大事小事―米島勉日記

日常起きる小さな出来事は,ひょっとして大きな出来事の前兆かも知れません。小さな出来事に目を配ることが大切と思います。

こんな警視総監で首都は守れるか―振り込め詐欺はゲーム感覚で罪の意識はない、だって?

2008年10月10日 18時44分15秒 | Weblog

 昨日今日と二日にわたってNHK総合テレビのニュースの時間に放映されていたのですから間違いないと思いますが、警視総監がつぎのようにコメントしていました。
 振り込め詐欺の被害が拡大する中で警視庁でも放置できずに数千人の警察官を銀行や無人ATMなどに常駐させる措置をとっています。
 そのなかで警視総監が新宿のコンビニエンスストアを視察に訪れて笑みを浮かべながらコメントしていました。
「彼らはゲーム感覚でやっているので、罪の意識はありません。」
 これにはのけぞるほどにびっくりしました。「ゲーム感覚」だって? 「罪の意識はない」だって?
 これでは子供のいたずらではありませんか。子供のいたずらで何百億もだまし取れますか。子供のいたずらならば何千人もの警察官を振り込み詐欺だけのために動員する必要なんかないでしょう。補導だけで十分ではありませんか。
 現実には背後に暴力団などが存在して巨大な組織が関与しているだろうことは、たまに逮捕される振り込め詐欺犯人の年齢や職業を見ればはっきりしています。
 それを「彼らはゲーム感覚で、罪の意識はない」と認識しているのが東京都の警視総監です。これほどの感覚のずれはどこから来ているのか。警視総監になるくらいですから警察官僚の中でもエリート中のエリートなのでしょう。
 しかし、このエリート中のエリートというのがもっとも始末が悪いのです。東大法学部辺りを卒業して自治省(現在は総務省ですが、たぶん現警視総監が入省した頃は自治省だったと思われます)に入省してキャリアとして出発します。ごく若い頃にすでに警察署長を歴任したりするようです。とうぜん夜の宴会では床の間を背にして座る立場でしょう。その先は省略しますが、いずれにしても若い頃からおだてられ持ち上げられてきたのです。ですからよく云えばエリート、悪く云えば何も知らない馬鹿殿になってしまうのです。それでも現場のノンキャリアの警察官からすれば雲の上の人です。
 そんな経歴を何十年も重ねてきての警視総監就任ですから、庶民の感覚とははるかにずれた感覚で「振り込め詐欺はゲーム感覚」「罪の意識はない」と平然と云ってのけるのです。振り込め詐欺の現状を正しく進言する部下もいないのかも知れません。
 たしかにオレオレ詐欺が発生した当初には、若者の遊び感覚があったかも知れません。しかし、現在の振り込め詐欺は組織的であり、決してゲーム感覚の遊びではありません。
 こんな警視総監で本当の取り締まりができるのでしょうか。