えば追加設定の登記証明書と書いてみた。
「これでいいの?」で証明書に訂正。

(添付省略)と書いてみた。
「書かなくていい」とばっさり。

(前件添付)と書いてみた。
「()はいらない」とざっくり。

新築建物の認定基準価格で㎡単価と不動産価格の前に
登記官が見易いように延床面積を書いてみた。
「こんなの書かないだろ」とあっさり。

色々あるが僕は文字と文字の間にスペースを入れるのが嫌いだ。
だから所 有 権 移 転とは書かない。
所有権移転と書く。
均等割付やフォントサイズを変えるのも嫌いだ。
二枚にするのが嫌いだからぎちぎちに詰めて一枚に収まるようにする。
そういう意味では今のB4よりA4の申請書の方が自分に合う、と思う。

山のあなたの空遠く

2005-03-21 15:23:58 | 徒然
幸いすむと人はいう

本当だろうか。

知り合いの司法書士合格者が知らないうちに左手の
薬指に指輪をしていた。
それが意味することは一つしかない筈だ、本来なら。
人間の思考回路はそうなってるはずだとも、思う。

僕は彼の薬指で光っているシルバーの指輪を見ながら思った。
何で結婚してないのに指輪してるんだろうと。
今、この時点で僕はおかしいんじゃないかと思ってしまう。

別の知り合いのすでに登録している司法書士が彼に
「おめでとうございます」と祝福していた。
それがあるべき姿なんだろう。
僕も彼に倣って今気づいたふりをして祝福しようと思った。

が、結婚をおめでたいものと全然思ってない自分に気づく。
祝福すべきかしないでおくか、迷っているうちに
何もかもがどうでも良くなってきてしまう。

「人生は一編の小説に如かず」とは芥川龍之介。
その言葉を地で行くような生き方をしてきた僕には
高踏的な価値観が抜け切れていない。
小説を読まなくなっただけでは人生を肯定したことにはならない。

登記や競馬やバルセロナを好きになる以上に好きになれる人に、
明日になるのが待ち遠しくなるような人に出会ってみたいと
休日の午後、独り窓外の群青の山並みを眺めながら思う。

こころ

2005-03-21 06:54:10 | 司法書士
とは漱石の有名な小説だ。
書き出しは、何でか分かんないけど、
先生と呼びたくなる人がいるみたいな感じだったはずだ。
十五年以上前に読んだっきりだけど、忘れはしない。

「先生」という言葉には複雑な思いがある。
僕はアトピーで病院巡りしたからいろんな先生に会ったけど、
言っちゃ悪いが「先生」と呼ばれる人種でろくなのはいなかった。
完璧にスポイルされているかマニュアルで出来上がってた。

うちの事務所には調査士さんが二人いる。
そのうちの一人は仕事ぶりを見てても惚れ惚れするような職人さんだ。
彼は僕と同い年だがこの世界に入って8年くらい経つらしい。
職人といったら気難しい人と思うかもしれないが、
全然そんなことはなくってただ無口なだけだ。
黙々と完璧に仕事をこなす。
たまに冗談も言う。

そんな彼が僕のことを最近、先生、と呼ぶ。
僕と二人だけの時ならまだしも補助者の人や他の調査士さんや
測量士さんがいる時にもそう呼ぶので思いっきり照れくさい。
うちの本職すら彼はさん付けで呼んでるのに、
登録しておらずろくに仕事ができない僕の事を先生と呼ぶのには
正直言って裏の思惑を勘繰って邪推してしまうこともある。

「先生」という言葉には敬意ではなく揶揄が込められている
場合は往々にしてあるからだが…
しかし彼の性格からいって揶揄や冷笑を連発するような
軽薄さを汲み取るのも彼に対して失礼に当たるような気がする。
本職がさん付けで僕が先生なのには、正直、困る。
でもみんな彼の実力を認めてるから、
変に思って(その場の雰囲気で分かる)ても何にもいわない。

昔は自分が先生と呼ばれた時、
僕は拒否感や違和感を感じるだろう、と思ってた。
先生と呼ばれることにプライドが擽られるのは俗物だとも。
だけど自分が敬意と好意を感じている人から先生と呼ばれると
存外嬉しいものだ、と素直に思う。
彼の真意は分からないが僕の仕事ぶりの何かが彼の職人としての
琴線に触れたのかもしれない。
それならそんな彼の思いに答えたいな、と強く思う。
そうでなくても早く一人前の司法書士になりたいとも。

mission impossible

2005-03-20 00:52:57 | 司法書士
というのは大げさだが…
「今日はエリアーデ(仮名)君が先日申請したマンションの保存登記
の補正日(登記完了日)だったな、下げてきてくれたまえ」
「はっ」
「下げてこれなかったら君の責任だからね」

確かに僕が作った申請書で僕が申請したマンションの
一棟の建物の保存登記の完了予定はその日だった。
実際、ひよっこの僕が一棟の建物の保存登記をする機会に
度々恵まれるもの所長の営業力の賜物なんだろう。

その日は午前中は神戸の本局に根抵当の抹消登記の登記済証の
受領に行き、ついでに建築士に建築確認通知証を届け、
その後こないだ書いた評価証明書を取りに行く予定だったから、
大阪で南下する前に途上にある法務局で登記済証を貰うことにしたが…
法務局にて当然完了してしているものと思って札を見せて、
「すいません、これ」
「えーっと、○○○○番ですか、えーっ、まだできてないですね」
「(えっー!!)そうですか…」と退散した。

確かに横の台に張り出されている札番号の表では、
僕の番号の前の五百番くらいはほとんど完了してなかった。
で、その場は諦めて区役所に向かった。

外で上司に連絡した。
「もしもし、あっーエリアーデです。チャウシェスク(仮名)さんですか」
「そうだが○×▲…」
「すいません、電波の状態が悪くてよく聞こえません。
さっき法務局行きましたが実はまだ完了していませんでした。」
「なにっ、▲□×なのに◎◇⇔…」
「すいません、よく聞こえないので後で電話します」
ぶちっ。

もちろん後で電話なんかしなかったが、
土地の上の建物の評価証明書を取るように指示があった。
評価証明書の件は片付けて北上し、五時寸前に法務局に戻った。
表を見るとまだできてない。

上司にきいてみようと電話した。
「あっ、エリアーデですが、チャウシェスクさんいますか、
いない? それなら、(先輩の)ラドチョウさんは」
「はい、もしもしラドチョウです」
事情を説明した。
「そんなら先に謄本とってみたらいいっすよ、謄本ができてたら
受付で直談判っす、できてなかったら何で完了が遅いのか理由を
聞いて自己防衛の足しにしてください」

僕は謄本のカウンターに行き、
「すんませーん、同時申請の大阪のハジです」
「ハジさんですね」
「はい、ゲオルゲ・ハジです」
「はいっ」なんと謄本はできてるではないか。

申請のカウンターに戻って、
謄本を二本の指でつまんでぴらぴらさせながら
「すんませーん、さっき登記終わってないといわれましたが、
同時申請の謄本できてるんですけど…」
「あっ、そうですか、ちっと待って下さい」
おばさんは受付の人の後ろの申請書の山を探り、
見つけ出すと僕に渡した。「受領印押してくださいね」

公務員の真髄ここに見つけたり。