CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

スポーツクライミングに魅せられた理由

2024-08-11 14:57:53 | スポーツ
 ここ数日はスポーツクライミングに釘付けです。小柄な日本人選手がまるで忍者のように険しい壁面をスルスル登って行く。東京オリンピックから「追加種目」として採用された競技でしたが、東京の時はほんど注目していませんでした。それが今回のパリでは何かが違っていたのです。

 前半のバレーボールやバスケットボールで欧米人の高さの壁に苦杯をなめさせれらた鬱憤が観る側にも溜まっていたのかもしれません。日本人でもやり投げで金メダルを取った北口選手のように恵まれた身体があれば、トレーニング次第でここまでこられる可能性は見せてもらいました。また、走り高跳びで5位に入賞した赤松諒一選手がメダルまで後3cmに迫ってもいました。彼も世界的に観れば標準的な身長なのかもしれませんが、この競技に関しては決して高い方ではありませんでしたが、終始リラックスしたメンタルの強さで、オリンピックという大舞台で自己新記録を更新しているのです。陸上のフィールド競技での北口選手の金メダルは室伏選手以来の快挙ではあるのですが、走り高跳びで5位入賞も相当の快挙なのです。どうしてもメダルが取れないとメディアもなかなか注目してくれないので、あえて書かせてもらいました。

 昨日はスポーツクライミングの女子の決勝があり。前日の安楽選手に続きメダルを期待していた森選手が前半のボルダーで得点を稼ぐことが出来ず、得意のリードでは圧巻の登りで最高得点を挙げたものの4位に終わったのです。154cmと一際小柄な森選手が2大会連続金メダルを獲得したヤンヤ・ガンブレットをリードでは圧倒していました。
 一際小柄な森選手が挑んだボルダーの第一課題では、何度もジャンプするものの最初のホルダーに取り付く事が出来ず0ポイントに終わりました。SNS上ではこれが不公平というコメントが多いようですが、個人的には得意とする第2課題で完登できなかったことを本人は気にしているようでした。本人の中でもここを完登すればメダルが見えて来ると思ってしまったのかもしれません。

 本人の口からはメダルという言葉は出てきませんが、表彰台という言葉は聞くことができました。12歳でジャパンカップを征した天才少女でしたが、東京五輪では1度国内の選考基準を満たして代表に内定したものの、国際連盟の選考方法との食い違いが生じ、スポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定の結果、代表落ちとなっています。この頃から大学進学を見据えて一時競技から撤退している時期があるのです。本人は勝ちたい気持ちが強すぎて競技が楽しめなくなったからと言っているようです。

 気持ちを切り替えてからの森選手はリードでは圧倒的な強さを見せています。あんなに小さな身体のどこにあれほどの力を秘めているのかと思わせる安定した登りの力は凄いの一言です。こうした重力抗う競技はサイクル・ロードレース同様に、軽さがものをいうようです。そこも、私がこの競技に惹かれる理由のひとつなのかもしれません。高所恐怖症で絶対に自分ではやろうとは思わないスポーツですが、小柄な日本人が世界の選手を相手に登り勝つのが爽快なのかもしれません、サイクルロードレースでも山岳ステージで日本人選手が活躍するのをずっと待ち続けているのです。
 



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オリンピックを考える(11)

2024-08-11 08:59:55 | オリンピック
 今朝は北口榛花選手の金メダルのニュースで盛り上がっているようですが、その前に スポーツクライミングの女子の競技が終わり、日本の森秋彩選手はリードで最高得点を出したものの、ボルダリングの成績が響き4位でパリオリンピックを終えました。メダルには届きませんでしたが、身長の低い日本人でもここまで出来るという可能性を十分に示してくれた価値ある4位だと思っています。

 身長は日本人としても小柄な154cmで、元々ジュニアの時代からリードを得意とする選手で、ボルダーとの複合のオリンピックに参加するかどうか迷っていた時期もあるそうです。ボルダーを課題として挑んだオリンピックでしたが、身長の低さの影響が出てしまった第1課題でポイントが取れなかったのは止むを得ないことでした。その替わりパワーを要求される第3課題は見事に完登しているのです。上から覆いかぶさるような壁面を登る姿はまさにくノ一でした。

 確かに男子の安楽宙斗選手のようにボルダーとリード両方に秀でた選手も魅力的ですが、森選手のようにリードなら誰にも負けないというのも素晴らしい魅力です。彼女がボルダーにもチャレンジしているのは、リードにも活かせることがあるからでしょう。今回のリードでもフック間の距離があるセッティングもあり、身体の小さな選手に有利にならないような配慮も見られているのです。
 ボルダーもそうですが、小柄な選手が苦戦しそうなセッティングが多かったような気がしています。SNS上では不公平というコメントが見られるようですが、スポーツクライミングに関しては大きさが有利になるとは限らないのです。
 自転車のロードレースもそうですが、単にパワーだけは勝てない競技で、パワーウェイトレシオが重要になるので、重力との戦いは小柄で軽量な選手が逆に有利なることもあるのです。従って、ボルダーで小柄な選手が不利なセッティングになるのは止む終えないのです。そもそもバスケットボールやバレーボールだって小柄な選手は明らかに不利なのですから。それを、日本人のスピードや俊敏性で補っているのが実情なのです。ハイキューの星海光来君ではありませんが「小さいことはバレーボールに不利な要因であっても不能の要因ではない」のですから。

 逆に重力に抗う体操やスポーツクライミングでは小柄で軽量なことがむしろ有利に働くことになるので、オリンピックはあえてボルダーとリードの複合にしているのだと思います。東京ではボルダー・リード・スピードの3種目の複合でした。パリからはスピードが独立しているので、今後、ボルダーとリードが分かれることも考えられます。ワールドカップではそもそも種目別で行われているのですから。
 東京オリンピックから「追加種目」として採用された競技ですが、2028年のロスオリンピックでは「正式種目」になることが決まっています。リードが単独種目になれば森の金メダルは確実なのですが、このオリンピックでボルダーを経験したことは必ず今後の競技人生で活きて来るはずです。最後のリードをトップで終えた後も壁の上を悔しそうに見つめていた森の表情が印象的でした。完登できなかったのが悔しかったのでしょう。小柄な身体で機敏に懸命に一手一手着実に登って行く彼女の姿には感動を覚えました。これぞ日本人という粘り強さを存分に発揮してくれました。ありがとう。
 彼女も筑波大学の3年生で、スポーツだけという選手ではありません。一時は競技を休んで迄進学の準備をしていた期間もあったようです。若干12歳でリード・ジャパンカップを優勝した天才少女は、リードでは無敵ですが、今後、ボルダーとどう向き合って行くのかが楽しみです。
 
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