「留袖のあやめです。振袖のなおです。しほです。」舞いが終わって3人が名乗った。ここ鍋茶屋二階二十番の間にかかる扁額は文人画家富岡鉄斎の「髄處楽」(ずいこらく:気楽に楽しんでもらえる場所)。鍋を南邉と書いている。
「料亭の味と芸妓の舞」が市報に載ったので申し込んだら、運よく当たってカミさんと昨日古町まで出かけてきた。春秋の2回、中央区役所主催(?)で三業組合加盟老舗料亭での昼食会。今回は10月から12月にかけて9軒の料亭が各2回5,000円で電話申し込み順。鍋茶屋、行形屋、小三は別格らしくハガキの抽選、料金も飲み物別で6,500円。受付で当選ハガキ見せたらおめでとうございますって言われた。動画はNG、写真はOKとも。三業組合って?料理屋、芸者置屋、待合茶屋の3種の営業が公安に許可された特殊地域、三業地の組合って初めて知った。
地方都市で花柳界の文化が残る新潟古町でこういう企画はいいなと思う。舞いが終わって3人が飲み物をお酌して回る。もちろんおしゃべりも。地元シャキシャキお姉さんのあやめさんにSドライ注いでもらう。なんと沖縄ですって那緒さんは売り出し中なのか名刺代わりに千社札くれた。志穂さんは時間切れ。個別に舞台での記念写真にも笑顔で。
鮟鱇辛子酢味噌の先付、すっぽん豆腐のお椀、佐渡寒鰤南蛮海老・・の松花堂・・目の前に並ぶ四季の食材を知り尽くす板さんを尊敬してしまう。 ビールが普段見かけない袴をはいて出てきた。冷えたビン置いたときに畳が濡れないためのものだがテーブルには少々違和感あるけど、料亭なんだな。
食後の見学会。江戸末期創業の鍋茶屋は明治に二度の火事のあと再建。木造3階にある二百畳の大広間にビックリ。
一昨年の夏放送のブラタモリ「新潟は"砂"の町!?」で見た留袖、振袖さんとのお座敷遊びが印象的で、市報見て鍋茶屋2枚ハガキ出したら1枚が当たった。別の日だけど2枚当たったらどーしよう?ってカミさんに言ったら、見る人が見てるよ。10枚出しても当たるのは1枚って言う。いらぬ心配してしまったか。知り合いの名前借りてハガキ出す人もいるんだろうな。
芸妓400人もいたという裏日本随一の料亭文化の三業地、新潟古町。31年前、交通社長の中野さんの呼びかけでできた柳都振興のHPには留袖4人振袖9人の写真と、振袖さん募集初任給20万円が載っている。いつか偉くなって芸妓を呼べるようになりたいって若いころ頑張ったと中野さんの設立談も。芸妓と老舗料亭は大人の文化、新潟情緒を垣間見た2時間。
駐車場への帰り道、組合加盟「かき正」入口に勢ぞろいした13人にお見送りされた後ろ髪(坊主頭にはないか)引かれる楽しいお昼だった。
西堀小林百貨店わきにたくさん船あったのを覚えてます。小林劇場でリチャード・バートン白黒映画の時代です。中学生だったかな?