年金暮し団塊世代のブログ

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ルポ 電王戦 ~ 読書 (2014年8月)

2014年09月12日 | 日々雑感

この本は、先のバカンス中に酒を飲みながら気楽に読んだ本です。

私めの趣味の一つがヘボ将棋でして、かつてはネット将棋に夢中になった時期もありましたが、最近は実際には指さず、もっぱらネット中継を「見るだけの将棋ファン」になっておりますが…。

将棋を知る人には、ここ数年 人間(プロ棋士)vsコンピュータ将棋ソフトの対戦、即ち「電王戦」が大きな話題になっておりますが、本書はその「電王戦」のルポという題目ながら、実はコンピュータ将棋の黎明期からBonanza(=ボナンザ=コンピュータ将棋ソフトに革命をもたらしたソフト名)の登場を経て現在の電王戦に至るまで、コンピュータ将棋の歴史を俯瞰できる内容でした。

しかも、出版元の編集者曰く、「執筆依頼をした際、真っ先にお願いしたことは、将棋の本には必須とも言える『局面図』や棋譜符号を一切使わずに一冊書きあげてください、ということでした。 プロ棋士とコンピュータの真剣勝負である電王戦は、戦術や戦局の推移を解説するのではなく、戦いに至る盤外のドラマを中心にして描いたほうが、圧倒的に面白いと思ったのです。ならば局面図は不要だろう、と。」

その意図通りに、図面、棋譜が全く無いので将棋に詳しくない人にも優しいはずで、少しは将棋が解る私めにも、しかも酒の入った頭にでもすんなりと入ってくる程に とても読みやすかったです。 それは著者の筆力というものですかね。

更に、ponanza(ポナンザ=コンピュータ将棋ソフト名)開発者の山本一成氏のデビューから結婚までを軸として、キャラの立ってるプロ棋士だけでなくコンピュータ将棋ソフトの開発者達の人間性も見えてくる群像劇に仕上がっていて とても面白く読めましたです、はい。 将棋を知らない人にもお勧めです。


(↑の大きい画像はありません)


ルポ 電王戦 ~ 人間vsコンピュータの真実
松本 博文著 
NHK出版発行(NHK出版新書 436)
2014(平成26)年6月10日 第1刷発行
定価:本体760円+税。 253頁


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