爺さんの独り言

雑木林から街中に帰ってきた爺さん

父とカワセミ

2017年02月23日 | 日記

 
 昨日は花の丘公園に行ったけどカワセミの姿を見ることができなかった。カワセミを見ると父のことを思い出す。

  

 父はシュロの皮をはいで木の枠に結わえたものを家の前の池に入れる。鯉がこれに卵を産み付ける。そのままにしておくと他の魚が食べてしまうので、父はそれを築山の中の池に移す。卵が孵化して鯉の稚魚が泳ぎ始める。それを狙ってカワセミがやってくる。池の端の庭石の先に止まって鯉の稚魚が水面に上がってくるのを待つ。上がってくると急降下、稚魚をくわえてカワセミは飛び去ってゆく。

 父はカワセミが来ているのを知ると、空気銃を取り出して二階の窓を少し開けて、カワセミを狙って撃つ。これが当たらないのだ。50メートルはないくらいの距離だったが、一度も当たったことはなかったように思う。しかしカワセミは驚いて飛び去ってゆく。そんなことを何度もやっていたから、カワセミは『ワル』だという思いがなんとなく自分の思いの中にあった。

 カワセミを何十年(60年?)ぶりで那須で見たとき、名前を思い出さなかった、連れ合いが教えてくれて思い出した。色鮮やかな綺麗な鳥だ。嘴がカッコイイ。今では本当に懐かしい鳥になった。

 その父がこの世にいなくなってから、30年以上が経つ。全く元気だったのだが、風邪をひいて肺炎になってあっさりこの世をさった。最後の言葉は『終わった、全部終わった』であったという。東京から、千葉から子供達が朝一番の飛行機で駆けつけた時にはもう意識がなくなっていてその言葉は聞けなかった。
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