ある司法書士の修行時代

司法書士の修行の日々に思う徒然事

革命前夜

2005-10-29 19:01:06 | 司法書士
そういえば、前に『変更or更正』で書いたことなんですが…
土地の合筆の登記の申請日前に本店移転と商号変更をしていたにもかかわらず、
変更前の印鑑証明書を添付して合筆の登記をしてしまったために、
合併による所有権の登記には、変更前の本店商号が記載されてしまった事例で、
この度その土地に設けられた根抵当を抹消する前提として、
名変をするにつき、変更なのか更正なのか、ということを書きましたが、
当時法務局に問い合わせたところ、
調査の人は「合筆は表示の登記だから、合併による所有権の登記の前を
基準とするので『変更』だ」みたいなことを仰ってましたが、
その後当法務局から電話がありまして、曰く『更正ちゃうの?』とのことでした。

ところで登記研究の質疑応答にも『更正』とありまして、
以前は『変更』だったようですが、その先例は変更されたものとしてくれ、
と書いてました。何号かは忘れてしまいましたので悪しからず。。。

もっとところで、こないだ奈良の田舎の謄本を眺めていると、
(仮として)地番 163番・164番合併9 という所謂合併地番を
見つけました。なんなのかネットで調べてみましたが、よく分かりません。
163と164の土地を合筆して、
いくつかに分筆したうちの9番目ということでしょうかね。

7月4日に生まれて(ない)

2005-10-29 17:12:05 | 司法書士
名を騙る、まあ、そういった複雑な接し方もありということで、
抹消はしないことにしました。
別に害はないみたいだし…

独立ね…
今は全く興味ない、かといえば、自分もよく分かんなくて、
同期の開業した司法書士のブログなんか読んでいると、
正直『羨ましい』と思ってしまうことは多々あります。

僕の場合は、独立のための資格ともいえる士業の一つである司法書士
の資格に対する誤解があって、それはそもそも受験前から独立願望が、
全くなかったことに起因しているのだろう、なと思います。

それで書士会のお偉方の『独立、独立』云々を、
煩く感じてしまったりしている訳ですが、
先生方は全うなことを言っているだけで、
それはある程度分かっていても尚且つ煩く感じてしまうのは、
研修の時に感じたお偉方に対する嫌悪感に尽きると思っています。

司法書士という人生の選択は、
就職のために30歳前に急に忽然と目の前に現れて来たという感じで、
少なくとも大学時代にはその存在すら知らなかった資格だし、
働き始めて半年以上経ち、登録した今になっても、
本当に自分がこのまま司法書士でやっていきたいのかどうか、
よく分かりません。。。

ただ一つ言えることは、登記が好きという稀に見る変わった嗜好のお陰で、
司法書士という職業に親和性を感じていることは確かです。
司法書士から登記を除いたら、僕にとって何の魅力もないことは確かです。

EUREKA! part2

2005-09-25 12:19:35 | 司法書士
変な謄本を発見した。

乙区には…

○   抵当権設定  年月日金銭消費貸借  債権額金○円
             同日設定       損害金年14%
                        債務者 郷ひろみ
                        抵当権者 松田聖子

付記1号 抵当権移転  年月日譲渡      根抵当権者 二谷友里恵

途中で、抵当権が根抵当権に変わってる…!(^^)!

のみの譲渡の場合は、抵当権譲渡 年月日金銭賞貸借年月日譲渡 
とかになるからのみの譲渡ではないし、つまり抵当権を全部譲渡した時に、
根抵当権に〝進化(退化)〟したに違いない。

ちなみに、郷ひろみもその時は、幸せになれると思ったに違いない。

しかしこの付記1号も抹消される定めにあるに違いない。

ちなみに、郷ひろみも関係を更正はできないと思ってるに違いない。

仮登記 その4

2005-08-22 00:46:48 | 司法書士
所有権移転の登記に続いて、
つなぎ融資の保証委託契約による求償債権を担保するため、
仮登記の抵当権設定登記を連件で申請した場合、
「でも登記済があるから仮登記では設定できませんよ」と、
却下される登記所がこの世には存在するというおどろおどろしい話を聞いた。
そういう申請が来週あたりありそうだが…

仮に真実だとしたら蒸し暑い熱帯夜には、
ちょうど良い背筋のゾッとするような話ですな。

仮登記 その3

2005-08-21 22:54:47 | 司法書士
聞かないでくれ、競馬は稀に見る惨敗だ。

先日、登記済のない仮登記の抹消をやった。
要するに登記名義人の承諾書を添付して利害関係人が単独で申請するやつ。

これは、所有権移転請求権仮登記を設定した後、
移転していており、現所有者からの単独ということにした。

仮登記の場合は、所有権を喪失した仮登記義務者も現在の所有者も、
双方とも権利者になれるらしい。
しかし権利者として申請する場合は、原則どおり共同申請となる。
権利者兼利害関係人として申請するときは、仮登記名義人の承諾書を添付すれば、
単独でいける。

登記の目的  1番所有権移転仮登記抹消
原   因  平成17年5月5日放棄
義 務 者  甲
申請人(権利者兼利害関係人) 乙
添付書面   登記原因証明情報  承諾書  代理権限証書

こうかな?
承諾書で登記原因証明情報を兼ねるのは、可能のような記がするが…
義務者の実印も押してあるし…
でも、僕は無難なところで、放棄証書を添付した。

噂の真相

2005-08-21 03:38:22 | 司法書士
根抵当権の債務者の変更・更正登記の印鑑証明書の添付が不要になるらしい。
噂かどうか知らんが、規則の一部改正に「担保権」と書いているので、
字面から行くと、当然根抵当権も含まれるというわけだ。

ところで、司法書士の先生は、
どれくらい報告式の登記原因証明情報を作っておられるのであろうか。
僕は、(昔の)原因証書は作っているが、報告式は1回しかない。
原因証書に関しては、酷い時は、差し入れ式の銀行の根抵当権設定契約証書とか、
作ったりしてて、この安月給でなんでこんなことしなきゃならないんだ…
とか思ったりする。

報告式で作った唯一の登記は、抵当権の債務者の更正。
債務者1人で登記したやつが、実は連帯債務者だった、から…
錯誤の場合でも登記原因証明情報が必要だから作った。

ところで、債務者 甲 から連帯債務者 甲 乙 
への更正登記の更正後の事項は、ご存知だろうか。
重畳的債務引受を原因とする抵当権変更の場合、
追加する事項として、「連帯債務者 乙」とだけ記載するみたいだ。
登記簿では、以前の「債務者 甲」は朱抹されず、
付記で「連帯債務者 乙」が追加されるのだろう。

更正の場合、更正後の事項として「連帯債務者 乙」だけでは駄目。
なぜなら元の「債務者 甲」の記載が朱抹されるから…
だから連帯債務者として甲乙を併記する。

しかし思うのだが、甲が債務者であることは間違いないのだから、
朱抹までする必要はないとも言えるのでは。
重畳的債務引受の時ように追加する事項として、
連帯債務者乙だけ記載してもなんだかいけそうな気がする…

もっともいけそうといってもサイレントディールの的中予感並みだがね。

仮登記 その2

2005-08-21 03:06:10 | 司法書士
相続を原因とする所有権の移転の仮登記は、存在するのか。

一般的には、教科書的には、
相続を原因とする仮登記は存在しないと、考えてしまう。
なるほど、相続を原因とする所有権移転仮登記は却下だろう。

しかし登録免許税法の表に「相続を原因とする仮登記」と書かれている。
それはなんなんだ? と思ってしまうが、よく考えれば、
或いはよく考えなくても、相続を原因とする1号仮登記所有権の移転は、
存在するわけだし、仮登記所有権の移転だから当然仮登記なので、
それは、存在するわけだ、つまり、引っ掛けみたいなものだ。

登記原因証明情報(省略)

2005-08-04 22:04:25 | 司法書士
金融機関の再編のせいか、合併、商号変更は多い。
うちの事務所の受任事件には、特に(根)抵当権の合併移転がやたらと多い。

で、今までは律儀に商業謄本を登記原因証明情報として添付していたのだが、
実は以前の合併証明書のように省略できるのではないのかという話になり、
登記原因証明情報(省略)と書いて申請した。
もちろん法務局に事前に聞いての話だが…

登記原因証明情報といっても、省略できるんだ、そういう話。

ちなみに合併移転に際に、
合併直後の本店所在地と現在の本店所在地が異なるため、
商業登記簿謄本は本店移転の沿革を証するための変更証明書も兼ねていたのだが、
変更証明書の方も当然のことながら省略ということになったのだ。

或る「小倉日記」伝

2005-07-31 23:00:12 | 司法書士
実は中学まで、福岡市に住んでいた。
正確に言うと、小1まで、大野城市でその後福岡市西区。
高校は鹿児島で、大学は東京…要するに九州には10年以上帰ってない。

今日は、昼からWINSに行って、万馬券2本取った。
万券一本取るとだいたい2万円の勝ちになるが、
関屋記念は無謀にもエリモピクシーから勝負したので、
今日の勝ちは3万7千円止まり。
帰途、前に座る若い女性の膝小僧を凝視しながら、ふと思う。
「そうだ、小倉に行こう」

来週は土曜も出勤があるから土曜の仕事が終わってから、
夜行バスで小倉に向かい、小倉には朝の6時に到着。
短時間小倉観光しつつ、競馬場に行って、指定席を取る。
以後、函館12レースが終わるまで、競馬場の中。
終わるのが、5時10分。
それからどっかで食う、飲む。
八時前くらいの「のぞみ」で帰阪する。
うーむ、魅力的だ。
惜しむらくは来週の日曜の小倉のレースは全体的にしょぼい。

実は福岡には15年いたが、北九州市には1、2回しかいってない。
何が名物で何が有名なのかもよく知らない。
四大工業地帯で汚染が酷いんだろうな、という偏見しかない。
黒崎のそごうはまだ健在なのだろうか。

窓辺のカフカ

2005-07-25 01:36:32 | 司法書士
「そして、僕は恋をする」
というクソ長いフランス映画があった。
監督は今トリュフォーの誉れも高いアルノー・デプレシャンだったと思う。
内容は…忘れた。

僕は映画好きだが、恋愛映画は殆ど観ない。
興味がないというより共感のしようのなさを痛感するからなんだが…
だけれども、愛に関する映画は好きだ。

「グッドモーニング・バビロン」は映画愛に関する映画だったし、
「愛に関する短いフィルム」なんてのはずばり〝愛〟そのものに迫った映画だ。
だいたい「愛に関する短いフィルム」なんてのが好きな点が、
映画を知ってる人から見れば僕の気質や性質に通底する青くささを窺知されかねない。

「紹介してやる」とはたまに言われるが、エヘヘッで済ます。

司法書士は人を疑ってナンボ、とはよく言われる(かどうかは知らない)。
職業として人を疑うのは、割り切ってるからマシだろう。
僕は、そもそも人を信じてないな。
信じるとか、信じないとか関係ない生き方ができればいいのだが、
それができないから信じるとか、信じないとか関係あっても、
自分が傷つかないだけの距離感を常に他人との間で保っているような…

カフカの名作「城」の主人公は測量士だ。
城から依頼されてその土地にやってきたのだが、段取りが分からず、
城に接近しようとする、が、どうやっても近づけない。
内に事務所にも測量士さんは何人かいるが、
飲み会の席で打ち解けても翌日になると、
打ち解けてない僕との距離を彼らが感じて、
「クナッパーツブッシュ(仮名)君って、カフカの城みたいな人だね」
と思ってるかどうかは、知らない。
というのは嘘で、思ってないことは知っている。

TA EIΣ EAUTON

2005-07-06 01:20:38 | 司法書士
皇帝気分で自省する。
実際、僕は人に話しかけられた時に「あっ、そう」で済ますことが多い。
それは、殆ど無意識の領域に関わる問題なのだが、
どこか僕の内奥に潜む昭和天皇の記憶が、
僕を彼の物真似に走らすのだろうか。

さて、補正である。
目の手術をする前とはいえ、あまりにも馬鹿馬鹿しい補正が連発した。
忸怩たるというより、梅雨に相応しく鬱々として晴れない気分に包まれたものだ。

昨日のはやばかった。
ことの始まりは5連件の登記申請にさかのぼる。
1設定の前提としての土地建物名変。
2抹消。
3設定。
4順位変更の前提としての抵当権名変。
5順位変更。

1、2番で抵当権の設定があり、今回借り換えで、
1番抵当権を抹消(順位3番)し、4番で設定となる。
期日は仮に6月30日としておく。
2、3及び5の原因日付と申請日は本来同日にするはずだっのに、
なぜか僕は5だけ6月25日合意としてしまったのだ。
全く何故そんなことをしでかしたのか…

本来なら法務局から電話が入ってくるはずだ、
ちょっと馬鹿にしたような口調で。
しかし掛かってこなかった、つまり、申請は受理されたのだ。
受領後、事務所でチェックしていて、不合理に気づいたときは、
法務局の間違いかと思い、鬼の首を取ったかのような高揚感を感じたものだ。
が、受領証書を見ると、間違えているのは明らかに僕だった。

さて、これから上司は苦悩した。
僕自信は深刻な補正を食らったことかないので、いまいちピンとこなったが…
4番で30日設定があり、5番で25日合意は、ありえない。
だから事前に補正の通知が入るはずなのに入らなかった。
間抜けな申請書が間抜けな登記簿の記載を生み出した。

更正登記。
五番順位変更更正なのだろうか。
変更更正登記みたいで変なのだが、年月日合意解除で順位変更の抹消は、
可能だったと思うので、そうなるのではないか。
順位変更の変更はできずに、抹消して再度順位変更をするはずだったと思うが、
順位変更の順位がそもそもと違った場合は、更正登記も可能なんだろうな。

銀行に恥をしのんで印を取りにいくことや、
登記原因証明情報のへんてこな文案が頭をよぎったが、
結局、法務局に行って直談判で頼み込んだら、
向こうにもありえない申請を看過したという落ち度があったこともあって、
職権で更正してくれることになって一件落着。

上司は僕に、「今後は気をつけていこうな」と言ったものだ。

いつか晴れた日に

2005-06-30 13:54:42 | 司法書士
手術は終わった。

今は左目も見える。
軟膏が入った状態なので、
3年近く右目に頼りっきりの状態だったので、
焦点が合いづらくてなんだか変な感じ。

左目の変調に気づいたのは、司法書士の受験生時代のことだ。
医者に行ったが、決定的な解決策はない、といわれ、
まだ手術の時ではない、という言葉と共に左目と向かい合うのを延引してきた。

どうしようもない辛さ、を感じ始めたのは、
1年くらい前からか?
就職して、金をためて、その金で…というのがなんだかんだといって、
僕のこれからの目標の中では大きな位置を占めていった。
親に縋るのは、絶対に避けたかったから…

今手術が終わって、今まで酷使していた右目を休ませるかのように閉じてみる。
微妙に波打つ左目の視界に満ちる光は澄み切っていて、新しい。
まぶしさを避けるためにグラサンでもかけるか、とすら思う。
グラサン司法書士
それもまた良いではないか。

試験は三日後。
差し迫った今この時期にこのブログを覗いてくれている奇特な受験生はいるのだろうか。
僕は司法書士合格者の8割くらいは運のお陰だと思ってる。
それくらい上位の受験生のレベルが高いってこと。
紙一重の運の世界では、クリーンヒットの数よりボテボテの内野安打の数が
最終的にものを言うのでははないのだろうか。

人前で頑張るのは、かっこ悪い?
今年は五回目です、と口にするのは恥ずかしい?
くだらないね

自分が悔いのないように頑張れば良い。
人の思惑なんかどうだって良い。
受験会場に行く時は、前を歩くやつらを追い抜いていけば良い。
ライバルを見るたびに、「ああ、あいつは落ちるのか、可哀想に」と思っておけば良い。
この教室の中で受かるのは自分だけなんだ、と確信していれば良い。

試験が始まったら、落ち着いて解ける問題から解けば良い。
ボテボテの内野安打でもヒットには違いない。

とりあえず

2005-06-19 22:07:31 | 司法書士
ビール…

じゃなくて、とりあえず目の手術が終わってから、
ブログも読み応えあるものにしたいなぁ、と思ってる。
その能力があれば、だけど…

そういえば折角コメントくださった皆さまに対して、
随分長い間レスしてないのだが、それもきっちりし対処ていくので、
なにとぞご寛恕の程をお願い申し上げます。

特にみうら先生には、いつもお世話になっているのに…ね。

ところで、競馬だが、重賞は完敗だが、
福島の新馬と最終の万馬券馬単を2本ゲットしたので、
2万円の勝ちとなり冷え切った懐も若干暖まったというもの。
これでドトールに我慢できない時はスタバに行けるかな。
個人的にはチェーン店ではベローチェ・珈琲館・サンマルクカフェ
が安くてややゆったりしているから好きなのだが、どれも近くにない。

しかし競馬で儲けた金はマン管の登録費に充てることにしている。
名刺交換した時に司法書士とマンション管理士が並んでたら、
まず僕と思ってもらってもあながち的外れではないのではないのだろうか。
しかし肩書きにバルセロニスタと書きたい気も多分にあるのだが…

一瞬の夏 part2

2005-06-12 19:40:01 | 司法書士
自分の戸籍をつらつらと眺めていて…驚いた。

僕の苗字は旧字体だったのか…

字体に関しては、この仕事、拘らなくちゃならない。
もちろん法務局によっては、高とは同じとみなしたりしてくれるので、
表示更正をしなくていい場合もあるし、芦屋とか葛城なんてのは、
「芦」や「葛」の字が本当の表記の字と違ってても、申請は通る。

しかし自分の戸籍を見て、初めて自分の苗字の中に今まで見たこともない
ような変な旧字体が混じっているのを発見するのは、
カセットテープに吹き込んだ自分の声を初めて聞いたときのような、
変な違和感に通ずる感覚を覚える。

IMEパッドの手書きで書いてみても見つからないような旧字体。
久々に…
わが人生に、幸多かれ!
と叫びたくなる日曜の夜だった。